第5話 好きな文体2
私が大学生の時、卒論でついた教授は、三島由紀夫と泉鏡花の文体論を研究している教授でした。そのせいか、私は、小説やエッセイだけでなく、ドラマのシナリオとかも誰が書いたものか興味があって、番組の終わりのエンドロールで必ず脚本家をチェックします。
1番好きなドラマは「踊る大捜査線」です。題名がすでに好みです。君塚良一さんの脚本です
この「踊る大捜査線」には、コントの要素がふんだんに含まれていて、笑いどころが多く、なおかつ、シリアスなシーンも見事にはまっていて、あとは物語のテンポがいい。最初から最後まで退屈させないドラマだと思います。
君塚良一さんは「ずっとあなたが好きだった」という冬彦さんブームを起こした昔のドラマの脚本を書いていた人で、これは随分と問題作としてヒットしました。
ドラマですから、文体ではないかもしれませんが、脚本にも文体があると思うので、決して脚本の文体とドラマの出来栄えは無関係ではないと思います。
ちなみに、私がついていた教授も、泉鏡花の脚本の文体論も研究していました。
文体には作者の個性が出ます。もし、5人の作家が同じ内容を書いたとしても、おそらく、文体によって、印象がそれぞれ変わってくるでしょう。作品の内容も重要ですが、それを書く文体によっても、面白さは天と地ほどの違いが生まれるでしょう。
だから、ゴーストライターをやっていた時は、私1人で書いていたので、それぞれの作品が同じ文体にならないよう、気を付けて書いていました。
どんな文体が読者の心をつかむのか、これは、個人の好みの問題なので何とも言えません。
たくさんの作品を読んでみないと、わかりません。
10人いれば10通りの文体があるわけですから。
自分の文体を好きになってくれる人がいれば、PVがつくのだと思います。
どんな文体で書くか、そこは、作者の腕の見せ所でしょう。
読んでいただきありがとうございました。
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