転生の行き先

 ねぇねぇ。

 しってる?

 この世界には階級制度があるの。絶対上の人には逆らえない。一番下は奴隷。その人達は名前がないのよ。もしも、逆らったら・・・。ふふっ。どうなるのかしらね?お・た・の・し・み。





 あの神様に異世界にとばされてわたしははじめて意識を取り戻した。後ろから何かが追いかけて来ている。女性がわたしの体を抱きしめて逃げている。隣に男性がいる。お母さんと、お父さんかな。なんで逃げてるんかな。

「お母さんなんで逃げてるの?」

「はぁ、ハァ。」

 逃げるのに必死らしい。だからわたしはお母さんの腕の中で暴れた。気づいてほしいから。

 するとお母さんがバランスを崩して転んで、わたしも転がった。立ち上がろうとするも足が動かない。障害か?

 お父さんが代わりにわたしを抱いた。お父さんは体つきが細く感じられた。弱弱しく、必死にわたしを逃がそうとしているが、そのに捕まった。





 そこでわたしの意識は途絶えた。


 そして、目覚めた。


 檻の中。


 薄暗く感じられた。


 人の声がうるさい。


 なんだろう?


「買いますわ!」


 その一言がわたしを変えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る