第2話学級日誌2日目

その声の方向を一斉にみんなが振り返った。

そこには黒縁の眼鏡をしたツインテールの少しふっくらした少しオタクっぽい女の子が立っていた。確かこいつの名前は柊元綾…


「私、柊元(くきもと)綾音(あやね)も委員長やりたいです!」


クラス中に自分の存在を示すかのように大きな声でその子がもう一度言った。


「えーと、柊元さんでいいと思う人」


先生が柊元の勢いに少したじろぎながらクラスのみんなに問いかけた。


「まぁ、いいんじゃない」

「そうやな」


みんな早く決めたいのか特に反対意見もなく拍手が起こり始めた。

後ろの柊元の方をチラリと見るとニヤッと笑いながらこちらを見ていた


「なんだあれ?お前、知ってる?」


俺の隣の席で友達の東宮(ひがしみや)四阿(あずまや) に小さな声でたずねる。


「ああ、去年同じクラスだったからな、なかなか強烈なやつだったぞ」


あまり人のことに興味がないこいつがここまで言うのだからきっとすごいのだろう、そんなことを思いながら俺は柊元を見ていた。


「それじゃ、委員長の2人は放課後会議があるから集会室に行ってくれ、それじゃあ終わろう」


ちょうどそのタイミングでチャイムが鳴った







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