-03.ClassM
俺たちはRMVについて、ClassMの免許を取得したいと申し出た。
「あなたたち全員?」
「はい。全部で14人です。」
「仮免許の申請はネットでしておいた?」
「はい。これが14人全員の受付ナンバーです。」
と紙にメモしておいた仮免許申請の番号を渡した。
「OK。じゃあ確認するからちょっと待ってね。」
そう言って黒人のお姉さんは検索していってくれた。
「OK紀夫。今確認が取れたわ。みんなパスポートのコピーは取ってある?」
「はい。これがそうです。」
「OK。I94もあるようね。あとはボストンでの住所の分かるものはある?」
「はい。これが不動産の権利書です。この所有者のマジカル・ワールドが僕の会社なんです。」
「Oh。君は社長なのね。OKボス。じゃあ、試験を受けに行って。ここの2階の2011号室が試験会場だから。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
「いやにあっさり試験が受けれるようになったな。」
「下手にいろいろ言わずに流れに乗ったのがよかったよ。」
「まあ、試験が受けれればなんでもいいよ。」
俺たちはそのまま試験場に入り、入った順から問題を解いていった。
回答して提出、しばらく1階で待つように言われて受験番号の票を返された。
30分後にはもう結果発表があった。もちろん全員合格だ。
俺は窓口に向かって受験票を出していった。
「先ほど試験を受けてあの合格者の掲示板に番号が出たからこちらに来ました。これで仮免許は合格ですか?」
「どれ。OK。おめでとう合格だね。あとは実車での試験だけど明日は来れるかい?」
「はい。大丈夫です。」
「じゃあ、明日の9時からの試験に入れておくよ。頑張って。」
「ありがとう。」
そうやってあっけなく仮免許が取れてしまった。
「えらくあっさり取れたな。」
みんなで笑った。案ずるより行うが安し。
「まずは家を見に行こうか。それで時間があれば買い物だな。バイクも見に行ければいいね。」
「そうだな。家はここから近いの?」
「う~ん。地図で言うと61チェリーストリートにある黄色い共同住宅みたいだ。これが写真ね。」
と、契約書と共にくれた家の写真を見た。
「これだけ広い通りだと夜にならないと収納して修繕は無理そうね。」
「うん。まあ、とりあえず見に行こうよ。」
行ってみるとチェリーストリートとイートンストリートが交わる交点にある黄色い寮だった。
「結構古そうだね。」
「…まあ、直し甲斐があるなと言っておこう。」
俺たちは建物の中に入って点検していった。これは今晩にでもここにきて、修繕しとかないと無理だな。
丁度14室とホールそれと食堂というかみんなが集えるようなプレイングルームというやつだと思うけどそれが1室ある。
みんなで話して間取りを検討する。
この建築のために源蔵さんにセメントや木材、鉄骨やサッシ、風呂桶やシャワーなどを20ずつ程仕入れてもらって持ってきている。
建築スキルを使ってみようとすると、この建物に直接改造できるのがわかる。
「あ。今ここで改造できそうだよ。」
と言ってまず地下室を増設し、玄関ホールの方に階段を設置、柱張りと壁や屋根をまず新品同様に修復した。
スキル発動を念じると一瞬で見違えるようにきれいになった。
「さて、これでベースは整ったね。一応地下室も作ったんだけど、みんなアイテムボックス持ってるからバイクの収納も場所とらないしな。工作室ぐらいかな?ん?ここって横にも建物がついてるね。そこが半地下になってるみたいだ。そっちを会議室というかプレイルームにすればいいな。」
一度全員で見に行ってみた。
「ここって保育園かなんかだったのかな?」
「可能性はあるね。」
「…まあ、改装してみるね」
部屋は14室を20室ぐらいに改造しよう。
多分カアサンズたちも泊まりに来たがるだろうからね
後は各室にシャワーとバスタブ、半地下のプレイングルームには段差をつけてその段に座れるようにしたいな。形は円形で。
後はトイレも各部屋にいるよな。
ベッド一つ、机一つ置くのがやっとだな。
まあ、プレイルームもあるし、集まるときはそれで。
ここは寝に帰ってくる程度に考えておこう。
「今思いついたんだけど、各部屋のベッドと机は日本から持ってこないか?なんとなくその方が品質が安定してると思うんだ。それと板敷きだけどカーペットは要るよね。どうする?」
「う~ん。基本こっちは土足だからね。玄関ホールで靴を脱ぐスペース作ってスリッパ履きはどう?お客さんはそれで。私たちはサンダルでも探してきてもいいし。」
「そうだよね。家の中に土足で上がるとどうしても家が汚れるからね。スリッパかサンダル履きなら板張りのままでいい?」
「うん。その方がダニとかわかなくていいよ。板張り用のワックスで掃除かな?」
「家中のワックスがけは建築スキルでもできそうだからやっておくよ。」
「じゃあ、全員で一度会社に移動する?」
「そろそろお昼だし、日本でハンバーガーでも食べるよ。」
「本場に来てまで日本のハンバーガーの方がいいのね。」
俺たちは笑いながらそれぞれが日本の会社に転移していった。
俺たちは転移部屋をすでに決めていた。
3501号室の一番奥の部屋は転移部屋だ。
ここには何も置かないようにお願いしている。
「あ、みんな土足だね。脱がなきゃ。」
みんな一瞬で靴だけアイテムボックスにしまった。
みんな早着替え練習したんだな。
「ただいま。」
と俺たちはリビングに集まっているみんなのところに顔を出した。
源蔵さんに部屋の寸法図を渡して、セミダブルのベッドと机、いすの手配をお願いした。
それ以外にもいるものはスリッパ20足、タオル40枚、バスタオル40枚。
それと洗濯機冷蔵庫などの家電商品。あ、これは業務用がリサイクル品として買ってあったな。
「どう?向こうの環境は?」
「まだわからないよ。部屋は結構いい立地だったけど100年は経ってたんで、内装はフルで入れ替えておいたよ。一度みんなで向こうに行けば母さんたちもいつでも来れるからあとで一度転移で行こうね。それと腹減ったんだ。ハンバーガーでも食べたいんだけどよく考えたらこっちは13時間の時差があるから夜中の一時だよね。店も開いてないか。」
「今日は一度みんなが返ってくる予定だったから集まってたけどね。」
「う~ん。今度から転移するときは向こうの夜9時に転移してもこっちでは朝の8時か。向こうからは夜にしか転移してこれないね。」
「13時間ってことは昼夜逆転してるから仕方ないわね。」
俺たちは笑った。
「そうだね。じゃあ、向こうのバーガーでも食べに行きますか?母さんたちは夜食かな?」
「そうね結構お腹空いたわ。」
「じゃあみんな自分の親と手をつないで転移してね。あ、母さんたち靴忘れないで持っていってね。」
俺は母さんと美香と手をつなぎボストンに転移した。
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