-02.パワーストーンショップ
パワーストーンに使われている宝石類を調べると結構種類がある。
その数は800以上にも上っている。
これらすべてをそれぞれルートを作り取り扱うのは大変だ。
そこでいくつかの鉱石商から複数ずつ買い付ける方法で対処することになる。
それでも数が多くてどうしようかと五郎さんは悩んでいたらしい。
「まずは日本で一般的に知られていて、よく好んで買われるものだけに絞ったほうがいいよね。」
ということで候補を200ほどに絞っていった。
パワーストーンと呼ばれる石にはそれぞれ意味がつけられている。
それを自分の好みにチョイスしてブレスレットなどにするのが一般的らしい。
いろいろ見ている中でガーネットインクオーツというのを見つけた。
単純にガーネットの中に水晶が入り込んでいるものだ。
意味は『愛の浄化』
「この石の中にあるクオーツ(水晶)が、ハートだったらご利益ありそうだな。」
と、笑いながらぽそっと言ったのをしおりが聞きつけた。
「う~ん。自然界でそんなことはまず怒らないでしょうから売り物としては無理よね。でもプレゼントとしてなら喜んで受け付けるわよ。」
とウィンク付きでお言葉を頂戴した。
これは作らねば。
本当にいろんな石があるよね。
まあ、石は五郎さんが何とか入手してくれるだろうから、俺は商品としての形を考えなくちゃね。
球、ダイヤ型(ひし形)、ピラミッド型、ティアドロップ型、さいころ型なんかかな。
販売商品としては個別はもちろん販売するけどネックレス、ブレスレット、アンクレット、指輪、ブローチ、イヤリング、ピアス、ピン止めなんかもいいね。
そしてそれらの土台はやはりシルバーが無難かな。
銀はインゴットの形で押収物の中にあった。結構な量がある。
ゴールドも結構あるな。
純金は24金だよな。18金は…。
頭の中の百科辞典で調べると合金する金属で呼び名が変わるようだ。
18金は金が75%、割金という合金にする金属が25%らしい。
ホワイトゴールドは金に銀などを混ぜると出来るらしい。
ピンクゴールドは金に同、銀、パラジウムを混ぜるようだ。
パラジウムっていうのはまれに人体にアレルギー反応が出るらしいな。
適当に金と銀と十円玉から抽出した同を混ぜていろいろ試してみるか。
金色からピンク色まで結構いろいろとできそうだな。
金の75%は固定しとかないと18金とは言えなくなるからね。
独自配合でピンクと金色を作って見た。
うん。これでいいだろう。
独自配合だからオリジナルな名前を付けちゃおうか。
…マジカルピンクとマジカルゴールドしか頭に浮かばない…。
いくら知識があっても発想の貧困さは元のままなのか…。
もうこれでいいや。
これで小さなイヤリングんできるような猫や犬、うさぎ、トラ、魚なんかを次々に作って机の上に出してみた。
こんなのにパワーストーンが埋められてたらいいよね。
ルビー、ガーネット、水晶、トパーズ、アメジスト…
前に買ったサンプル品で加工していく。
「うわ~。お兄ちゃん。かわいいの作ったね。」
「イヤリングやペンダントトップにこういうのどうかなって思ってね。」
ピンクゴールドのNinja400を机に出した途端速攻で美穂に持っていかれた。
パワーストーンって混じり物があったほうがいいんだね。
いろいろ変化もあるし、味もあるよな。…これは…。
「みんなちょっと待って。う~ん。どうやら俺の認識不足で、パワーストーンに使われている石はどうやら混じり物があったほうが色々と意味も違ってきて、趣が違うってところが受けてるみたいなんだよね。確かにそういうものも作れるんだけど…はっきり言えば手間なんだよね。むしろ、単純に買ってきたものを丸くするとか形を変えるっていうことは簡単にできるんで、そっちの方向で考えてもらえないかな?形を整えるのはアイテムボックスの改造を使って、知識の中の動物の写真なんかをベースにデフォルメしていくってのが一番早いみたいだ。純度を上げたりするのも改造で一度で済むからね。みんなでいろいろ試してみて。」
と俺は直径7㎜ほどの級でいろんな石を作ってテーブルの上に引いたタオルの上に出した。
「五郎さんもその方向で商品構成を調整してもらえますか?あくまで原石で、結構ですので、不純物やその鉱石についているほかの鉱石などは取り除けますから。」
と、お願いした。
「値段は中学生が買える程度から大学生が贈り物で買える程度にしよう。
そうだな500円から3万円ほどが価格帯として妥当だと思うんだ。
ピン止めにパワーストーンがついてるとか、結構いいでしょ?
