第13話 神妖

 進化を終えた体は宙に浮き、開いた眼に映る世界は今までと少し変わって見える。力の流れが見え、命の鼓動を強く感じるのだ。


 そして、頭の中に自身の情報が浮かび上がる。もうスマフォの機能を使う必要もない。


名前  :藤堂 忍


種族  :星と呪血の真祖


種族特性:邪気支配・日光耐性・夜目・吸血・動物支配(蝙蝠と鼠と虫限定)

     変異誘発・死霊支配・眷属支配・吸性・吸命・吸力・吸威・吸邪

     吸血鬼化の血・解析・同族強化・ 死霊強化・鬼族強化・超速再生

     重力支配・生物操作・生命力操作・念動・催眠・催淫・言霊・星力吸収

     星の魔眼・多重思考・高速演算・解毒・解呪・星のベール・完全記憶

     霊体化・亜空間生成


固有特性:反神威体質 流水耐性 完全竜化(星竜) 部分竜化 温度変化耐性

     電磁耐性 死者の眼(導きの瞳・破壊の魔眼) 天眼 反神威領域 

     吸性領域 吸命領域 吸威領域 吸力領域 吸邪領域 対神威領界 

     非同族弱体領界 吸血領界 神聖耐性 幽体離脱


呪血  :呪炎の血


状態  :正常 

     死者の眼【導きの瞳(開眼中)・破壊の魔眼(閉眼中)】

     星の魔眼(開眼中)

     天眼(閉眼中)

     星のベール×2


能力  :電磁支配

     三力支配(引力・斥力・重力の支配)

     超回復付与

     影支配

     極大影空間

     分裂変化(蝙蝠・鼠・虫・グール限定)

     変化

     血液支配

     雷雲支配

     妖毒生成

     多重分身

     強化分身

     再生付与

     解毒付与

     解呪付与

     封印

     特性付与結界

     特性付与

     天候支配

     大気支配

     雷雲生成

     温度支配

     ベクトル支配

     植物支配

     精神支配

     夢幻支配

     回復阻害

     再生阻害

     治癒阻害

     肉体生成

     生体生成

     消滅波

     亜空間移動

         

備考  :真祖の弱点【日光(耐性あり)・銀(耐性あり)・流水(耐性あり)

     ニンニク(耐性あり)】 瘴気闘法習得 

     星の魔眼(力の流れが見える・数日先までの未来が見える

          開眼中は星のベールを纏う)

     星のベール(一定以下の物理エネルギー・異能・呪い

           精神攻撃等を無効化する。一定以上の威力の場合も、

           一定量減殺する)

     呪血(血に宿る異能。一定量の血を消費して発動する)

     呪炎(呪いを付与できる炎。温度は使用者の強さと練度に影響)

     完全竜化(体力の消費無しで竜化出来る。

          永遠に竜のままで居ることも可能)


 うん。一言言おう!ヤバイ!!


 え!?なにこれ?無敵臭いんですけど!!でももしかして大妖怪って全部こんなレベルで強いの?やばくない?よく人間滅ぼされてないな。


 因みにこれは真祖の時のステータス。竜の時はこれだ。


名前  :藤堂 忍


種族  :星竜


種族特性:清流化・ 完全呼吸・高速遊泳・高速飛行・光速移動・星間遊泳

     動物支配(霊長類と妖魔以外。蛇は妖魔でも可)

     同族強化・ 超速再生・重力支配・生物操作・生命力操作・念動

     言霊・星力吸収・星の魔眼・多重思考・高速演算・解毒・解呪・光支配

     星のベール・完全記憶・霊体化・水態支配・大気支配・天候支配

     温度支配・溶岩支配・植物支配・竜の咆哮・竜眼・吸熱・光吸収 

     神聖制御・聖銀生成・大地支配・金属支配・聖なる衣・亜空間生成

     聖なる波動・星の叡智

     

固有特性:反神威体質 流水耐性 完全竜化(星竜) 部分竜化 温度変化耐性 

     電磁耐性 死者の眼(導きの瞳・破壊の魔眼) 天眼 反神威領域 

     吸性領域 吸命領域 吸威領域 吸力領域 吸邪領域 対神威領界 

     非同族弱体領界 吸血領界 神聖耐性 幽体離脱 邪気生成 邪気支配 


竜の息吹:火炎・氷結・消滅


  竜燐:聖銀の鱗・星の鱗


状態  :竜化

     死者の眼【導きの瞳(開眼中)・破壊の魔眼(閉眼中)】

     星の魔眼(開眼中)

     天眼(閉眼中)

     竜眼(開眼中)

     星のベール×2

     聖なる衣


能力  :電磁支配

     三力支配(引力・斥力・重力の支配)

     超回復付与

     影支配

     極大影空間

     変化

     血液支配

     妖毒生成

     多重分身

     強化分身

     再生付与

     解毒付与

     解呪付与

     封印

     特性付与結界

     特性付与

     雷雲生成

     ベクトル支配

     精神支配

     夢幻支配

     回復阻害

     再生阻害

     治癒阻害

     肉体生成

     生体生成

     虚無空間生成

     半物質生成

     亜空間移動

     振動支配

     大海支配

     空間転移

     空間転送

     

