第14話 行先
「な、なんだおまえは。関係ないやつはすっこんでろよ」
「関係ないわけないだろ。こっちはこの店を気に入って食べに来てるんだから。言いたい放題言ってたけど迷惑だから帰れよ」
「なんだと!おい、この店の客は他の客に喧嘩を売ってくるんだなぁ!」
もはや暴言でもなくただ喚き散らしてるだけの男に対してアレクは溜息をつくと、
「分かった。自分から出て行きたくなる話をしてやるよ」
と言った。
「は?何を言って…」
その瞬間アレクはスッと男に近づくと耳元で何かを囁いた。
すると途端に男が青ざめ、ミリアに向かって土下座し、
「す、すまなかった。これまでの迷惑料も払うし、金輪際関わらないから許してくれ!」
と、突如謝罪を始めた。
ミリアは唖然としてつい頷いてしまう。
その後言った通りに慰謝料を払って男は店を飛び出して行き、以後一度も嫌がらせは起きなかった。
驚いたミリアはアレクに何を言ったのか聞いたが、
「俺はただ知ってることを教えただけだよ」
と言ってクスクス笑った。この時ミリアはこの男だけは絶対に敵に回してはいけないと強く思った。
それまでは店の常連客と店員という関係の2人はこの日をきっかけに親しく話すようになり、友人となっていったのだった。
ミリアはそんなことを思い出しながら言ったのだが、アレクの反応は軽かった。
「まあ、命を賭けるんだからこの程度はな。それじゃあそろそろ目的のダンジョンに行くとするか。この街の東にある『荒野の洞窟』へ」
現在のパーティ総資産…1000万ルピー(5人のこれまでの貯金総額)
目標まであと…4億9000万ルピー
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