27章 工具

ある日、彼がなかなか仕事から帰ってこない


夜10時、帰ってきた


帰ってきて彼が一言



彼 「3万で工具買ったで

   実家用の」



突っ込みどころ満載

実家用の工具を買ったって何?

どういうこと?

お金を何に使ったのか教えてくれるのは嬉しいけど、使う場所違うくない?



私 「何で買ったん?」


彼 「俺の親父、家の物なんも買ってくれんし揃えてくれんのや

   弟とお金出しあって工具買った」


彼は続けた


彼 「弟も結婚するし、あんまお金出させたくないで2万だけ出してもらった

   俺のが多くだしたんや」



最後の「俺のが多くだしたんや」って言う時、彼はどや顔だった

ちょっと偉そうな態度だった


工具って何の工具?

何の工具かは分からないけど5万もするものなの?

工具にお金出してないで子供の物買ってよ!

オムツも買ってよ!

実家の物買わないで家の物買ってよ!


色々聞きたい

色々言いたい

だけど言わない

怒られる、もしかしたら手を出されるかもしれない・・・・怖かった



買ったという工具、私は離婚するまでずっと見せてもらえなかった

見せてと言えば見せてもらえたかもしれない

だけど、今なら分かる

もし、私が見せてと言っても彼は見せてくれない

口が上手いから・・・・きっと、上手いこと言って見せてくれない

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