第3話 冒険者のススメ

男3人、女2人のアレク達五人組はこのウィンベルクという街で暮らす中で知り合っていった。


アレクとロイは近所に住んでおり、ギルは仕事でアレクと知り合った。ルミエラはアレクが一時お世話になった孤児院で一緒に暮らしたことがあり、ミリアはアレク行きつけのレストランで働いていて親しくなった。


元々はアレクを通じてお互いに知り合っていったのだが、気が合ったのかもはやアレクがいなくてもそれぞれ友人として付き合っている。


しばらくは今月起きた出来事や笑い話で盛り上がっていたのだが、ギルがおもむろに、


「そういえばアレク、なんか大事な話があるってチャットで言ってたけどあれなんなんだ?」


と質問した。


チャットはステカに備わったメッセージ送信機能で、ステカを持っている人間と一瞬で連絡を取り合える優れものだ。

数年前にこの国の天才魔導士がステカに組み込んだ。


数日前に大事な話があるから集まりたいとアレクが言ったことで今日の飲み会が決まったのだった。


アレクは少しタイミングが早い気もしたが、振られた以上話すしかないかと開き直り、


「実は提案があるんだが…」


とそこまで言って少し止まった後、


「冒険者にならないか?」


と単刀直入に切り出し、場の全員を唖然とさせた

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