14章 妊娠 ~離れての暮らし~

彼は滋賀

私は実家

離れての暮らしが始まろうとしていた


とりあえず、産婦人科での診察もあって保険証も必要だったため籍は入れた


結婚式も何処でするかも決めておき、彼は少し長めの休みを貰っていた


そんななか、彼は言った



彼 「携帯を持っていたほうがいい

   だから契約しに行くぞ」



私は彼に出会うまでは、ずっとソフトバンクを使っていた

だけど彼に出会って、お財布携帯というものを知りdocomoがいいと勧められdocomoを使うようになった


彼は何故かソフトバンクを嫌がっていた

多分、docomoを使っている人の方が多いからだと思う


彼は自分で携帯を契約出来ないため、籍を入れた今

私名義で携帯を契約することが出来る


携帯を契約することは賛成だった

プリペード携帯だと、彼からの返信がこないのも寂しかったのもあるし

何より私からばかり電話をかけていたので、通信料が高かったからだ


すぐにdocomoで契約をして彼は携帯を手に入れた



そして、あっという間に彼の休みが終わった

彼は電車に乗って滋賀へと向かった

多分、滋賀についてから家までは隣に住んでいた人に車で乗せてっていたと思う


彼は携帯を手に入れた

1人暮らし

私という存在と一緒に住まなくなった生活

休みは何時に起きても何時まで寝てても何も言われない

そして、パチンコも行き放題

楽しかっただろうなって思う


そして実家で暮らす私は、彼に日常メールは必ず送っていた

携帯を持っているから返信があるのかなって思いきや、1つも返信などない

メールだったため、既読という機能はないので読んでるのかも分からない


「起きた」「朝ご飯食べる」「お昼ご飯食べる」「お風呂」「寝る」


この5個は必ずしないといけない

1個でも欠けると疑われる・・・・


メールは必ずしないといけなかったけど、実家で生活するようになってゆっくり出来るようになった

朝起きたら、温かいご飯が食べれて体調が悪い時は横になれる

そんなことが幸せだった


そんなある日のこと、友達が結婚祝いをしてくれることになった

結婚が決まった時、友達にはメールをしていた

妊娠は黙った状態で・・・・

友達には言ってもよかったんだけど、彼に言うなと言われていたため言えなかった


友達と出かける前日、彼には友達と会うことを言った



私 「明日、友達が結婚祝いしてくれるから会ってくる」


彼 「友達って誰?」


私 「成人式に一緒にいた子

   プリクラに写ってた子」


彼 「あぁ

   本当に女だけなん?」


私 「うん」


彼 「妊娠は黙っておけよ」


私 「うん」



この時、疑われるだけで「楽しんでこい」とも」「体調に気をつけて」とも言われなかった

私は心の何処かで期待していた

優しい言葉をかけてもらえることを・・・・

少しだけ寂しかった


そして次の日、友達が家まで迎えにきてくれて3人でご飯を食べることになった


ご飯を食べてる最中にトイレに行き吐いてしまった

1人の友達が一緒にきていたため、その子には妊娠が気づかれてしまった

だけど、その子は優しくて私の体調を気遣ってくれた

友達ってこんなに優しいんだって思った

嬉しかった、彼にもこんなに優しくされたことなかったから・・・・


ご飯を食べ終わった後はショッピングモールへ

途中、彼から電話がかかってきた



彼 「何してたん?

   何で電話でんかったん?」



え・・・・?

私、昨日言ったよね

友達と出かけてくること

昨日言ったこと忘れちゃったの?



私 「友達と出かけてるけど」


彼 「あぁ、そうやった」



友達と一緒にいる所を察したのだろう

きつく言われなかった

人前では良い人間だから・・・・



彼 「帰ったら教えて」



そう言って彼は電話を切った

切り終えてから携帯を見たら彼からは2件着信があった

気づかなかった・・・・

もし、3回目も気づかずにいて電話に出なかったら彼はどんなくらい怒っただろう

怒った彼を考えたら少し怖かった・・・・


17時くらい、友達が家まで送ってくれて

楽しかったんだけど、少し疲れたのかもしれない・・・・私は、すぐに吐いた

あまり体調が悪くないので横になっていた


そしたら彼から電話がかかってきた

帰ったら電話すると言ったのに、なかなか電話がかかってこないから痺れをきらしたのだろう



彼 「何してたんや!」



出た瞬間、怒った声



私 「ちょっと体調悪くて横になっていた」


彼 「帰ったら電話するって言ったやろ!

   何で電話してこんのや!」


私 「体調悪くて」


彼 「そんなん出かけるで体調悪くなるんやろ!」



ひたすら怒られた

出かけたから体調悪くなったんだ、私が悪いんだ

体調悪くなったのも私が出かけてたからだ

自分が悪いんだって思った

だから、謝るしかなかった


何回も謝ると彼は機嫌がよくなっていき普通の声のトーンに戻った

普通に話さなきゃ、モヤモヤしてる状態だけど・・・・このモヤモヤした感じを出してしまったら彼の機嫌が悪くなる

必死で普通を装った


そして私は思った

あまり出かけないようにしようと・・・・

家にいようと・・・・



そんなある日、彼は仕事を辞めた

私に一言もないまま急に仕事を辞めた

そして、私の荷物もあるため荷物を取りに来いと言った

何故、仕事を辞めたのかは教えてもらえなかった

聞くこともできなかった


事情を説明したら、お母さんが滋賀まで車で乗せてってくれると言った

ありがたかった


滋賀の家につき、お母さんと家に入る

彼は私1人が私の車で来ると思っていた

だけど、実際は私のお母さんの車でお母さんと2人で来た

少し驚いていた


3人で荷物を片付けて、お母さんが少し荷物を車に乗せてくれて

お母さんは帰っていった


彼はあまり機嫌がよくない状態だった

あまり会話もないまま、久しぶりに滋賀の家で寝た


次の日、私は電車で帰ることになった

彼は滋賀でやることがあるらしく、滋賀に残るという


駅まで隣の人につれてってもらい、彼に見送られ私は実家に戻った


やること・・・・会社での手続きだと思ってた

だけど実際はパチンコだった・・・・


何故、分かったのか

それは、夜に電話していた時に彼は自分から言っていたのだ

パチンコに言ったこと

そして勝ったこと

勝って機嫌がいいから、彼は電話でテンション高めだった・・・・



こうして、短い間だったけど離れての暮らしは終わった


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