通常の作品が「読む」と言うところから入っていくのに対し、この作品はその世界に「トプンと漬けられる」ように入り込みの速度が異常に早い。入ってしまえばもう後は読了まで離してくれません。これは美の一つの形とすら言えると思います。新しい世界を体験して、それと向き合う用意のある人にこそ読むことをお勧めします。
死にたがる心に逆らうように生きている青痣だらけの体が憎くて、僕は中学校から帰る途中にホームセンターで牛刀包丁を買った。学校でのいじめ。親に捨てられた最近の出来事自殺未遂。重くもメッセージ性あるお話でした。文章うまいです。ラストの終わりかた、印象的でした。
中学生による殺人の話です。悲しいです。レビュータイトルにある「本当に死んだのは」の答えは、読んだ後自分の中に残ると思います。考えれば考えるほど悲しい話で、現代の世の中ならこういう事件ってあり得るんじゃないの?というリアリティーもありました。こういうお話にリアリティーを感じない世の中のほうがいいんですが、現実問題としてありありな世の中が悲しいです。