備考  :星の燐 (外部からの物理・神威・異能・呪い・異常を一定量吸収して

          妖気に変換する)

     聖銀の鱗(外部からの物理・神威・異能・呪い・異常を一定量跳ね返す。

          跳ね返す時に聖なるオーラを付与する)

     

     星の魔眼(力の流れが見える・数日先までの未来が見える

          開眼中は星のベールを纏う)

     星のベール(一定以下の物理エネルギー・異能・呪い

           精神攻撃等を無効化する。一定以上の威力の場合も、

           一定量減殺する)


     竜眼(光源などが無くとも物が見える。見た万物の情報を読み取る)


 分裂変化等、出来なくなる事も有るが、それでも強化量がエグい。後、特性や異能だけ見てると解らないが、星竜の時の身体能力は真祖の時よりずっと高い。膂力、強度、耐久力、速度、妖気の全てが高い。一方で固有特性に邪気生成や邪気支配が加わって種族特性での邪気支配が消えた。

 おそらく元が真祖だから邪気が使えるが、本来の星竜は邪悪ではなく、聖獣とか神獣とかの側の存在なのだろう。能力のラインナップを見るとどうもそっち系だ。

 と言うかヤバイなこれ!裏ボス級である。しかも無駄に2形態有るし、第1形態と第2形態で属性正反対である。


「凄いな」


 姿も確認したいのでスマフォで自撮りする。


「おお!!」


 オーロラの様な物を周囲に纏っており、ありえないほど美形だ。中性的な要素が強く美男子にも美女にも見えるが、言えることはどちらだとしてもまさに人外の美しさである。

 ナルシストっぽく聞こえるが本当にそんな容姿に成っている。


「よっと!」


 意識して地面に降りる。重力もある程度無効化させてしまうので、意識しないと空中にプカプカ浮くのだ。


「凄いね。藤堂くん」


 四天鬼の皆が周囲に寄ってくる。


「うん。なんかやばくなった」


 とりあえず一旦自分の領域に帰るかな?『人身御供の呪い』対策も進めないといけないし。


 俺達はとりあえずその場を後にした。


ー○●○ー


「懐かしい気配。新たな大妖怪の誕生」


 美女は艶かしく微笑み、口元を扇子で隠す。


「如何いたしますか?この京都まで妖気が伝わるなど並の者ではありませぬ」


「ふふふ。東北の雷獣。東国のぬらりひょん。北陸の雪女将。東海の海竜。山陰の化狗。山陽・瀬戸内の大天狗。四国の隠神刑部狸。北部九州の仙狸。南部九州の土蜘蛛。そして西国の妾。

 ヤマタノオロチや八咫烏の様な神妖を除けば、未封印の者は10体しか居らぬ大妖怪。11体目が現れたとなれば覇権争いは避けられぬ」


「しかしこの力。下手をすれば神妖級でございましょう。土地神や神の遣いとして祀られ、表に出てこない神妖達がどう動くかも気に掛かりまする」


「奴らは動かぬさ。もう俗世に興味など無かろう。だからこそ、もし障害となるなら妾達で叩き潰すしかなかろうて」


「くれぐれをお気をつけください」


「なんじゃ?玉藻の前の後継である白面金毛九尾の狐であるこの妾が負けるとでも?」


「そうは申しませんが一筋縄ではいかぬかと」


 部下の言葉に美女は笑みを深める。


「そうよの。であれば気狐達を密偵に送れ。新たな大妖怪の情報集めてまいれ」


「はっ!!」


 部下が退出し、室内には美女1人となる。


「均衡が崩れては拙い」


 美女はボソリと呟いた。


ー○●○ー


「まさか大妖怪。それも神妖となるとはな。流石の妾でも驚いたわ」


 鏡に映る水母があんぐりと口を開ける。


「神妖?唯の大妖怪とは何か違うの?」


「下級怪、中級怪、上級怪、大妖怪と言うのは大雑把に区切った場合の格付けじゃ。細かく分けるなら陰陽師達は、妾達妖魔を30階級に区切っておる」


「そうなの?」


「うむ」


 水母が教えてくれた妖魔の階級はこうだ。


 正一位

 従一位

 正二位

 従二位

 正三位

 従三位

ー大妖怪と上級怪の境目ー

 正四位の上

 正四位の下

 従四位の上

 従四位の下

 正五位の上

 正五位の下

 従五位の上

 従五位の下

ー上級怪と中級怪の境目ー

 正六位の上

 正六位の下

 従六位の上

 従六位の下

 正七位の上

 正七位の下

 従七位の上

 従七位の下

 正八位の上

 正八位の下

 従八位の上

 従八位の下

ー中級怪と下級怪や小妖怪の境目ー

 大初位の上

 大初位の下

 小初位の上

 小初位の下


 こう見ると同じ大妖怪でも格が有ることが解かる。と言うか中級怪の幅が広すぎる。因みにウチの四天鬼は現状亜夢ちゃんが正六位の下で他3鬼が従六位の上らしい。水母で従七位の上。一般的なダンピュールは正八位の下から従七位の上の間には入るらしい。因みにこれはあくまで妖気の量で見た格付けで、良い特性や強い能力を持っているか、そしてそれらを使いこなせるかに依って強さは変わってくるらしい。


