それぞれの戦場

 ランチはなぜかいつも廊下側中央のさくらの席の周りを占拠して6人で食べていた。


 この日、みんながまず驚いたのは、さくらの弁当が普通のメニューだったことである。


 それもさくらの手作りとのことで、女子2人からは「すごい」との声があがる。

 

 そこからは、土曜日の勉強会の話になった。


 まず、そもそも紗矢の住んでいるタワーマンションの場所が分からないというところから始まった。


 そこは、紗矢がグループLINEに地図を貼ってくれて解決した。

 

 朝10時から夜10時まで12時間やってみたいけど、どう?と聞くと、芽衣は親に聞いてみるとのこと、真人は母親に聞いてみるが多分大丈夫、他の4人は大丈夫となった。


 科目は11科目あるけど、暗記科目は各自やれるだろうから、数学と英語を重点的にやろうという話になった。

 

 勉強会のことで分からないところはまたグループLINEでとのことになったが、最後に礼が気になることを言った。

 

 「虎のお姉さんってきれいだよな」とのこと。

 

 お姉さんいるんだ!芽衣と紗矢は耳がピンとなった。

 さらにそれに対して虎が、「あんなのどこがいいんだよ?俺は妹が欲しかったなー」と何気なく言ったことに対して、これは多分私に有利よね?と紗矢が喜び、私はお姉さんキャラかな、と芽衣がへこんでいた。

 

 そんな中さくらは真人に「私バイトばっかりで全然勉強できていないから教えてね」と目をしっかり見つめてアピールしていた。


 女性に免疫のない真人は「うん、うん」と反射的に答えるしかできなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る