第1章 初めての冒険は効率重視で
第9話 探索当日の朝
「フンフフンフフーン♪フンフフフー♪」
鼻歌を歌いながら上機嫌で自宅のシャワーを浴びているのはミリアだ。
魔術インフラが10年前から急速に発達したおかげで魔術師でなくとも各家庭に水道、明かり、火が魔術管を通して供給されるようになった。
毎朝のシャワーはミリアのルーティンとなっている。レストランのホールで接客をすることも多いので、常に身だしなみは怠らない。
シャワーから上がり細く引き締まった体をタオルで拭いていく。ミリアも女性らしく起伏のある肉付きをしているが、普段一緒にいる比較対象が悪かった。
「ルミエラはちょっと反則よね…」
鏡をみて独り言ちる。隣を歩くルミエラにはナンパがしょっちゅう来るのに自分には来ないのは納得いかない。
というか、ちょっとへこむ。別にナンパされたいわけではないのだが、女性としての魅力がないと言われているような気がするのだ。
本人は気づいていなかったが、それには理由があった。
この国の法律では15歳で成人とされるのだが、未成年の人間に声をかけて事に及ぶと犯罪となるのだ。
そしてミリアはすでに成人だがどう見ても未成年にしか見えなかったため、可愛い女の子だと周囲から認識されながらも誰も声をかけれなかったのだった。
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