第15話 面接前

窓から差し込む光。鳥のさえずり。そして何かが倒壊する音。朝だ。ああ、すがすがしいぜ。


……………………………。


「倒壊する音は駄目なやつだ!」


「「きゃああああああああああああああ」」


また女子かよ!また慎士が手を抜いたのか?


…いや、昨日はしっかり書いてたし…わからん。とりあえず向かわねばならぬ。2人が無事か確かめる方が大切だ。


「何よこれ………。本当に欠陥住宅だなんてね…………」


「はあ~、最初に壊れたのがドアでよかったよ。もし天井から崩壊してたら死んでたかもね……」


よかった、無事か。俺はほっと、胸をなでおろす。それにしても、


「おい、慎士ぃ!んだよこれは!しっかり書いたんだろ!?」


俺が女子の家へ着くと同時くらいに起きた慎士が歩いてくる。慎士は歩いてくるとき、少し疑問を抱いていたみたいだ。


「何か理由があるとしたらやっぱり異能力だよなぁ。朝まで異能力は解除しなかったしなあ………。ならノートに問題が?…少し見てみるか。家を維持するためにノートは常に具現化させてあるから文字も消えていない。確認してみるか」


慎士が手に持ったノートの家を書いたページを開く。一見変な部分は無いのだがよく見てみると……、


「ここか!家という漢字の跳ねる部分が跳ねていなかった。俺達の方はしっかり書けているな。これは………う~ん、ごめん。許してクレメンス」


「悪気がないなら許してあげようかと思ったけどね…。最後の許してクレメンスがなんかムカついたわ」


あの笑顔で優梨が慎士を揺さぶって暴れている。


………デジャブかな?しばらくして慎士が解放される。目には終わって嬉しいと感じるマジなスマイル。おい、反省しとけや。お前の責任なんだしよぉ…。


「おい、飯食ったら準備しろよ。今日俺達バイトの面接だろ?」


「待て、龍。お前その格好で行くのか?それに優梨君もだ。2人の制服はボロボロなんだから変える必要があるだろう」


「どうするの?」


「いつものノートで。今度は何か事故か起きないように気をつけるとしよう」


「………なんか嫌な予感がするわ……」


優梨だけが先を考えて怯えていた。ノートはほぼ毎回何かしらの事故を起こしているからな。面接で事故とかシャレにならない。しっかり書いてくれ。


「それにしても………。今思ったんだが優梨君。君の少し破れた制服から見える肌がエッチぃな」


「………………っ!!」


次の瞬間には優梨が風を起こして慎士の目に砂を叩きこんでいた。


「目が!目がぁ!」


「慎士………………自業自得だ。時と場と相手は考えろ。………お前の心に秘めた本性がまた剥きでてきたな」


「はぁ、さっさと準備していくよ。時間に遅れちゃうからね~」


友結が言った言葉により俺達は面接の事を思い出し、慎士が具現化した制服を着て面接会場へと向かうのであった。

























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