「で、神妖って言うのは?」


「うむ。この格付けで言うところの正一位。場合に依っては従一位もそうじゃが、それらは神妖と呼ばれ土地神や土着神、神の遣いとして信仰の対象になる場合も多い」


「俺もそれって事?」


「妖気で言えばお主は正一位じゃ。派手に暴れれば荒ぶる鬼神としてこの先千年語り継がれるかもしれんぞ」


「嫌だよ!!なにそれ!?全然嬉しくないし!!」


 何?荒ぶる鬼神って!!そんな物に成りたくないよ!!


「因みに現在日本に居る大妖怪は10体じゃ」


「え!?少なくない?そんなモノなの?」


「封印されとったり、神妖として祀られ俗世に出てこん連中は除いてじゃからの。10体それぞれが各地方で巨大な勢力を誇り、妖の元締めと成っておる。

 しかし、そんな各地方の長たる大妖怪達でも東国と西国の長が従二位。残りは正三位3体と従三位が5体のはずじゃ。現状俗世に出てきておる大妖怪の中でお主と同格の妖力を持つ者は居らん」


 う〜ん。強いのは良いけどあんまり嬉しくないよね。まあ、呪怨会との戦いが続く間は嬉しいか。


「まあ、大体解った。ありがとう水母」


「うむ。ああ!後、自身の領域を確認しておけよ。お主の進化に合わせて色々変わっておるやもしれんぞ」


「了解!」


 領域の中を式神で探ると確かに大分変化していた。


 先ず地面。赤っぽい土の大地に色とりどりの薔薇が咲いている。それは綺麗で良いのだが、その薔薇から出た茨が地面を覆い尽くしている。これ絶対痛いよ!


 一応俺が居る城の周囲が最も薔薇と茨が多く、離れるほど少なくなっているが、それでも多い。


 因みにこの時城から離れさせて解ったが、領域自体が大分広がってる。


 次に禁断の魔樹だが、かなり巨大に成っているし、近くに 万果の宝樹が10本生えていた。


 領域主の宝物こんなに簡単に増えるの?と思ったが、どうやら11本セットで1つの宝物扱いに成っているらしい。


 因みに領域主の宝物も2個増えた。これである。


呼称  :星の大山


種類  :星の大山


特性  :植物産出・鉱物産出


状態  :領域主の宝物

     

備考  :地面から生えるありとあらゆる植物が収穫する側から次々に生える。

     掘れば鉱物が取れる。(鉱物の種類は領域主の性質と強さに依存)


 コレが3つ目である。そして4つ目がこれだ。


呼称  :鳥卵の幻木


種類  :鳥卵の幻木


特性  :鳥卵産出


状態  :領域主の宝物

     

備考  :木に鳥の卵が実る。(領域主が望む種類の鳥の卵が実る。何種類実るかと実る量は

               領域主の格に影響。実る卵の内1〜3割は有精卵で、放っておけば

               雛が孵る)


 なんか命を冒涜するような宝物が出来てる。流石ヴァンパイアの頂点たる真祖の宝物である。


 さて、で、宝物はこの通りなのだが、他にも色々毒々しくなった。


 先ず、領域の中には何本も川が流れており、湖なども有るのだが、流れているのが全て水ではなく血である。血の池地獄かよ!!と突っ込みたくなるが、まあ、仲間たちのご飯には良いんだけどさ。


 後、全体的に毒々しい俺の領域だが、一部毛色が違う場所が有る。


 それは宝物の1つである星の大山だ。


 星の大山はすり鉢状にえぐれており、その中は真水の川や湖が有る。ありとあらゆる植物が生えると言うだけあって緑豊かな場所で、切り立った岩壁の側面に群生する発光性の苔のおかげで昼間のように明るい。


 あの場所が唯一星竜の性質を表した場所の様だ。


 後は駄目だ。基本的にヴァンパイア側の領域だ。ヤバイ。


 そんな感じで一通り領域の把握が終わった頃、城に四天鬼が顔を出す。


「藤堂君!何この城!?物凄く出仕しづらいんだけど?」


「何を言いますか透子ちゃん!これぞまさにヴァンパイアの王たる主にふさわしい城じゃありませんか!!」


 女子二人は姦しいな。逆に男性陣は静かだ。特に啓生さんは何やら思いつめた顔をしている。


 まあ、大体理由は予想が付くけどね。


「とりあえず椅子に座ってよ。今後の対策について考えよう」


 さて、色々話すことが有る。


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