イレギュラーメイド

第5話 早朝

 早朝、カーテンからの日差しで目を覚ますと、寝床についてたメイドの生足がこちらに覗かせる。


「朝っぱらからこんなことって」


 状況がやっと飲み込めた矢先。僕の鼻先はもうが今にも触れそうなのだが、笠田が寝そべる僕の腕を一向に離さそうとしない。


「(あれ、まさか…バレた? )」


 僕は恐る恐る背後を振り返ると吐息混じる笠田の声


「うぅん、もう一生離さない」


「いやー、それは親友としてでも困るなぁ」


 身動きがとれず、目の前に広がるひかがみが、ただ眺めるだけ。時間は過ぎていく......

 息づかいも寝相の悪いメイドを起こさないようにと加減していた。

 思いがけない状況に、さらに事態が悪化する。笠田が足を引っ掛け、僕にまとわりついてきた。ただただ暑苦しく、逃げ場がない。林間学校で味わうあの頃を思い出した。


「た、助けてくれ、」


 転落からわずか1日足らず、僕は救助要請を発動させた。

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