第10話 ストーカー、ストーカーを卒業する 2
「だからさ、今度から普通に声かけてよ、そしたら気持ち悪くなんてないよ」
にっこり。
ジュリアの笑顔に、拓ちゃんは鼻の奥がつんとした。
やはりジュリアは天使だ。
自分はなんて汚いのだろう。
つんと指で小突かれた額から清涼飲料水が体中ににじみ渡っていくような感覚だった。
「それにあたし、拓ちゃんの顔、好みだしね」
「は、」
ついでのように言われた言葉に、拓ちゃんは意味を理解しようとしてその反面、一度思考を停止した。
その間にジュリアはもう一度取ってつけたようににこっと微笑み、
おもむろに、
ゆっくりと、
膝立ちになって拓ちゃんの左横にやってきた。
拓ちゃんは手に持っていたカップを落としてひっくり返す前になんとかテーブルに置き、カップから手を離し、近づいてくるジュリアの目をガン見した。
ジュリアは柔らかく微笑みながら、拓ちゃんの太もも辺りにしなだれるようにしてぺたんと床に座り、そこから上目遣いに拓ちゃんを見上げてきた。
そうして、拓ちゃんの太ももにそっと左手を乗せ、もう片方の手で、拓ちゃんのくちびるに触れてくる。
「あたし好きなんだよね、こういう、男らしいくちびる。厚くて、ちょっとかさかさしてて。きれいな肌。この鼻も、顎のラインも。髪の毛切ったら、もっと男前なのにね、拓ちゃんは」
拓ちゃんは、生まれてこのかた自分の容姿を出来たほうだと思ったことはない。
くちびるがかさかさしているのは手入れをしていないからだし、鼻だって別にそんなに高いわけでもない。
顎のラインとか言われてもよく分からない。
どちらかといえば、イケメンと呼ばれる類いの人間の隣には立ちたくない。
それでも、今のこの状況は、拓ちゃんにとって非常に刺激的だった。
「ねえ、拓ちゃんは、今までずっと見てきたんだよね、あたしのこと。あのときも、あのときも、……、あのときも……?」
あのとき。
どの時のことか。
言われなくても分かる。
しょうちゃんに組み敷かれていたとき。
ゆたかくんと抱き合っていたとき。
だいちくんと服を脱がせあっていたとき。
ゆうたんに脚を開いていたときだ。
視界の端にワンピースからはみ出したジュリアのふくらはぎが見える。
腕を少し動かせばそのふくらはぎに触れることができる。
拓ちゃんはごくりと生唾を飲み込んだ。
「ねえ拓ちゃん」
呼ばれて、意識をもう一度ジュリアの顔に向けると、それはさっきよりもぐっと近く拓ちゃんの顔の傍にあって、拓ちゃんの太ももに置かれたジュリアの手に力が入るのが重みで分かる。
「拓ちゃんはあたしのことが好き?」
「好きです、」
囁くように聞かれて、拓ちゃんは条件反射のように答えた。
ジュリアからとても甘い匂いがする。
バニラのような香水のような、体臭のような。
ジュリアがふふ、と笑い、また囁く。
「そっか。じゃあ、……、キス、してもいい?」
拓ちゃんが返事もできずに固まっていると、ジュリアは拓ちゃんの下くちびるを一度指先でなぞり、そのままそ、っと、自分のくちびるを寄せてきた。
拓ちゃんは息をするのも忘れた。
ジュリアにキスをされている。
何度もモニター越しに歯噛みしながら眺めてきた。
相手がいつも自分ではないことを悔しく思ってきた。
それが。
ジュリアの柔らかなくちびるが、柔らかく柔らかく自分のそれを食んでくる。
拓ちゃんは、ぐるぐる考えようとすることをやめた。
「んっ、ふ……、」
拓ちゃんが固まっていた身体に力を入れジュリアを抱きしめるようにして大きく口を開く。
拓ちゃんの口のなかにすっぽりと収まりそうなジュリアの小さなくちびるに、拓ちゃんは無我夢中で吸いついた。
ジュリアが鼻から甘ったるい音を洩らすのが拓ちゃんを加速させる。
舌をねじ込むと小さな歯列があって、それをなぞるようにしながらもっと奥へ。
ぬるりと舌同士を絡ませるようにしてきつく吸うと、ジュリアが「んんっ、」とまた声を洩らした。
ジュリアの腕が拓ちゃんの背中を撫でるように絡みつく。
拓ちゃんの左手はジュリアのふくらはぎを撫でた。
柔らかい、それはそれは柔らかいふくらはぎを手のひら全部で堪能するように撫でてから、膝の裏へ。
ジュリアの着ているワンピースはとても柔らかく、拓ちゃんをひとつも拒絶することなく太ももをさらけ出す。
下着の端に指を
※ ここがギリギリだなー!!
これ以上は出せませぬー!!
気になるかただけピクシブさんで探してください。
他のページはまったく同じものなので、該当ページだけ見つかれば大丈夫でーす。
ちなみにえろシーンは次のページの前半まであるので、カクヨムさんではそこまでカットしまーす♡
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