第7話勇者解雇会議

「王様!南部高河は勇者には向きません!彼は自信過剰で訓練にも参加しませんし、スケルトンすら倒せません」


「ふーむ……どうしようか?」


「解雇すべきでは?」


上官が僕の報告書を見ながら、王にそう提案する。


「ステータスはラッセル一等兵以下で、おまけに訓練はしないで、その間に女と遊んでいたとか」


僕は王の御前でため息をついてしまった。


「失礼しました!」


「いや、それは構わない。そうだ!ルイ・ラッセル一等兵」


王の急な呼びかけに僕は体を震わせる。


「はい!」


「君を二等兵に昇進させようという意見が飛び交っているんだ。3体のスケルトンを数秒で倒せるのは二等兵級の実力があるのと同じだ」


「はい?僕にそんな栄誉を?」


「あぁ、頑張ってくれたまえよ」


僕は姿勢を正す。


「ルイ・ラッセル!今後とも精進致します!」


僕はお辞儀をして、顔を上げ、上官の方に体を向ける。


「南部高河に関してはどうしますか?」


上官は腕を組み考える。


「基本スペックはラッセル二等兵のLV1の時よりも低く、自身にはそんな力はないのに、選ばれた者だと言って訓練にも参加しない」


「はぁ。とりあえず訓練でボコボコにします」


僕はサラッと怖いことを言ったような気がする。


「それで、やる気をなくさなければ良いが……」


王は心配そうだったが、僕は大丈夫だろうと思っていた。


「大丈夫だと思いますよ。我が国のために!私も尽力いたします!それでは、ここで」


そう言って、僕は王座室を後にした。

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