#46 喋るモンスター、再び

《ライトニングバット・モンスタ―》との戦闘前に、

俺達のおもなスキルを紹介しておこう。


ハヤト:レベル34


属性:無


得意武器:剣、銃


【スキル】


《ウェポンイクイップ》

【効果】武器ウィンドウに存在する武器を瞬時に入れ替えることが出来る。


《テレポ―ト》

【効果】スキル発動から七秒後に50m以内の任意の場所に瞬間移動することができる。


《シ―ルド》

【効果】自分の周りの全方位に魔法の盾を作り出し、ダメ―ジを大幅に軽減する。

    ただし、この魔法を発動している間に、

    他の行動を行おうとすると魔法の盾は切れる。


イオ:レベル32


属性:火、氷


得意武器:剣


【スキル】


《クリムゾンソ―ド》

【効果】剣を巨大な炎でまとう。

    30秒間、ダメ―ジ“大”上昇。


《アイスクリスタル》

【効果】敵一体に対し、氷の結晶を三回連続で放つ。 

    ダメ―ジ“中”(結晶一発ごとに、ダメ―ジ“中”効果)


リシテア:レベル30


属性:風


得意武器:槍


【スキル】


《疾風十字槍》

【効果】敵一体に対し、風の力を借りた槍で十字に切り刻む。

    ダメ―ジ“極大”


《ウィンドジャベリン》

【効果】敵一体に対し、風属性が付加された槍を投げつける。

    ダメ―ジ“大〜超大”(槍を投げたときの速度によってダメ―ジ量が変化)


レア:レベル30


属性:雷


得意武器:杖


【スキル】


《サンダ―ブレイク》

【効果】杖から雷の三本柱を出現させ、敵に向かって突き進んでいく。

    ダメ―ジ“極大”


《プラズマシ―ルド》

【効果】3分間、味方全員に“雷属性”攻撃を大幅に軽減。


コ―デリア:レベル30


属性:光


得意武器:杖


【スキル】


《ハイパ―ヒ―ル》

【効果】味方一人のHPを完全に回復させる。

“HP完全回復”効果


《ライトシ―ジュ・アタック》

【効果】無数の小さい光の剣を敵一体の包囲するように発生させ、一気に打ち込む。

    ダメ―ジ“極大”効果。


◇◆◇◆


『キィキィッ!!』


体中に電気を浴びた巨大なコウモリのような胴体部分には、

赤色の球体が光り輝いていた。あれはなんだ?


「みんな、あのコウモリは何をしてくるか分からない。気を付けるんだ」


「「了解!」」


――バチバチッ!


俺達に向けてコウモリから小さな稲妻いなずまが流れるように飛んでくる。


「ぐっ!」


俺は被弾する。


「「きゃあ!」」


俺達は被弾する。そして、次々と飛んでくる稲妻いなずま――。


――バチバチッ!


「何度も食らうかよッ!」


俺は飛んでくる稲妻を左右に避ける。

しかし――避けても避けても小さな稲妻は止まない為、完全には避けきれない。


レ―ルガンで攻撃しようにも、攻撃を避けるので構えることすらままならない。


「ちょ、ちょっと! ずっと稲妻を飛ばしてくるなんて卑怯ですわ!」

「そうよ! こんなの攻撃できないじゃない!」

「そうです! 卑怯ですよ!」


みんなも苦戦しているようだった。

レアは魔法を詠唱している。


「くそっ《シ―ルド》!」


俺は魔法スキルを発動させ、なんとか攻撃をしの

防ぐ度にMPが減っていく。


更に飛んでくる稲妻………。


「ゲ―ムとして破綻はたんしてるだろ!」


そんな事を言っても防ぐだけで俺のMPはどんどん減っていく。


「ああくそっ!」


俺は仕方なく《シ―ルド》を解除するも、コウモリの攻撃は止まない。


――バチバチバチッ!


「みなさん任せてくださいっ。《プラズマシ―ルド》っ!」


途端、俺達の身体の周りに電撃のエフェクトが現れる。

相変わらず稲妻は飛んでくるも、HPは殆ど減らなかった。


「いまですっ! 攻撃のチャンスですっ!」   

「さんきゅ―レア! イオとリシテアは突っ込め!」


俺はレ―ルガンを構える。

イオとリシテアはようやくタ―ゲット目掛けて走り出す。

コ―デリアとレアは魔法を詠唱していた。


近接組ニ人はコウモリの目の前まで近づきスキルを発動させる。


「《クリムゾンソ―ド》! とりゃあああ!」


イオはスキルを発動させ、剣に巨大な炎を纏い攻撃する。


――シュババババ。


「《疾風しっぷう十字槍》!」


リシテアも槍を左から右へ斬った後、上から下に斬り下ろす。


――ザンッザンッ


俺はコウモリをロックオンして、レ―ルガンのトリガ―を引く。

一発目――は外れる、が。


再装填リロード!」


俺は第二発目を発射する――と、今度は命中する!

更に、コ―デリアとレアのスキルが発動する。


「――これでも食らいなさいッ……《ライトシ―ジュ・アタック》!」


コウモリの周囲に現れる無数の光の剣が襲いかかる。


「《サンダ―ブレイク》!」


レアの放った雷魔法は――属性の影響か……あまり効いていないようだ。


『…………!』


俺はコウモリの残りHPを見る。残り一割!いけるぞ!


『ジジ、ジジ、ジ』


喋った!? 

すると、巨大なコウモリは無数の小さなコウモリに分離したかと思うと、すぐに姿を消す。


「……消えた?」


だが――。


「レアちゃん!」


異変に気づいたのはリシテアだった。

そして俺達三人はレアの異変に気づいた。


『ジャマダッ!!』


「ぐっ……うっ……」


レアの真後ろにはさっきの巨大コウモリが居た。

アイツ! 瞬間移動したのか!


《ライトニングバット・モンスタ―》の胴体にある赤い球体の部分から、

赤い光が射出されており、レアは宙に浮いていた。


「うぅ…………!」

「レアッ! 今助けるからな!」

「イオに任せてください!《アイスクリスタル》!」


イオの魔法はコウモリに命中する。


『…………』


そして、コウモリはひらひらと倒れていった。

レアは赤い光から開放され地面に落下する。


「レアッ!」


焦っていたせいで《ファストム―ブ》で接近するのもHPを確認もせずに、

俺は全力でダッシュし、レアの元に急いだ。


以前サイクロプスに殺された時のことがフラッシュバックする。


「頼む! 生きていてくれ!」


俺はレアを拾い、抱きかかえる。


レアは――、


「レア! 大丈夫か?」


「…………」


――彼女は目覚めない。


「レア?」

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