第4話

「さて、どこ行くよ」


「土地に」


 だいたい、話の流れは決まってきた。


 モールと商店街は、論外。街中で発砲など、雇った者のたかが知れる。おそらく、病院でじいさんを殺そうとしたのもどちらかの差し金だろう。


 そうなると、残るのは国交省の一匹狼しかいない。そして、一匹狼なら、直接来るはずだった。


「モールと商店街、か」


「両方つぶすの?」


「俺は何もしないよ」


 小間のほうを見る。


「あはは」


 笑ってごまかしているが、もうすでにどうやって壊滅させるかの算段をつけているはずだ。じいさんを狙った相手をつぶすのは、自分の意思ではなくコンビニエンスドリームロールの意思。


「わたし、用済み?」


 地上げ屋の女。


「どうだろう。国交省の一匹狼、察庁にまで回せる手駒があるんだとしたら、案外一匹狼じゃないかもしれないし」


 あの察庁のふたり組。自分が女だと見抜くことができる人間。抱きついてきた地上げ屋の女ですら、自分が女だと気付いていないというのに。


「まあとりあえず車内待機かな。あ、カード」


「いや、持っててくれ。交渉中に狙撃とかされるかも」


「それは大丈夫ですよ。凸一と凸二、それに最新式のレーダ装備がありますから」


「心強いですね」


 その装備と人員、何に使うんだか。

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