13.勉強会②

夜ご飯を作るからと言ってやる気を出してくれた3人。

俺は教えなきゃいけないのかーとか思いながら最初に簡単なテストをやらせた。


「えーテストやるのー?」

「なんかむずそうだな」

みんな少し嫌がってるな。まあしょうがないことだけど。

「そこまで難しいやつは入れてないから心配しなくていいよ。はい、じゃあ今から10分ね。」

「ちょっと頑張るか。」

蒼太が頑張るって言ってるのか、珍しい。



10分後。

「ぷっあーーー、やっと終わった〜」

「難しいのないって、めっちゃ難しかったんだけど!??」

「それなーー!ヤバかった!」

「あれ、俺思ってたよりできたわ。」

「じゃあ丸つけして行くかー。」


俺はみんなの驚きの点数に戸惑いを隠せなかった。

「え、」


そう。みんな満点だったのだ。

「「点数どうだった??」」

浜辺さんと柏木さんが嬉しそうに聞いてきた。

さっきまで全然やってなくてやばいみたいな感じに見えてたのが、急に余裕な風に見えてきた。これって俺の方がテスト勉強やばいのでは?

「ものすごくびっくりしたけど、みんな満点だよ。」


「本当!?」

「やっぱり、なんかできたんだよなーー!」

「よかった!!」


「あの、一個言ってもいいですか?」

俺はこの点数で思ったことを言った。


「「なになにー??」」


「これ勉強会やる意味ある?みんないい点取れるよ。っていうかみんなってそんなに頭良かったの??浜辺さんは頭いいみたいなこと聞いてたけど。」


「や、やっぱりさ、勉強できないって思われるの恥ずかしいじゃん?だからさ結構勉強したんだよね…」

そう言って柏木さんは赤くなった顔を隠した。


「あ、ありがと。」

浜辺さんも顔を赤くして後ろを向いてしまった。


俺なんかまずいこと言った?なんか2人とも恥ずかしがっちゃってるんだけど。なにこれ。


「蒼太もすごいな。教えてって言ってきたから今回もやばいのかと思ってた。」

前まではいつもヤバかったのに今回はすごく良くて不思議だった。


「なんかさ、ずっと頼りっぱなしもよくないなって思い始めて。まあそれでも教えては欲しいんだけどね。」

蒼太が成長してる。いいことだ。

「まあ、教えて欲しいっていうなら教えるよ。」


女子が2人とも静かになっちゃってこれじゃあ勉強始めるにも始められないな。

お菓子少し持ってきて休憩するか。


「みんな疲れたと思うし、ちょっとだけ休憩するか。お菓子とってくるから部屋で待ってて。」


そう言って俺はみんなを俺の部屋に居させたままリビングに行った。



俺が部屋に戻ろうとしたら中から声がした。


「アリスちゃんのフィギアだけじゃなくていろんなのある!?ヤバい!!」

「たくさんあるんだねー。」

「もうやばい!!私の好きなアニメのやつありすぎて!!!」

「拓人の好きなキャラ大体女の子だね。みんな可愛い!」

「斎藤くんのセンス良いよね〜。みんな良い!」


女子たちがさっきとは打って変わって元気になっていた。

そうだった。漁られるって事に気付いてなかった。俺の部屋ってことを完全にわすれてたなー。


「お菓子持ってきたぞ。あと勝手に漁るなー。」

「ごめんー!でも斎藤くんのセンス最高だね!みんな良いやつじゃん!」

「あ、ありがと」

「拓人の部屋のフィギアみんな可愛いな〜。」

「そう?ありがとう。」


オタクの事でキモがられないってなんかこう体がムズムズするっていうか変な感じがする。まあ、嬉しいんだけどさ。でも恥ずかしいし今度から隠すか。


「今度からは厳重に隠しとくか。」

「そんな事しなくていいのにー。」

「そうだよ。隠さなくていいんだよ!」

「他の人のこと気にしてたら楽しいものも楽しくなくなっちゃうよ。」

「うん。そうか。そこまで言うならいっか。」

「うんうん!それでいい!でもさ、斎藤くんはオタクな自分が嫌いなの?私は全く思わないけどさ。」

「嫌いっていうか。なんだろ、バカにされたくないかな?」

「そんなバカにする奴いてもそいつがくそなだけだから気にしなくていいんだよ。って言ってもすぐにそう考えるのは難しいか。」

「まあそうだね。」

「だからまあ、バカにする奴なんて気にするな!って覚えときな!!」

「分かった。ありがとう。」

浜辺さんはいつでも俺の心配をしてくれる。そういう人がいるだけで全然ちがうな。


「とはいえ漁るのは良くないよね?」

そう、俺のことを心配してくれるのはいいけど漁るのはよくない。


「「「はい。それはごめんなさい。」」」

まあみんな謝ってくれたしいいか。


「よし、じゃあお菓子食おう。」

「かっぱえびせんだ〜。最近食べなてなかったな〜。」

「うまい棒もある!!懐かしい〜」



そんな会話をしながらお菓子を食ったり勉強をしていたら時計の針は19時を指していた。


「結構勉強したんじゃない?」

「もう疲れたーー」

「勉強疲れた〜」

「うーー。」

みんなお疲れの様子だ。俺も教えるだけで体力使ったしお腹も空いてきたな。


「じゃあ夜ご飯作ってくるから30分ぐらい待ってて。みんな苦手な物とかある?」


「私は無いかな。」

浜辺さん好き嫌いないんだ。すごい。

「私はんー。苦い物苦手なんだけど、斎藤くんが作ったら食べれそうだしなんでもいいよ。」

苦味減らしたりすればいいか。

「俺も知ってると思うけど無いぞー。」


「了解。じゃあなんかで時間潰してて。」


そうして夜ご飯を作り始めた拓人であった。


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勉強会は2話で終わらせようと思ってたんですけど、書きたいことを書いてたら終わらなくなっちゃいました。多分次には終わると思いますので(本当に終わるのか?)よろしくお願いします。(後書きです。)

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