カチューシャなんかもいいのかもね。
それだとベースの素材は鉄かプラスチックになるかもだけど。
原価を半分で考えてみてほしい。
それとベースを作っている工場なんかに見積もりだして原価を調べてみてほしい。
手間もかかることだし、そっちの方が安くつくようなら頼んじゃったほうがいいからね。
ものさえあれば合成はすぐできるしね。
卸元にはパワーストーンをつけた加工して販売したいということは伝えて了承は取ってくださいね。」
これで前に進むだろう。
パワーストーンショップというかファンシーショップに近いものになりそうだけどね。
「思い付きで悪いんだけど…。
パワーストーンの粉の純度を上げて、『砂絵』みたいのが作れないかな?
自分で作れるように粉と下絵と上からかけるコーティング剤をスプレーして、シールにできるみたいな感じで商品作れないかな?
それを自分のスマホに貼ってデコレーションにするとか。
バッグにワンポイント入れるとか。
下絵は自分でプリントアウトしたらなんでもできるんだろうけどね。
下の土台は両面シール加工したビニールとかがいいのかもしれない。
もちろん透明でね。そうしないと下絵が見えなくなるからね。
細かく石粉が落とせるような筆状のペンができたらいいかも。」
俺はそう言ってどんどんアイデアを出していった。
どれが生き残るのか楽しみだ。
翌日、俺は不動産屋へ行き、俺の内と山田さんちの周辺の土地で売りに出されているところを買った。
「玉田様この周辺の土地ならばここも必要でしょうか?」
不動産屋が指さした土地を手に入れればこのあたり一帯の土地が手に入ることになるだろう。現在は荒れ地で何もないところのはずである。
「ええ。あれば助かりますが…。無理やり買ったりするのは趣旨に反しますので。」
「いえいえ、そうではございません。この土地は買い手があれば教えてくれとお声がけいただいていた土地なのです。もしよろしければ、これらの土地のオーナーに値段をお聞きしますがいかがでしょうか?」
俺は少し考えた。俺の所為で地上げなんかやられたらたまったもんじゃない。
「ええ。ただし、今ここでそのオーナーさんに電話してもらえますか?疑うわけじゃないんですが、俺が欲しいからと地上げなんかされたら、いやですからね。」
「はい、かしこまりました。」
と、不動産屋はその場所で直接オーナーに電話を掛け、話をしてくれた。
概ね了承してくれたようだ。早速今から不動産屋が向かい委任状を取ってくるとのこと。
この場所の土地は直接売買になり、不動産屋は売買手数料のみで動くという。
「それでいいのですか?」
「玉田様にはすでに大変助けていただいております。今後ともよろしくという挨拶も込めまして、便宜御図らせていただきたいのです。」
鑑定で見ながら話を聞くが、他意はなさそうである。
「それじゃ、厚意に甘えます。よろしくお願いします。」
そうして俺は山田さんちの裏山から続くさらに奥の山までの土地の取得に成功した。
値段は1億程だが、面積は今までの土地とは比べ物にならないほど広く、30万坪ほどにもなる。
売買契約を結びさっそく金額を振り込むと、土地の販売証明書と権利書が作成された。
それをオーナーのところにまで持っていき、すぐにサインと印鑑を押してもらい、俺はそれらの土地のオーナーになった。
翌日早速源蔵さんとプランを練り直し、結構大きな直線を含むサーキットのプランが出来上がった。
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