8.朝の休み時間
「おはよ!」
そう言ってきたのは浜辺さんだった。
学校だと朝でも元気なんだなー。
「おはよう。」
「放課後カラオケだからよろしくねー」
「そうだな、頑張る。少し緊張してるけど。」
「もうしかしたら今日だけで治っちゃうかもよ!?」
「それだったらいいな。」
そう言って浜辺さんはスーっと柏木さんの方に行ってしまったので席に座ることにする。
あー朝からいっぱい話すと疲れるなー。
って思ってたら背中を叩かれた。
こんなことする奴は一人しかいない。
「蒼太か、おはよう。」
「おう、おはよ!じゃないよ!!なんで急に浜辺といい感じの雰囲気になってるんですか!?」
「あーえーっと、見てた?」
「見てたも何もみんな見てたよ。」
「え。マジ。」
「多分みんな俺と同じこと思ってるよ。」
まじすか。それはまずい。俺が急に浜辺さんと仲良くしているように見られるなんて…ストーカーみたいじゃないか。
弁解しなければ。
「ちょっと場所変えていい?」
そう言ってトイレまで行った。
「それで何があったの?」
「それがさ、告白されたんだよ昨日浜辺さんに。本当にビビった。」
「えーーまじか!!?それで返事は?」
「もちろん無理だよ。俺まだ精神状態こんなだし。」
「まあそうだよな。」
「それで俺のことを浜辺さんに話したら治すのに協力したいって言い出してそれでさっきはその作戦のこと言われてた。ただそれだけなんだよ。」
「やっとそう言ってくれる奴が来るのをまってたんだよー。俺は嬉しいよ。」
「待ってたの?」
「うん。待ってた。拓人は自分からそのことは言わないし、他の人はまず知れないじゃん。でも俺そういうの苦手だからさ、手伝いたくてもできないっていうかさ。だからそう言ってくれる人が現れて嬉しい。」
「そんなこと考えてくれてたんだ。」
蒼太がそんなことを考えてくれてるなんて知らなかった。蒼太にはなんでも感謝しなきゃ。
「まあ大事な人のことだしな。」
「ありがとう。」
「それで浜辺はどんな作戦をしようとしてるの?」
「それがさ、急に今日カラオケ行くことになっちゃったんだよ。」
「……拓人。カラオケってやばいじゃん。前、自分では下手とかいってたけどめっちゃ上手いから、関心を引いちゃうよ?大丈夫?」
「俺まずそんなにうまくないんだけど。」
「いやいや、もう。まあだからさ、ちょっとぐらい手抜いたほうがいいと思うぞ。」
「はいはい。できたらそうするよ。」
「じゃあ頑張れよー応援してるぜ!」
蒼太が他の人のところに行った。
ふう。やっと一人になれた。
話すのは楽しいんだけどつかれちゃうんだよね。そんなに話すことって無かったから。まあこれでやっと休憩でき。
「よ!斎藤、」
そう言ってきたのはサッカー部の加藤くんだった。
やっと休憩できると思ったんだけどなーー。
「お、おはよう。」
「浜辺から聞いたぞ、今日カラオケ来るんだってな!まあそんな緊張しないでてきとうにしてくれればいいからな。じゃあまた放課後!」
そう言って行ってしまった。
加藤くんとは話したことがなかったけどいい奴そうだった。
俺でも仲良くなれるのかな。
それにしても今日は朝たくさん話しかけられるな。
こう言う日もいいのかもな。
そう思いながら朝のホームルームが始まった。
「ーーー。それで、来週から試験3週間前だ。今回は試験科目も多いから準備は早めからやったほうがいいぞ。ほんとにみんなのことを赤点にはしたくないから頑張れよ。じゃあ今日のホームルームは終わり。はい、号令。」
「気をつけ、礼!」
もう試験かー時期か。俺はそこまで悪い方じゃないんだけど蒼太がなー。いつも教えてーってくるし本当に大丈夫なのか?
そういえば浜辺さんってどのぐらいなんだろう。頭良かったらいつか教えてもらおうかな。
そう思ってると浜辺さんたちの話が聞こえてきた。
「もうテストなんだね。」
「めいーー、助けてよ〜〜」
「もも。今回ぐらい自力で頑張ってみれば?」
「ほら莉乃もなんか言ってよ!」
「いや芽衣の教え方めっちゃうまいしもう離れられないよ?」
「莉乃もなのーーー!?!?」
「「今回もよろしくお願いします!」」
浜辺さんってイメージと違って頭いいのかな。
あんなに言われてたらますます教えて貰いたいなー。
そんなことを考えながら授業を受ける拓人であった。
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サブタイトルちゃんと書いたほうがいいよと言われたので時間が空いたら考えてみようと思います。(後書きです。)
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