第8話 暴露
「コツコツ(おお!これがステータスか。自分の能力が分かるって便利だな)」
バハニュートにやり方を聞いてダスケはさっそくステータスを確認してみた。
ダスケのステータスがこれだ
名前 ダスケ
種族 スケルトン?
レベル 1
HP 10/10
MP 10/10
力 5
防御 @¥?$
魔力 5
耐性 *?><
速さ 1
称号
謎の白骨死体
「コツコツ(このステータスは高いのか?)」
初めてみるステータスにダスケは困惑している。
ただ名前が既にダスケになっていることには何も思っていないようだ。
バハニュートが名づけ親である。
「フム、防御と耐性以外は普通のスケルトンより明らかに低いのじゃ。こんなミミッチィ魔力じゃ高密度魔素結晶たるワシのホネを召喚するのは無理じゃな。」
バハニュートにダメ出しされたダスケだが特に気にしていない。
気にしているのはMPがいくつあればあのホネを召喚できるのか。
そしてレベルをいくつに上げれば必要MPまで増やせるのか。
一日も早くあの至高のホネを再び食べれるのかである。
「コツコツ(ホネを召喚するにはMPはどれくらい必要なんだ?)」
バハニュートはリッチでもない最弱のスケルトンが高密度魔素体のワシのホネを召喚できると思っておるのかと目を見開いて驚いたが、億が一でも召喚できたなら儲けものじゃと考え直して真剣に頭の中で計算してダスケの疑問に答える。
「う~む、ハッキリした数値は分からんが少なくともMP200は必要じゃろうな。」
ダスケは計算してMP190足りないことが分かった。
計算の知識が記憶の断片の中にあったことに気が付いたが感想はただ便利だなだった。
一レベル毎に上昇する量が1ならレベルを190上げればホネを召喚できることも分かった。
あと必要な情報はレベルの上げ方と1レベルでMPがいくつ上がるかだ。
それが分かればあの至高のホネを召喚できるようになるまでの時間が分かる。
ホネを召喚することを考えるとヨダレが・・・出ない。
「コツコツ(レベルってどうやったら上がる?)」
「そりゃ、魔物を倒せば上がるぞ。スケルトンは最弱の魔物じゃからポンポン上がると思うぞ。」
「コツコツ(魔物はどこにいる?)」
魔物を倒せばレベルが上がる。
レベルが上げればMPが増える。
MPが増えれば至高のホネが召喚できる。
さらにレベルが上がればさらにMPが増える。
するとたくさんのホネを召喚できる。
つまり魔物を倒しまくるしかダスケに道はないのだ。
「あの扉の向こうにはおると思うぞ。」
「コツコツ(あっちだな!)」
バハニュートの言葉を聞くとダスケは脊髄反射で全力ダッシュを発動した。
「ただ・・・行ってしもうたわ。最近の若者は最後まで話を聞かんからいかんのぉ。」
速さがたった1のはずなのに一瞬で扉へたどり着いた。
扉はちょうどダスケの身長と同じくらいの高さだった。
ダスケが扉を開けようとするとまるで手招きするかのように扉は自然と開いた。
「コツコツ(この先に魔物がいる!)」
勝手に扉が開いたことには全く興味を持たない。
あるのは魔物を倒してレベルを上げてMPを増やしてホネを召喚することだけだ。
大切なものを守れなかった後悔が元でアンデットになったはずなのに守るべき者を探すことよりも至高のホネを食べることが最優先事項になっている。
恐るべし食への執念。
「コツコツ(おお!こんなところにもホネが落ちている。)」
魔物を探しているとダスケは美味しそうな匂いにつられて足元を見ると大きなホネが落ちていた。
巨大な魔物のホネのようだ。
「コツコツ(ウム、至高のホネほどではないが美味い。高級霜降り牛を3.5倍にしたくらい美味い。)」
なぜダスケが高級霜降り牛の味を知っているのかは謎だ。
生前は金持ちの商人か貴族だったのかもしれない。
落ちているホネを拾っては食べ、拾っては食べと先へと進んでゆく。
他にホネが落ちていないかと下ばかり見ていると不意に道の先で光が瞬いたのを視界の端で捉えた。
「コツコツ(出口?)」
ダスケが顔を上げると同時に通路内は光に包まれた。
そして光が収まると闇以外に何も残らなかった。
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