#11 地形消滅

俺達は、ひたすら西へ走り続けるが、

驚くべき光景を目にした。


「なっ!?」


がさっきよりも更に大量に生えていた。

本来この熱いエリアに存在しないはずの樹や動物達。

《カロン》のように樹だらけの世界が広がっていた。

それはまさに――《カロン》と《ヴィ―ナス》の融合であった……。


俺は、メニュ―を開いてログをみる。


     致命的なエラ―。


ニつの矛盾する属性を完全に一つのエリアに融合ゆうごうするようこころみみます。



       修正中......


       修正失敗......

         

       融合不可......


致命的な不具合が発生するエリア《?????》を消去します。

消去プログラムが作動しました。

          

       消去中......

        

       消去まで残り十分......



消去――だって!? あと十分しかないじゃないか!


――ゴゴゴゴゴ!


現在も地面が鳴りひびいている。

今すぐ脱出しなくては――


俺達はマグマと森が混ざったエリア《?????》を西へ進み続ける。

しかし、周りには《ロックマン》と《スパイダ―》が大量にいた。

《スパイダ―》は《ヴィ―ナス》には出現しないはずのモンスタ―だ。

恐らくこれは、2つのエリアが融合しようとした結果、

《ロックマン》と《スパイダ―》まで一つのエリアに出現してしまっているのだろう。


「くそっ」


気がつくとモンスタ―達に囲まれてしまった。

軽く15体以上はいる。

HPとMPは非戦闘状態だと少しずつ回復していくが、

まだ鉄の巨人を倒してからあまり時間が経っていないため全員全回復はしていない。


ロックマンとスパイダ―それぞれレベルは7だ。

俺達は9だからそう簡単には負けないはずだが――


――時間がない。


「みんな、他の奴は無視して正面の奴らだけ片付けるんだ!」


「「了解!」」


俺は正面にいるロックマンの腕に連撃を叩き込み腕を落とす。

リシテアは《ウィンドスピア》を発動させ――槍でスパイダ―と応戦している。

イオは《ファイアソ―ド》で、もう一体のスパイダ―と戦っていた。


更にコ―デリアが《ライトフォ―ス》を唱え、一体のロックマンに向かって魔法を放った。


「走るぞ!」


しかし、まだまだ正面からぞろぞろとやって来る。


俺はメニュ―を開きログを確認する。


        消去まで残り五分……


と、書かれていた……。

クソッ! あと五分しかないというのに――

と、そこでレアは《ライトニング》を発動させ、正面の敵が散っていく。


「今ですみなさんっ! 走ってくださいっ!」


俺達は駆け抜けようとしたが、


「きゃああああ」

「どうした?!」


当然の悲鳴が聞こえた方向に振り向く。


イオが横から現れたスパイダ—の吐いた糸に捕まっていた。


「抜け出せ! イオ!」


糸から逃れようとするイオ。


「だめです! 外せません!」


糸に捕まったイオを狙おうとしてくるモンスタ―達。


「待ってろ! 今行く……ッ!」


俺はイオを捕縛している糸を剣で断ち切った。


「助かります! ハヤトさん!」

「礼は後でいい! とにかくここを抜けるぞ!」


――ゴゴゴゴゴ!!


物凄い轟音が鳴り響くとともに地面が真っ二つに割れだした。


     消去まで残り一分……


俺達は西へ走り続ける。

やっと出口が見えてきたッ!


やがて、光が見えていき――、


     消去まで残り十秒......


     消去まで残り五秒......

         

   

残り三秒......間もなくエリアの消去を開始します――。


――ゴゴゴゴゴ……!


揺れが更に激しくなり俺達もれる。

なんとか踏ん張り、走り続ける。


あと少しだっ……!


      残りニ秒...... 


俺達はなんとかエリア《?????》を抜ける――ッ!


      残り一秒......

         

      消去開始――—


そして。

 

まず視界に映ったのは、きれいな野原だった。

俺は後ろを振り向く。

彼女たちも無事なようだった。

そしてみんなで《?????》を見た――。


エリア《?????》は空中でオブジェクトが粉―になり――――


――スッ


跡形もなく完全に消滅し、視界からエリア《?????》は消え、

野原が続いていた。


俺は再びメニュ―を開きログを見た。


      消去完了。     


エリア《?????》の消去が完了しました。

    不具合は取り除かれました。

     

と書かれていた。


マジでヤバかった………。

俺は一安心する。


「なんとか逃げ切ることができたわね!」

「なんとかなりましたねっ!」

「ま、わたくしがいたからですけど! ……皆様、私を褒めてもよろしくてよ?」

「脱出成功! ですね! メラメラ……!」


ふぅ……なんとかなったな。


                 

◇◆◇◆



しかし、設定ミスのせいでプレイ中にエリア消去とはな……

あと少し脱出するのが遅れていたらどうなっていたんだろう。

……彼女たちの存在そのものが消えていたのだろうか?


今回のようなトラブルは今後も起こりうる事なのだろうか……?

俺はこの先――彼女たちを守ることができるのか……。


戦闘の疲れもあり考えるのをやめた。


「みんな、今からカリロエに向かうぞ」

「わかりましたお兄ちゃん!」

「了解ですわ」

「行きましょう! メラメラ……」


と、さっきの馬車を見てリシテアは言った


「それじゃあみんなで行きましょう」

「わかった」


俺達は馬車に乗った。


「出発よ!」


リシテアはなわを引き、馬を走らせる。


「お兄ちゃんと出会ってから、いろんなことがありましたねっ!」


そう言う。


「ああ。いろんな事があったな」


「小屋でご飯を食べて……」

「食べたな。あれは美味かった」

「森に向かって、とっても頼れるコ―デリアさんと出会いましたっ」


それを聞いたコ―デリアは照れている。


「そして、炎の町でとっても強いイオさんとであいました」


イオも笑っている。


「お兄ちゃんと出会ってから、わたしは楽しいことばかりですっ!」


ここは俺だけの世界だ――。


「そうだな、これからもみんなで楽しく冒険しような」

「ふふっ楽しみですっ」

「私も楽しみだわ」


「私も楽しみですわ」

「イオも楽しみです! メラメラ……」


俺達は馬車の上で笑いあった。


そうだ。


この先も――。


いろんなダンジョンに行ったり――。


モンスタ―を倒したり……。


時にはみんなで食事をったりして――。


――みんなで笑いあって冒険するんだ。


ここは俺だけのハ―レム楽園だ。


――カタカタと馬車は動き出す。

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