一作目:口下手伯爵は侍女と喋りたい
人生を変えた(かもしれない)初投稿作
今回からは作品ごとの備忘録となります。
第一回目は初投稿作品となった『口下手伯爵は侍女と喋りたい』についてです。
初めての小説執筆ということで、あまり長くても最後まで書き切れないだろうし、内容も取っ散らかってしまうと思ったので、最初から短編として構想していました。
個人的に好みな世界観の国で、これまた大好物の不器用な伯爵と完璧侍女の組み合わせは書いていてとても楽しく、途中で手が止まることもなくスラスラと書き上げることができて、自分でも驚いたくらいです。
たった一作の短編を書き上げただけで才能があるなんて自惚れはしませんが、これまで読み専を満喫していた自分が、「小説を書くこと」も楽しめるというのは、私にとっては新鮮な気付きであり驚きでした。
書き始める前に想像したよりもあっさりと最後まで書けたので、少し話を伸ばしたりエピソードを追加したりしても良いかなとは思ったのですが、やはりまとまらないことが怖かったので、当初の予定から変えずに、五話までの内容で一旦完結としてから、後で番外編で補完するような形にしました。
数か月ですが時間が経った今読み返したら、きっと書き直したり修正したりしたくなるだろうなと思うので、中身はあまり読み返さないようにしています。設定が本当に自分好みなので、いつか文章力に自信が持てるようになったらリメイクしたいなという気持ちはちょっとだけあります。
最初に投稿したのは『小説家になろう』でしたが、幸運なことに自分が思った以上に好評をいただくことができました。
完結ブーストもあり、日間異世界恋愛ランキングで81位に入り、最高で58位という順位をいただくこともできました。その後ありがたいことに週間ランキングにしばらく載っていたこともあり、思いの外たくさんの方に読んでいただくことができたようです。(この時点で細かなデータを記録しておらず、ちょっと後悔)
初めての投稿作で、初めてのランキング掲載。これまで自分が大好きで読んでいた作家さんの一つ下に自分の作品が並んだこともあり、嬉しくて小躍りするとはこういう状況なのかと納得するほどに浮かれてしまいました。
また、有難いことに温かい感想もいただくことができ、その中でご意見をいただけたことも嬉しくて、その勢いで番外編四話も執筆してしまいました。この番外編投稿が完結ブースト発生中の追加投稿となったことも結果的には良かったのかもしれません。
たったひとりでも、自分の書いたものをもっと読みたいと言ってくださる読者の方がいることが、これほどまでに嬉しいということを知りました。また、読者の方のリクエスト=お題にある程度沿って新たな物語を作れることにも面白さを感じました。
番外編を書きながら、時系列を整理して全九話のストーリーに再編しようかなとも思いましたが、やはり若葉マークの私の力で書けたのは本編五話のみだけで、その後の番外編は読者の方の力を借りて書けたという感覚だったので、あくまでもオマケという扱いで良いのかなと考え、今もそのままの形で残しております。
この作品は日間ランキングや週間ランキングから消えた後もじわじわとポイントが伸びていて不思議に思っていたのですが、どうやら月間ランキングの下位の方にも載っていたようです。
自分自身が常に日間・週間ランキングから面白い作品を探すタイプなので、月間の方は見るまでもなく気になる作品はすでにブクマ済みになっているため、普段あまり開いたことのないランキングでした。月間ランキングの存在は完全に盲点だったので、最高順位等が確認できなくて失敗したなと思っております。
そんなこんなで、この作品は初投稿作でありながら、有難いことにブクマは200件を超え、ブースト時で一日あたり5,000PVという予想以上の反響をいただけた幸運な作品となりました。
それだけ『小説家になろう』の『異世界恋愛』というジャンルに読者が多いということでもあると思いますが、もしもこの作品が誰からも読まれずひっそりと埋もれていったなら、「やはり読み専に戻ろう…」と思った可能性が高いと思います。
自分の創作したものを読んでいただけるという嬉しさと、自分の趣味全開で書いた作品の世界観を好んでくださる同好の士が存在するという事実に後押しされ、その後も執筆を続けている状況です。
ついでに言うと、その後に書いた軽めの短編はやはりこれほどの反響はなかったので、なんとなく私には『異世界恋愛』をテーマにして、あまり奇をてらいすぎずに王道のストーリーに徹することが合っているのかなと感じるきっかけにもなりました。
所謂ざまあやもっとコメディー色の強い作品も読み専としては好きだったのですが、そのあたりは私にとって書くのは難しいです。素直にハッピーエンドのラブストーリーを目指した方が書きやすいし、読者の方に喜んでいただけるのではないかなと思っています。
とは言っても、まだまだ新人の投稿者。今後他のジャンルにも挑戦したい気持ちはあり、構想中のものもいくつかあります。
これからも失敗しながらいろいろ試していけば良いと考えていますが、書き続ける原動力をくれたこの初投稿作には、やはり思い入れがあります。
余談ですが、この作品を書いていたときにはまだ物語の舞台となる国名が決まっていなかったのと、面倒になりそうなので可能な限り固有名詞を出すまいと決めて書き始めたこともあり、実はヒーローである伯爵の家名すら出ていません。(というか考えてすらいません)
ヒロインのシルヴィー以外は「伯爵」「執事」といった「役柄」だけあれば十分だと思ったからです。
それでも、実力主義で権力による横暴や政治の腐敗がない平和な世界という設定は私のファンタジー世界の理想であり、今後似たような世界を量産するくらいならいっそ統一してしまおうとは早い段階から考えていました。
そのため、実は三作目に書いた『転生侍女は完全無欠のばあやを目指す』の舞台となったリリーヴァレー王国と、初投稿作『口下手伯爵は侍女と喋りたい』の舞台は同じ国です。
初投稿作の十年後をイメージして書いたのが三作目で、実際に三作目の第七話で主人公ターニャがハーブティーのブレンドを極めるために第四伯爵家の領都のカフェに修行に行っていたという設定も出しており、こちらの第四伯爵=初投稿作のヒーローとなっております。
他にも三作目では文字数が伸びすぎて削った関連エピソードがいくつかあるので、そのあたりはいつかどこかで書けたら良いなと思っていますし、リリーヴァレー王国を舞台にした物語は今後も書く予定でいます。
作品が増えたら一まとめのシリーズものにした方が良いのかなとは思っていますが、今のところは作品ごとに独立しているけれど、舞台だけが同じという気持ちで書いています。
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