第4話 電話

 辺りはすっかり日が沈み、小雨堂さんとコンタクトをとり、手続きを済ませ、今晩は泊めてもらうことにした。夜も遅く、心配しているであろう笠田光彦の父、潤と電話した。


プルプルプル...プルプルプル...


「お父さん、勝手に音変えんとって」


「バレた、悪いな。で、どないしたん」


「今日な、登山中に崖から転落した」


「えっ、ホンマか? なんで生きとん」


「いやいや、これがまたな、奇跡的にでっかいプリンのようなやつに救われてん」


「なんや? 綺麗なねぇちゃんにでももてあそばれたんか」


「ちゃうわ、もうええわ。今日家帰らへん」


光彦はそう言いつつ、父との電話を切った。

 同じくして登山に誘った重松もベッドから起き上がり、近松が事情を説明しているところだ。

 

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