第2話 我が家にようこそ!
何やかんやあり放課後。
そのまま制服で本屋に行くにも行かないので1度家に帰る事にした。
帰っても妹に悪口言われるだけなんだけどね!
帰り道にはガイガイワヤワヤと喋りながら帰るやつもいれば。
キャッキャウフフとイチャつきながら帰る奴もいる。
本当に何故俺にはゴミカスみたいな能力しかないのだろうか?
水滴を操る。数こそ多く操れるものの大きさは大体ビー玉程度。
操る範囲も結構広いが。
それでも水滴だ。ダメージなんてゼロに等しい。
ヒーローという職業が出た時は俺も憧れ、水滴を集めれば大きくなるのでは?と思いやってみたがそれは失敗に終わった。
何故かは知らないが弾かれるのだ。何故かは知らん。大事な事なのでもう一回言った。
「ま。どうでもいいか。」
「あっれぇ?凛斗先輩じゃ無いですか?」
後ろから声がかけられる。げっ。
無視だ無視。
「せーんーぱーいー!ボッチ先輩ー!私が構ってあげますよー!」
あいつは悪いヤツじゃない。
悪いヤツじゃないんだが。
「やぁやぁ。先輩。こんにちは!
今日も1人ですか?寂しいですねぇ〜。
特別に!わたs」
「要らねえよ。」
「そんな事言わないでください!そして最後まで言わせて!」
「あーぁ。ハイハイ。分かったよ。美波。」
この後輩は南 美波。
なんだろう。一言に言うとうるさい。
良い奴だけど。美人だけど。
ちなみに魔術使いで何でも結界系が得意らしい。
校内では1番の使い手だとか。
「先輩は何するんですか?勉強ですか?」
「漫画を買いに行こうかなーなんて思ってるな。家に居ても悪口言われるだけだしな。」
「あー。舞ちゃんですね。
しっかし疑問なんですけどなんでそんなに嫌われてるんですか?」
「知らねえ。こっちが聞きてぇ。」
本当に。何かしちゃったか?
「最近だとですねー。屑屋先輩?でしたっけ?
あの人にメロメロで。来年になったら高校あの人の所行くって言ってましたよ。
あの人そんなにカッコイイです?
なんか嫌悪感が拭えないんですが。」
「カッコイイんじゃね?
委員長、幼馴染、妹も好きとか。
多分クラスメイトの女子もだぞ?
モテモテだな。ちきしょう。」
「悔しい感じが伝わってこないんですが…
そしてもう名前で呼ばないんですね。舞ちゃん達の事。
あっ!そう言えば!先輩はどうするんです?高校!」
「その辺の普通校。」
「え?」
「だから普通校だって。」
「先輩。それはやばいですよ?」
うん。知ってる。それさっきも言われた。
氷のように美波が固まってしまったんだが?
「わ、私が養いましょうか?」
「おお。それは名案だな。よろしく頼むわ。」
「えっ?//」
突然ボッと顔を赤くしてしまう美波。
おいおい。また1人…。俺の美貌に見とれちまったぜっていう冗談はともかく。
家に着いた。早く帰ろ。
「じゃあまた明日な。バイ。」
「えっ。ああ!そ、そうだ!私も行きますよ!
本買うの!モールの前に集合ですからね!
直!ぐ!に!」
「えっ。マジで?」
そんな俺の呟きも聞かず走り出した美波。
まぁ。たまにはな。いいかも知れない。
フゥと方の力を抜いた。
そして、俺は鞄を下ろし中から鍵を出す。
ただいまは言わない。どうせ返ってこない。
ドアを開け玄関を見ると女物の靴2足と男物が1つ。男物のをよく見ると屑屋さんの物だ。
上からギシギシと聞こえるが。
まさか〇〇〇してんの?
えっ。マジで。
「ほぇ〜。進んでんなぁ。今どきの恋愛。」
妹と幼馴染とは。俺は感服しました。
今頃妹の部屋ではR18の光景が広がっているのだろう。母さんはまだ帰ってきてないし。
大丈夫だ。安心しろ。俺は母さんにはちくらない。唯、避妊はしろよ?危ないから。
靴下を洗面所に脱ぎ捨て、上に上がるが。
今。ここで重大な事実が発覚した。
妹の隣の部屋俺やんけ。
よし。心を無にするんだ。大丈夫。俺ならできる。
すうっと息を吸い込むと俺はお楽しみ中の隣の部屋にそろりそろりと入るのだった。
すうっ息を吸い込んだのは気持ちを落ち着かせる為であり、他に意味はないゾ。
分かって欲しい。いや!ホントだからね!?
やって来ました。俺のアヴァロン。
俺は制服を脱ぎワイシャツ以外の物をハンガーに掛ける。
クローゼットには数着美波に選んでもらった私服が入っている。
別にセンスが悪いという訳でもないが。
美波は今時の女子。センスが抜群にいい。
どうせならオシャレな物を買いたいので、
服を買う時には付き合って貰うのだ。
いや。マネキン買いでもいいんだけどね。
ふと、財布を確認すると買うには十分すぎるお金が。
実は父さん母さんは結構過保護なので結構お小遣いをくれる。
何でも妹に言われているのが可哀想だとか。
コレで遊びなさいと言われるけど友達消えたんだよなぁ。
可哀想だと思うなら悪口を止めてくれませんかね。
思春期というのも相まってと言うのは分かるけども。
シンプルなパーカーに袖を通し、デニムを履く。
ショルダーバッグを肩にかけて持ち物も確認できた。
家を出て鍵を閉める。
さぁ。行くか。
俺は自転車に跨りモールを目指すのだった。
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