第4話 アウェー

「なんで‥名前知ってんだよ‥‥」

「神にそういう問は愚問ってもんじゃない?」


流石に無謀すぎたようだ。


こいつはマジの神、これは間違いなさそうだ。

一年でなんとかなるものなのか‥‥?


「そもそも魔力無いって‥どう言うことだよ!ここ異世界なんだろ!」

「あーもう煩いなぁ〜普通ならあるよ、魔力。つーか全員魔法使えるよ。ね」


畜生、俺が読んでた異世界ラノベは超ヌルゲーだったわけだな。


「じゃぁこの世界で生まれてないからか?」

「どぉでしょぉ?くすくす」


ざっけんなと叫びたかったが、今度こそ殺されるかもしれない。

ギリギリのところで耐えていた。


「でもまぁ、いいじゃん。ナイフあるんでしょ?この世界は魔法で成り立ってるから刃物存在しないんだよね〜」


握っているナイフがずっしり重く感じる。

ことの重大さがやっと分かってきた。


「これが‥‥唯一の刃物?」

「まぁ、大切にしなさいな。じゃ、また一年後にお会いしましょー」


人影はくるりと背を向けると(シルエットしか見えないので背を向けたかはわからないが)、最後に一言こう言った。


「最高のゲームには、何が必要かわかる?」

「知るか」

「初見殺しだよ。」


焼け焦げた森に、灰を踏む音がゆっくりとこだました。

カシャっと乾いた音がだんだんと大きくなってゆく。


上空を見ても神はいない。

もう行ってしまったのだろう。


大変ご丁寧に刺客を置いて。











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