怪文書
柿.
怪文書
チャイムの音がして目を覚ます。リハーサルとは比べものにならないくらいきいた音が現実か夢かわからないが宅配便はないし深刻な地球温暖化問題を抱えている予定はこのご時世ない。漫画の最新刊を確認して文庫本のコーナーにいく。ややあってまたチャイムがなる。何冊かどかして本を取り出す。いよいよ本番。現実であることを確信し自動ドアが開いた。食指が動くようなものはなく改善がすすまない受話器をとるとNHKの集金だそうだ。僕はこういう頼んでもいないのに発生する自分が嫌いだ。平積みの本が生きているうちは崩壊しないという安心感からだとおもう。無心で演奏を続けていると丸顔の女性店員と目が合う。一番上の本はとらないで自分は家主の友人で家主は出かけている、というと、どのくらいで帰ってくるか、ときいてきた。嫌な音がした。ステージの光は眩しく自称処女喰いと目が合ってしまう。音の出処、足元を見やると彼の武勇伝が落ちていた。大学で知り合ったハンマーが店内を物色する。さっきでかけたばっかりだからとくになにか明確な目的はなかった。埋まっている友人が延々と菓子と飲み物を多めに出しているのがわかった。レジに行くとどうやら落としてしまったらしい脳が丸顔の女性店員だった。合計で1024円。こうはなりたくなかったな、と自己嫌悪に苛まれながらそこそこ歩くとくじを一回引け、という。完全に捕まりキリがいいな、と思ってしまった。表情はあくまで真顔だった。アドレナリンを出している嫌な施しを受けているようでラッキーの拒絶反応を起こしてしまう。しばらく帰ってこないと思う、というとなんとかえってくれた。
チャイムの音がして目を覚ます。現実か夢に入ってすぐ
怪文書 柿. @jd2020
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