人は未知の物を恐れ、排除しようとする。
けれどそれらと進んで交流し、心を通わせるものもいる。
身寄りのないトラ子には、大切な妖・ガマ吉がいる。
(ガマ吉は美男子なのだが、訳あってガマ口財布に姿を変えている。トラ子はそれを首に下げている)
残念ながら妖は人に害をなす存在として、見つけ次第駆除されてしまう。
トラ子自身も治安部隊である邏卒の紅子に追いかけられ、ガマ吉と共にピンチに陥るのですが……。
トラ子のキャラクターが13歳という設定ですが、時には落ち着いた大人のような突っ込みもあり、語り口も軽快で、お話が明るいのです。
また彼らを取り巻く人々の心の温かさ。紅子はカッコいいお姉さん(怒ると鬼女のよう)彼女のちょっと頼りない部下、静(男)とのコンビも面白い。
一つのエピソードも程よい量で、読みやすいのもおすすめです。
ガマ吉って名前がミスマッチと思えるほど、トラ子と二人きりの彼(イケメン妖怪)はどきどきする場面もあり、二人の恋の進展も気になります。
13歳の少女・トラ子は、ガマ口財布の「ガマ吉」といつも一緒。財布と仲良くお話ししています。
そう、ガマ吉の正体はお財布ではなく、妖怪。それも、物知りの頼れる妖怪です。
妖怪は人と「糸」を繋がないと生きていけなくなってしまう。
しかし、繋がれた人は、やはりどんどん弱っていってしまう…
トラ子とガマ吉の間にある絆は固い。
でも、果たして人と妖怪を繋ぐ「糸」と「絆」は両立するでしょうか?
心優しいトラ子とガマ吉、周囲の人間たちと妖怪たちが紡ぐ物語は、これからどんな展開を見せるのか。
会話のテンポがよく、心温まる、みんなと一緒にお茶を飲む感覚で楽しめる和風ファンタジーです!