第57話 小休止

「ミリア、ちょっと回復しようか?」

「そうね、小回復呪文お願いできるかしら、ルミエラ?」

「がってん」


「リトルヒール」とルミエラが唱えると、緑色の光がミリアを包み込み擦り傷と疲れを癒した。


「ありがと!この呪文いいわねー、丁度いい回復量だわ」

「魔力消費少なくて、便利なの」


ルミエラはムフー、と自慢げに鼻を膨らます。スタミナと軽度の傷を癒すこの呪文はスタミナポーションの使用も抑えられて探索に大いに貢献していた。


しばらく歩くと開けた小部屋のような場所に着いた。


「丁度いいからここで少し休憩にしよう。探索もかなり順調に来ているから交代で仮眠を取ろうか」


3時間休憩を取ることにし、二人ペアとなって一時間ずつ起きて見張りをすることにした。

じゃんけんで組み合わせを決めた結果、アレクはレイラと最初の寝ず番をすることになった。


アレクとレイラ以外の4人は既に3回目の探索ということもあり、慣れたように敷いた布の上に横になる。

布はアレクのアイテムバッグから取り出したものだ。

4人とも疲れが溜まっていたのかすぐに寝始めた。


アレクとレイラは前方と後方の道から敵が出てこないかそれぞれが見張りつつ、寝ないように背中合わせで会話し続けることにした。


「…俺たちとダンジョンに潜るのは初めてだが、ここまでどうだった?」


始めに、アレクはそう尋ねた。

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