第5話
土地についた。
「誰も来てないな」
車の窓。特殊部隊の隊長らしき人物が叩く。窓を開けた。
「失礼します。ワイルドカード、というかたはいらっしゃいますか」
「おい」
「いえ小間さん。大丈夫です」
「私だけど?」
地上げ屋の女が、機転を利かせた。
「会いたいというかたが、お待ちです」
「はいはい」
地上げ屋。カードをこちらに放り投げ、車を出ていく。
「なぜ」
小間。不思議そうな顔。
「狙撃されると困るんで」
地上げ屋の女。周りをぐるぐると見回して、トラックのなかに一回入って、そして、出てくる。もう一周して、車に戻ってきた。
「大丈夫。特殊部隊の方々と、プラス一人。それだけ。全部で11人。合ってますよね?」
「合ってます。6人1小隊で、警護にふたり出してますから」
窓が叩かれる。
「あ、あの。なぜ」
「すいません。いま行きますから」
カード。地上げ屋のほうに投げ渡す。
「なんでよ。渡しちゃいなさいよ」
「いや、俺の予想では、おまえに渡すことになるはずだから」
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