第5話 鍵

『ぐわぁぁぁぁ!!』

「きゃあぁぁ!!」


 友達に薦められたホラー映画。

 私はそういうのは見ないけど、話を合わせるために借りてきた。

 ゾンビが大量に出てくる町で、登場人物達が次々と凄惨な方法で殺害されていくという内容だ。

 真っ暗な画面を流れるエンドロールに、私は安堵する。


「はぁ、ゾンビがリアルすぎるよぉ。もう今晩はトイレ行けないな」


 こうなるとすべてが怖くて仕方ない。

 壁の染みも怖いし、タンスの上に置いてあるペンギンのぬいぐるみも怖い。

 いつもは閉めないの部屋の鍵を掛けた。


「これ以上起きてても仕方ないよね、お休みなさい」

 と、私は日課の、ペンギンのぬいぐるみに挨拶をした。




 その夜、ドアノブをガチャガチャと開こうとする音で目が覚めた。

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