ハーレム…… マイナス1になっちまった

 さすが王族主催の宴会だ。壁際に沿って並べられている台の上に、様々な装飾品が置かれている。両側に金色の糸で刺繍したカーテンが掛かっている。床に真っ赤なカーペットを敷いている。


 宴会が始まり、音楽が響いている。セーラとアウローラがその曲に夢中になっている。


 オレは…… 意味わかないよ! 


 セーラの素質は音属性である。彼女によると、一度聞いた音、再び聞く時、その持ちぬしはすぐ思い浮かべられる。


 あれがもう音と関係ないよ。記憶の強さだ!


 でも、おかしいな…… 宴会が始まってからもう1時間経過していた。何故セシル様の姿がずっと現れないか? 具合が悪いか? 


 王様が急に具合が悪くなったそうだ。今は王様を看病しているだろう。


 王族に不敬だけど。今日は出ない方かいいよ! セーラとアウローラはオレのお嫁さんだから、譲らないよ! もちろん、オレ自身もな!


 セシル様は国王の一人子であるため、自然に王太子になった。もちろん、彼が未来の王様よね。


「ルーチ様。このスフレが美味しいですよ~」


 その至福感はもうあなたの顔に書いてあるよ。アウローラちゃん!


「アウローラ様! ルーチ様がそんな甘すぎるものが好きではありません! こちらのチーズケーキを食べてみて~ あ~」


 これが、噂の間接キスなの! やった! オレの人生、無駄ではない!!


「カム!」


 アウローラ急にケーキを食べちまった。


 さようなら! 初めての間接キス! 


 その後、二人が当たり前のように口喧嘩をしちまった。


 あぁ、母さんがオレを呼びかけている。また貴族との挨拶か、つまらないな……


 建前な挨拶が終わった。彼女たちの喧嘩がまた続けている。まぁ、外に散歩しよう!


 夜の庭がとても静かだった。風に吹かれて、涼しくてすっごく気持ちいい。


 隣は花畑か、男のオレがどうしても興味が持ってないよ。


 急に蛍の光を気付いた。その光を沿って、花畑の真ん中に着た。


 ある少女が蛍たちと一緒に自由に舞えている。まるで夜空の星々のように綺麗だった。


 彼女の舞姿に夢中になって、無意識的に拍手しちまった。


 彼女が止まって、ビックリした表情でこっちを見る。


「あぁ、申し訳ございません。あなたの舞姿に夢中になって、ついに……」


「あなたはルーチ様ですよね」


「えい! どうして私の名前が知っていますか?」


 彼女は何も言わなかった。この時、セーラとアウローラがオレを呼び掛けて来た。再び前に見る時、彼女の姿がもう消えてしまった。


 もちろん、セーラとアウローラがオレの腕をしがみついていて、会場に戻ってきた。


 しかし、あの少女は何故オレの名前を知っているか?


 先がビックリしたため、光線の折りことが忘れちゃった。さもないと、周りの光線を集めて、彼女の顔を見えるよ。


 宴会がまだまだ続けているが。王太子のセシル様の姿がずっと現れなかった。


 これで、無事で終わるよね。


「動くな! オレたちが対王政府革命軍だ!!」


 急に大騒ぎが起こった。黒い兜を纏い人達が宴会に侵入してしまった。


 場にいる護衛たちが魔法で侵入者たちに攻撃していたが。不思議的現象が発生した。


 彼たちの周りに、目に見えない障壁がすべての攻撃を全部無効化されてしまった。


「見たか!! これが我らの力だ! 腐りきった貴族たちよ!! この国はお前らを必要がない!!!」


 魔法障壁か? しかし、すべてを無効化される魔法障壁が聞いたことがない! 


「動くな! さもないと、この娘を殺すぞう!!」


 ある侵入者が一人の少女の首を後ろから絞めってしまった。


 あの子は…… 先の蛍と一緒に舞をした少女だ! 


 早く助けないと、彼女の命が危ない!!


