6-2
いいか、これから起こるのはこちらの世界での常識的な発想、想像、結末だ。
例え魔法で出来るようになったとしても、お前らからすれば
4日目 客室
「……何だったんだろ、この感触」
魔王の日記を読んでいたら、いつの間にか自分ではない感触に襲われた
そしてその記憶で目前にいたのは……
「ヒロ……なんだろ、不思議と俺ではないと確信してる……」
そう言いながら魔王の日記を更に読むと、段々と魔王の記憶にいる人が自分ではないとはっきりとわかってくる
「記憶にいるのがヒロと名乗っているが、俺が名乗ると違和感を感じるな……フーリ、いるか?」
「(呼びました?)」
読んでみると、ベッドの下から生えるように現れた
俺も思わず驚いてしまったよ
「非実体でそんな現れ方をするな、俺も思わず驚いてしまったじゃないか」
「(ごめんごめん、私もこんな登場は気が引けるなーって思って……)」
ならやるなよ……
「(それで、用件は?)」
「ああ、それはな……俺ってヒロじゃなかったんだね」
そう言うとフーリは目に見えずとも異常にテンパっていたのが何となくわかった
俺はその想像で少し笑い、魔王の日記を見せる
「何故かって所ならこれが理由だ、読んでたらこいつの記憶が出てきたよ」
「(ああー、物から記憶が流れ込んだのね)」
へぇーこの世界だと物からでも記憶を読み取れるのか……頭に入れとこ
「さて……これからどうし……」
そう考えながら日記を読もうとした瞬間、突然周りの空間が塗り変わったような感じに宙に浮いたまま何処かにいた
「……へっ?」
突然の状態に追い付けず、そのまま地面に落ちる
「あっ!……っ!」
俺は背中から地面に落ちて痛がりつつも、周りを見渡してからゆっくりと立ち上がる
どうやら会議室的な所にいるようだ
ってなると俺を飛ばしたのは……
「えっとリリィさん?俺一応重傷負ってるんですが、何ならまだ背中の傷完治しきってないのですが!」
そう問いかけるとリリィは目を逸らしてから
「あっごめーん、私伝えるの後回しにしちゃった☆じゃあ……だめ?」
リリィが手を合わせてねだるように言った
それを聞いて俺は、笑顔で指の一本一本を鳴らしてながら答える
「あははは……駄目に決まってんだろうがあああああああ!」
俺は怒って魔王目掛けて走った
「やめて!今会議中なんだから!」
青髪の少女がそう言って俺の前に立ちふさがる
奥を見ると、リリィは「はわわわ……」と説教を覚悟したような怯え方をして震えていた
はわわて……お前そこまで乙女でもなかろうに!
「邪魔すんじゃねぇ!」
そう言いながら俺は両腕を掴んでから頭を大きく上に向いて……
「ぬぅん!」
強烈な頭突きを少女にお見舞いした
頭を強く打った少女は額から蒸気を出しながらへなへなと倒れていく
「ノープっ!テメエっ!」
少女が倒れるのを見ていた白髪の少女は怒りだし、今にも机を飛び越えて殴り込みそうになったその時……
「
「っ!」
玉座で座っていた青年の一声で俺の体がピタリと動かなくなった
「この城の中では私だけ絶対権を使えるのをお忘れか、マキナ」
知らねーよ!ってか誰だよお前は!
俺は動かなくなった状態で無理矢理動かそうと力を入れるが、力が入る所が少し震えるだけで少しも動けずにいた
「マキナ、落ち着きたまえ、確かにこの朴念鈍感女に非があるのはわかるが落ち着け」
端で聞いていたリリィが不服そうな表情を見せるが、青年は気にせず話す
「君をここに来させたのは彼女の指示だ、文句なら彼女に言ってくれ」
そう言って彼は一人の少女に指を指す
指された方向を向いてみたら驚いた、あの時の少女……確かマリーだったか
倒すべき目標……しかも3人も反応が肌で感じ取ったので、足掻くのをやめにした
「
彼の言葉で体を動かせれるようになったので、俺は確認してから彼女に近づく
「お前か、傷を負ってる俺をここに飛ばしたのは」
「貴方こそ、あの日にあんな事をしていては、何をやっていたんですか?」
めんどくさい問いかけをするなぁ、それと……
俺はため息を吐いてから答える
「質問を質問で返すなぁっ!答えてやるけどさ!」
こうして俺は事の全てを話した、自分には記憶がない事、戦い方を確かめるために魔物の掃除を行ってた事、終わったタイミングでマリーに見つかってしまった事
その全てを聞いて彼女は、あの時の態度に謝った、俺は「気にするな、ありゃ初見でもこうなるさ」と答えて流す事にした
彼女は質問を返してくれた礼のつもりか、こっちの質問に答えた
「貴女をここに呼んだのは私です、こんな重傷だとは知らなかったもので……」
俺はいつも通り「気にしないさ」と返した
そして彼女は自分の知り得る限りの事を全てを話した
俺はマリーの、信じられなさそうな話を聞いて、自分の本当の名前と素性を知った
「そうか、俺はヒロではないかぁ……向こうの日記を読んでてなーんか変に感じてたけど……やっぱそうだったか」
予想はついてたが、予想通りもここまで来ると怖くなってきた……全然恐怖感じないけど
「それでいて本当の名はマキナと……ってなると俺は人間ではないと?」
「うん、そうみたい」
マリーがそう答えた時、魔術に関して1つの閃きが浮かぶ
「って事は魔術干渉が人間よりも広範囲にいけて……」
うまくいけば目的達成の助けになるな
「まぁ……これからもよろしくって言った方がいいのかな?」
そう言ってマリーは手を差し出した
なんかお堅いなぁ……まっ!いずれ手を組まんといかん時も起こるだろうし……
「ああ、そうだな……よろしk……っ!」
そう言って握手した瞬間、電流が走るような感覚が手から流れた
流れた電流から見たことのない記憶や記録が混ざっては、何の雑念もなく頭に入ってきた
マリーもこの電流が伝わって頭に流れてきているのを何となく伝わる
この感覚……これはまさかっ……!
back to root1……start all
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