4.渡された手紙
俺は非常に困っている。
そう、女子に囲まれているのだ。どうしよう。何を聞かれるんだろうか。
なにかやばいことでも聞かれるんじゃないのか。
どうしよ。なんて答えればいいかわかんない。
浜辺さんたちが俺のことをはなしてる。なんか怖い。
「斉藤君ってさなんかいつも少し怖くて話ずらかったじゃん!
いつも勉強してるしガリ勉くんなのかなーって思ってたのよ。」
「そしたらさ、昨日の帰りに知っちゃったのよ!!
魔法少女アリスのフィギア持ってたの!意外だったっていうかなんていうか。
って斎藤くん?さーいーとーうーくん!!聞いてる?」
「あ、はいぃ!!」
考え事をしてたら周りの声が聞こえてなかった。
浜辺さんは口もとに手を当てて笑いながら言った。
「何今の!?変な返事~」
「あ、ごめん。」
俺流れが早いっていうかこういう会話苦手なんだよね。
置いてきぼりにされちゃう。
「それでさ、斎藤くんって魔法少女の中で一番好きなのってやっぱアリスちゃん?」
そう聞いてきたのはいつも浜辺さんと一緒にいる柏田さんだ。
背中まで伸びるきれいな黒髪ストレートで、肌は雪のように白くとてもきれい。
浜辺さんとは見た目が全然違うがとても仲がいいように見える。
俺は初めて話しかけられて戸惑いながらも返事をした。
「やっぱりアリスちゃんかな。メリアちゃんも可愛いとは思うけどアリスちゃんのあの瞳。水色のきれいで鮮やかな色が好きなんだよね。」
柏田さんも魔法少女好きなのかな?
「やっぱそうだよねーー!!アリスちゃん好き周りにあんまりいなくてさ、ずっと寂しかったんだよね。」
「まあメインキャラというかメリアちゃんが一番ヒロインって感じだし人気が出ちゃうのはわかるけどね。」
「それはそんなんだけどさー、なんか悲しいじゃん!!私の推しと他の人のオシが違っちゃうじゃん!」
「アニメなんてそんなものだよ。自分の中で推しが最高だったらそれでいいんだよ。」
「斎藤くん、いい事言うね~」
そう言いながら背中を叩いてきた。
なんか柏田さんと話しててもあんまり緊張しないなーって思ってたら、
急にボディータッチをされた。彼女にとってはいつものことなんだろうけど俺はこんなことにも意識してしまう。
うんうん。心臓に悪い悪い。
「まあ、やっぱり意外だったね~。斎藤くんの印象めっちゃ変わっちゃったよー」
そう柏田さんと話してたら、横から少し頬を膨らました浜辺さんが見えた。
ん?俺なんか怒らせることしたっけ?
「斎藤くんごめんね~。急に呼んじゃって、もういいよー!ありがとー」
急に浜辺さんに言われてこの会話は終了した。
浜辺さんは俺が話しにくいって思って気を使ってくれたのかな?
今回はあんまりきつくはなかったけどまあいっか。
そう思って自分の席に戻ろうとしたら浜辺さんが俺のズボンの中に小さな紙切れを入れた。
そして彼女は
「見てね~~」
と小声で俺に対して言ってきた。
なんだろと思った俺は席にもどって見てみるとこんなことが書いてあった。
『今日の放課後、授業終わったら2号館の屋上に来てほしいです。
来れなかったら無視してもらって構いません。よろしくおねがいします。
浜辺 』
なにこれ?まずなんで敬語なの?浜辺さんってこんな感じだったっけ。
というか用事ってなんだろう。またなんか落としちゃったのかな。
それだったらまた謝らなきゃ。
そんなことを考えながら一人でお昼を食う拓人だった。
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