 オレが転生前の世界、レンズという工学機器を利用して、太陽のエネルギーを一点に集中して、火を起こすことができる。


 この世界では、すべて機械の運転が魔力というエネルギーを燃焼して、駆動させる。つまり、例え太陽の光がない夜でも、光線の中にも膨大なエネルギーが存在している。


 オレの能力『光線を自由自在でコントロールする』は、無数なる光線を思うままに操作できる。つまり、光線の角度を変更によって、レンズのような一点集中することもできる!


 ここの照明は火属性の魔力で駆動させている。よって、光線の中に含む火属性が一番多いである。


 まずは脅迫者以外の敵を始末しろ! ターゲット脅迫者以外の全員だ! 全方位光線の折り曲がり・開始!!


 侵入者たちは少しい兆候もないで全身が燃えている。


 残念、お前らの障壁はオレの光線に通用しない! 存在の次元が違うよ!!


 脅迫者が彼女を連れて、外に向かって駆け出した。


 突然、あいつの前に赤い閃光が閃いていた。両手がその瞬間に不自然的に燃えている。焼けられる痛みによって、あいつの手が彼女の首から離れていた。


 オレがこの隙間で、あいつのところに駆け着いて、彼女を救った。


 周りの護衛たちはやっと気づいて、あいつを捕まえた。


「た、助けてくれて、ありがとうございます!」


 彼女が意外落ち着いた。顔に少し怖い表情もなかった。


 日輪のように輝き金色の長い髪、すべてを包容している大空のような青色の瞳に、オレの姿が映っている。そして、今までのかよわい御令嬢たちと全く違っている。男に負けず劣らず英気な顔。


 男のオレより背が高いよ! 何か急に男としての自信がなくなっちゃったよ! そして、その顔は王太子のセシル様に似ているよね。しかし、セシル様は一人子だから、この子は誰?


 彼女の顔を目て、オレが返事さえ忘れてしまった。


 この時、セーラとアウローラ、そして両親がこっちに向かって来た。


「ルーチ様! どうしていきなり飛び出しましたの?! 私は怖いですよ!」


「そうですよ! 怪我はありませんか?! 私たちはとても心配ですわ!」


 二人がオレを心配したか? さすが未来のお嫁さんだ! そして、さっきの子は?


 気付いたら、彼女の姿がまだ消えてしまった。


「私たちの話をよく聞いてください! ルーチ様!」


 最初の心配から、だんだんと説教になっちまった。


 両親は…… 父さんはもうダメだ。母さんよ、息子が未来のお嫁さんたちに説教するなんて、そんなに面白いか?


 男としての尊厳は…… だんだんと遠くなっちまったのはオレの錯覚かな…… 


 まぁ、身に纏うドレスを見ると、そんなものがあるわけねぇだろう!! 早く男に戻りたい!!


 騒ぎはやっと終息した。


 このような事件が起こった今、宴会は終止しかないよね。早く帰りたいよ。女装は大変疲れだぞう!!!


「王太子様がいらっしゃいました!!」


 なに!!! 先のお騒ぎの時、お前はどこに隠れたか? 少しだけ、革命軍の気持ちを理解した。


 でも、やはりセシル様は男の中の男だ。キリットした顔、黄金に象徴する金色の髪、海ように底知らず青い瞳。そして、あの英気に満ちているイケメンの顔と魅力的な微笑み。男として、全然勝てない相手だ!


 後は定番セリフのような挨拶。大騒ぎに対してのお詫び。


 オイオイ! そんなこともどうでもいいよ!! 早く宴会を終止しろう!!


 彼の発言がやっと終わった。これで……


「そして、セシル=アウレス=エステリアの名のもとに……」


 何! 彼は話が半分に止まった。そして、じろじろとこっちを見ている!!!


 まさか! セーラとアウローラがオレのお嫁さん!! 絶対に渡さない!!!


「ルーチ=ルイ=シュトラール公爵令嬢が私の婚約者として宣言する!」


 何だとうううううう!!!

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