ビビデバビデ流魔法『爆砕』
バハニュートが二人?の弟子をとってから2週間が経とうとしていた。
村の長老と話ができた。
長老が知っている強い魔物は遥か北にそびえる最果ての山には龍王住んでいるだとか、西の果ての海なるところには水龍王リバイアサンがいるだとか、たどり着くには年単位の時間がかかるような場所の話がかりだった。
もっと身近な場所の情報がほしいなら街で情報収集するべきだと有り難い教えをダスケは授かったのだった。
ただ街への道案内はゴブリンの対処が終わってからにしてほしいとのことでそれまでバビデの家に厄介になることにした。
というかバビデが身体操作魔法をバハニュートに教えてもらいたいだけなのはダスケやバハニュートにも分かっていたが二人としても有り難い話だった。
「ふんぬぅ!!」
バハニュートに身体操作魔法を習ったバビデは相変わらずメイスを振っていた。
「コツコツ(魔法の練習って感じじゃないよな?)」
「そうじゃがバビデにはビビデバビデのバカ力の逸話が魔法のイメージとして固定されとるから普通の魔法は無理じゃ。その点身体操作魔法はぴったりじゃ。将来的には身体硬化魔法や身体強化魔法を覚えればビビデバビデのマネが出来るかもしれんの。」
「コツコツ(マジかぁ~、俺もバビデに殴られたら死ぬかな。)」
バハニュートが言うには王種の魔物に攻撃されて無傷だったらしいがさすがにビビデマビデの逸話みたいな異常な筋力で振り回すメイスをくらったら粉々になると想像したダスケはバビデを怒らせないようにしようと思った。
ただ、気の優しいバビデを怒らせるの難しいとも思っている。
「なにを言っとるんじゃ。ダスケを殺すなんて龍神の力を取り戻したワシでも無理じゃ。」
ダスケがスケルトンなのは間違いないことは間違いない。
それならばどうして王種の攻撃で傷一つつかない理由はスケルトンの元になったホネに秘密があると考えたバハニュートは考えていた。
そのためバハニュートはずっとダスケの身体を調べていた。
トカゲになったとは言え元龍神(自称)であるバハニュートは魔法の扱いに長けている。
魔法を使ってダスケのホネを調べた結果分かったのは正体不明な物質と言うことだった。
ただ王種の龍の鱗よりも格段に頑強であることは確かであった。
つまり、ダスケは基本的にはスケルトンだが頑強さだけは王種の龍以上なのだ。
そんなダスケを殺すのは龍神(自称)バハニュートでも難しい。ましてや細マッチョなバビデが身体操作魔法を覚えたくらいでは傷一つつかない。
「そんなことより、魔力消費をコントロール出来るようになったのか?身体操作魔法を使っただけで気絶するヤツなんぞお主くらいじゃぞ。」
「コツコツ(問題ない。)」
「ほんとうかのぉ?」
ダスケは召喚のときと同じようにバハニュートの話を聞いて直ぐに身体操作魔法を使えるようになったが、使った瞬間に気絶したのだ。
なぜか記憶にあった拳銃から放たれる弾丸をイメージして拳を突き出したために大量の魔力を消費して魔力枯渇に陥ったためだ。
なかなか学習しないダスケだった。
普通のスケルトンは衝撃に耐えられずに全身のホネが粉々になっていただろうが謎のホネを持つダスケは傷一つつかずに気絶するだけで済んだのだ。
「コツコツ(ほら、身体操作魔法を使い続けても問題ない。)」
ダスケは身体操作魔法を発動して拳を突き出す。
弾丸ほどではないがスケルトンとは思えないほどスピードで拳が突き出される。
これならゴブリンにも引けを取らないだろう。
そう、ゴブリンには。
「バハニュート!見てくれ。今度こそビビデバビデ流魔法『爆砕』が出来そうだよ。」
バビデは自身満々にメイスを振り上げている。
ダスケのようにすぐに魔法が使えるようになることはなかったが魔法を使えるようになるために一人でメイスを振り続けたバビデにとってそんなことは障害ではなかった。
バハニュートの指導で確かに魔力を感じられ日々上達が感じられたので不安は全くなかった。
「うむ、やってみるんじゃ。」
「イキマス!『爆砕』!」
魔力を練り身体操作魔法を発動したバビデが振り下ろしたメイスは風の壁を突き破りダスケの身長を超える大岩を打ち抜いた。
(ドゥ~ン!)
地響きと共に大岩は粉々に砕け散ったのだ。
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