9.クラスメイトとカラオケ

今日の授業は土曜日で午前だけなのでいつもより早く終わった。


「やっぱ土曜っていいね。4時間授業なだけで気が楽ーー」

「マジそれなー」

「6時間とかあったら死んじゃう……」

「今日お昼どこ行くー?」

「親方ラーメン行っちゃう?」

「いいねえ!!」


みんなも土曜日は楽だと思ってるんだな。俺も6時間あったら死んじゃうかもな。


「よし!私たちも行こうか!!」

そう背中をパシパシ叩きながら言ってきたのは浜辺さんではなく柏木さんだった。

こういうのでも意識しちゃうんだよな。心に悪い。


「お、おお。」


「今日は一つ隣の駅のカラオケ丸に行くことにしたから、みんな私に付いて来てねー」

今日の浜辺さんはリーダーっぽいなあ。みんなの前だといつもはこうなのかな?


「今日はカラオケ丸かー。何歌おっかな〜ふっふっふん〜」

「北島めっちゃ浮かれてるじゃん。そんなに楽しみなのか。」

「だってもうすぐ試験だしさ、また遊ぶの遠くなっちゃうじゃん。」

「まあなあ。」


そう言って俺たちはカラオケ丸に向かった。



カラオケ丸についたらすぐに浜辺さんが受付をしてくれている。

「お客様は6名様でよろしいですか?」

「はい、そうです!」

「DAMとJOYはどちらにしますか?」

「JOYで。」

なにそれそんなのあるの?なにが違うんだろ。っていうか浜辺さん凄くカラオケ慣れてない?たくさん来てるのかな。

「分かりました。ナンバー13の部屋でお願いします。

ドリンクバーは奥にありますので、3時間お楽しみください。」


「じゃあ13の部屋に行こーー」

そう言って着いてすぐに部屋まで入れた。



「よし!最初は私が歌うーー!」

そう言ったのは新井さんだ。

「何にしようかな〜、これにしよーっと。」


流れてきたのは少し前によく流れてたCMの曲だった。

「みんなーーーー!!!元気かーーい!!行くぞーーーー」


「「おおーーーー!!」」

これ俺も言ったほうがよかったな。


そう言って新井さんはリズムに乗って少し体を揺らしながら歌い始めた。

「空のー声がー聞きーたくてー」

「いいねいいね!!」

「りのちゃんかわいいーー」


あの曲男の人が歌ってるやつなのにすごい!

なんか声質が合ってるっていうか上手い。


「僕の声えーーをのせーてゆけー」


「「いぇえいーー!」」

「はじめて聞いたけど上手いなあ新井さん。」

思わず言ってしまった。

「ありがと、斎藤くん。はい、これマイク!」

え?次俺?どうしよ何歌おっかな。

一応気を付けてはいるけど大丈夫だよね?


そっと横から浜辺さんが耳元で聞いてきた?

「大丈夫?歌える?キツかったら言ってね。」

「大丈夫!今は気にしないで!」


「何歌おっかなー」

「おっと斎藤くん何歌うのかなー?」

「かっこいいやつ行っちゃえ行っちゃえ!!」 

「うーん、じゃあまちがえさがしにしよっかな。」

「おぉセンスいいな!」

「俺もあの曲好きだなー。」

北島くんと加藤くんは二人とも分かってる。この曲いいよねほんと。

そして女子たちはみんななぜかじっと俺のことを見てた。

少し恥ずかしくて、慌てながらマイクを持った。


「あ、はっ、じゃあ行きます。まちがいさがしです。」

「よ!斎藤!行けーー!」



「まちがいさがーしのー間違いーの方にーー」

久しぶりに歌ったなあー。やっぱり歌うのって気持ちいねーー!

っていうかあれ?みんなちょっと前と違って静かじゃない?あれなんで?

まあいいや。


「君の目がー貫いたー僕の胸ーをまっすぐー」


サビのところいい感じに歌えた!よしっ!

こう自分の思った様に歌えると気持ちいし、スッキリするなーー!!


「君じゃーなーきゃいーけーないとーただー思うだけーーー」

歌いきった!あんまり点数見たくないんだよなー。

次の人にマイク渡すか。


「よし。じゃあ次誰が歌いたいひ……」

「ちょっと待てぃぃぃいいいい!

え?何今の!!??うますぎるんですけどーーーー」

「ほんとそれ!!え?そんなに上手いのに隠してたの??」

「もう普通にコンテスト優勝出来そうなレベルなんだけど!やば!」


「いやいや、そんなじゃないよ。」

「そんなだよそんな!!次俺がいい感じに歌おうと思ったのにこれじゃ凄すぎて霞んじゃうわ」

「北島どんまい。そういう時もあるよ。」

「そうだな。どんまいどんまい。」

「加藤ーーー!お前はこっちに付いてくれると思ってたのにーーーー」

「「ふっ」」

「みんな笑うなーーー!!」


こんなことを言いながら歌ってたら3時間はすぐ経っていた。



「なんか早かったね〜」

「だねーー」

「っていうか、もう斎藤くんのうまさにびっくりしちゃった。」

「だねーー!!一回聞いちゃうとまた聞きたくなっちゃう。」

「もう今日は聞けないもんねー。

あ、また一緒に遊べば聴けるんだもんね!よし、次も一緒に行こうな斎藤!」

「お、おう、考えてとく。」

「ショボーン。めいーーー。斎藤に断られた〜〜」

「急に言われても斎藤くんだって困るでしょ。そんぐらい考えてね!」

「はーい。。」


「はい!じゃあ解散しよっか!ばいばいー!」 

「「バイバーい!!」」


そうして俺も帰ろうとしていたら柏木さんに呼ばれた。


「斎藤くんってさ、どこ住んでるのー?」


「八王子駅だよ。」


「私もそっち方面だ!一緒に帰らない?」

そう言われたら嫌だなんて言えないな。

「いいよ。」


「やったあ!!」

やばい。2人っきりで帰るのってすごく緊張する……


そうして柏木さんと2人で帰ることになった拓人であった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一瞬だけ注目ってところに載っててびっくりしました。

こういうのに載るとPVとかって増えるんですかね。

(後書きです。)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る