第4話

 特殊部隊は、郊外の土地に広く展開していた。二個小隊が丸々来ている。何もない平たい土地に、軍装の兵。


「おう、凸一と凸二じゃねえか」


「えっ」


 小間。なぜか特殊部隊のほうに歩み寄っていく。


「と、特別教官どの。集合っ」


 二個小隊が丸々集まってきた。


「敬礼っ」


「いいよ敬礼は。休め休め」


 特殊部隊。休めの姿勢まで、機敏。


「任務内容は問わん。そのほうが楽だろ」


「助かりますっ」


「トラックに物資も積んできた。新式のレーダと、チャンネルをランダムにできる通信装備一式。使っていい」


 だからトラックだったのか。それにしてもコンビニエンスドリームロール、恐ろしい組織だ。特殊部隊にまで伝があるとは。


「こちらからも二三、お願いしたいことがある。いいか」


「特別教官どのの指令は作戦内容に匹敵いたします。なんなりとお申し付けくださいっ」


「ひとりかふたり割いて、郊外の市民病院に向かえ。保護対象一。守れ」


「了解っ。凸一5番6番っ」


「はっ」


「保護対象は5階501、ICU左から二番目だ。医者にも誰何しろ。行け」


「はっ」


 凸一5番6番らしき人物が、ちゃんと命令内容を復唱してから、走り去っていく。


「もうひとつ。トラックの装備を使って、通信を傍受しろ。保護対象に害を加えたものがいる。細かい記録はトラックに紙の書類で置いておいた。読んだら燃やせ」


「はっ」


 今度は隊長らしき人間が、内容を復唱。


「よし散れ。命令は以上だ。何かあったら11057から送る」


 特殊部隊が散っていく。


「と、まあ、こんな感じでよろしいでしょうか?」


「はい。大丈夫です」


 こわいな。


「あの、あなたは一体」


「私ですか。ただの小間遣いです。次はどういたしましょう?」

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