第11話 危険なJK③
探偵と凛子の姿は浜野町の
「それで?そろそろ教えてもらえるかしら。美々がどうしてここにいるのかを」
「先っきのメモを持ってるかい。こそにはこう書いてある」
"16なたね11ざ。のほねひていづ、ほもきねてらはかんら。すをなゃいしり↴"
「これは暗号で良く使われる "降下法" って奴でね。書いてある文字を、文字通り一つ降ろして読むんだ。するとこうなる」
"27にちの22じ。はまのふとうで、まやくのとりひきあり。せんにゅうする"
"27日の22時。浜野埠頭で、麻薬の取り引きあり。潜入する"
「……なんて事?高校生の美々が、何故そんな危ない真似を」凛子は頭から血の気が引いていく感覚を覚えた。
「それは分からない。しかし正義の為に戦った君たちの親父さん、道広氏の意思を継ぐような気持ちだったんじゃないだろうか。そう言ってる内に、もう三分前だよ。さぁ行こうか」探偵が言い終わるか終わらないかの内に、10フィートコンテナに爪を刺していたフォークリフトが、
コンテナは鈍い音と共にコンクリートの上に着地して、近寄った数名のアジア人と思われる男たちにより、その扉は開かれた。
コンテナの中にはビニール製の、男性の性欲を
「中々の
「ちょっと待ちな。アンタらの悪事もそこまでだよ」沖からの照明が逆光となり、小さく細い
「み……美々」影を見て、凛子は白目を
「ごめんなさいね。うちの若い者が。何を勘違いしてんでしょうね。まぁまぁ、お兄さん方、そのままお続け下さいな」凛子とは対照に探偵が割って入った。
「何だ?お前たちは」男たちの鋭い視線が突き刺さった。
「何だ?いえいえ、我々はそんな大層な者ではございませんですよ」
「ちょっと待てよ!オッサン何言ってんだよ」美々が言うと探偵は肩を抱き寄せ、端に行った。
「君の事は姉上から聞いている。ここは安全の為にも君の正義の為にも話しを合わせて」探偵はウィンクをした。
「な……なんだよ、アンタ」
「月を見てごらんなさい。とても綺麗な満月です。この "月が綺麗ですね" を漱石は Ī love youの
「貴様!何のつもりで
「貴様ら。警察だ。お前らは
探偵は黒ずくめの男たちが車のライトに気を取られている
「ほらね。正義と安全の為って言ったろ。これで後は警察に任せて僕たちは逃げるよ」
「いい加減にしろよ。オッサン」美々が掴まれた腕を振り解いた時、左頬に激痛が走った。
「いい加減にするのはあなたよ、美々」凛子は目を
「あ……姉貴」美々も頬に手を当てて目を潤ませていた。
「私たちがどれほど心配したと思ってんの」
「私たちって何よ。姉貴に心配される覚えはないよ。だいたいアタシを妹とも思ってないクセに」
「思ってるわよ。私と血の
「何よ。何を泣いてんのよ。そもそもアタシとは血の繋がりがないんだから関係ないって、ずーっと言ってきたじゃん」もらい泣きなのか、美々の目からも一筋の光が頬を
「もう血なんて関係ないの。あなたは確かに私の妹。誰がなんて言おうと妹なのよ」凛子は美々の体躯を包み込むように包容した。
「姉…お姉ちゃん」美々は凛子の胸に、顔を埋めて、その小さく細い身体を小刻みに震わせた。
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