12章 妊娠 〜結婚の報告〜

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この章から出来事ごとに章を変えていきます

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妊娠が分かってから、派遣会社の人に産婦人科を教えてもらった

着る服なんてスウェットしか持ってない私

この時代はスウェットで外に出ても恥ずかしくないというか、スウェットで外にいる人が多かった

だから、普通にスウェットで産婦人科へ

人生2回目の産婦人科


産婦人科に行く日、彼に



彼 「一応、領収書貰ってや

   後で払うで」



と言われた

その言葉を信じる私


その日、彼は仕事が休みだった

だけど一緒には来てくれなかった


産婦人科について、問診表を記入して内診

そして改めて妊娠が分かった

出産予定日を聞いて、赤ちゃんのエコー写真を貰った

赤ちゃんのサイズと同じキューピー人形も貰った


エコー写真を見てキューピー人形も貰って、お腹の子が愛おしくなった

大切にしようと思った

何があってもこの子を守っていこうと思った


初期は食べれるものを食べればいいと先生に教わって、産婦人科の帰りにスーパーへ行った

納豆、そしてクラッカーを買った


帰ってから彼はいなかった

ご飯を炊いた

匂いがダメだった私は、息を止めながらご飯をよそった

そして納豆をのせて食べた


食べ終わってすぐ、電話がかかってきた

知らない番号

おそるおそる出てみた



私 「もしもし」


彼 「おれおれ

   今、寿司屋にいるで来てや」



どうやら彼は、お寿司屋さんに電話を借りたらしい

お寿司屋さんまで来てという

お寿司屋さんまでどうやって行ったのかは聞かない

だいたい予想がつくから・・・・


指定されたお寿司屋さんに行って中に入ると彼がいた

カウンターでお寿司を食べる彼

隣に座った



彼 「なんでも好きなの注文しろや」



と、言われたけど

お腹がすいていない

さっき食べたばかりだから

何とか食べれそうな物を選んで食べる


そして、食べ終わり会計は彼

車に乗り込むと、彼はイライラしていた

私のお寿司屋さんでの態度が気にくわなかったらしい

ほとんど会話もないまま家についた


家についてから産婦人科のことも聞かれず、お金の話もしなかった

産婦人科代は貰えなかった



つわりは段々と酷くなっていた

ひたすら吐く、気持ち悪い状態

仕事は辞めることになった


彼は続けているため、私は送り迎えをすることになった

彼は職場の人とも隣の人とも一緒に行かなくなり、私の車で出勤することになった


運転は辛かった

だから赤信号の間は、少し窓に顔をよせたりしていた

そうすると彼は言った



彼 「もう楽になるか?」



楽になる=おろすってことだ

彼の前で体調が悪い場面を見せてはいけない

そう思った私は我慢しながら、毎朝彼を仕事場まで送った

送っても彼から「ありがとう」って言葉もなく、「ちょっと休んでたら」という言葉も貰えなかった

少しだけ期待していた自分がいた

彼に優しい言葉をかけてもらえるって・・・・



こんな生活が続き、いよいよ帰ることになった

きちんと彼が私の親に会って話すためだ

妊娠中、つわりが辛い中の長時間運転は辛かった

だけど彼に弱音を吐くことが出来ない

我慢しながら何とか家についた


妊娠していることを黙っていたため、体調悪いのを隠すのを必死だった

ゴミ箱に吐いてる姿を、お母さんに見られた時は焦った


「食べすぎ」


私は、こう言うしかなかった

多分、お母さんは妊娠に気付いてたと思う



そして、彼が家にきて

お母さんとお父さんに話す


いつ両家の顔合わせをするのかも決めた


私は彼の両親にも会えると思っていて心の準備をしていたのだが、会うことはなかった



私が仕事を辞めたことは、まだ言わないままでいた


だから私は彼と滋賀に戻る

話が終わった次の日に滋賀に戻る


彼には体調が悪い姿を見せず、また滋賀まで運転した


そして、恒例のパチンコへ

一緒にパチンコ屋さんへ入る

タバコ臭い

匂いに敏感すぎてる私は辛かった

だけど、我慢して隣に座る


投資金がなくなったら帰る

それか、勝ったら閉店までいる


お腹の子にとって悪いことをしていた



妊娠中、私は情緒不安定な日々が多くて

彼が仕事に行っていない日中は、気づいたら泣いていた


夜、彼が職場の飲み会で遅くまで帰ってこない時は寝つけなかった

何回も彼に電話した

帰ってきた彼に怒られた


そして



彼 「楽になるか?」



また言われた

彼の機嫌を損ねた

彼にバレないように、こっそり泣いた



そんな日々の中、彼の了承を得て妊娠のことを両親に伝えることになった

私が仕事を辞めたことも

電話で話した

お母さんは、やっぱり気付いてた



両家の顔合わせも近づき、帰ることになった

私の運転で


お母さんに、下道でゆっくり帰ってきなさいと言われた

彼に一度は言われたかった言葉だ


こうして妊娠の報告も出来て、いよいよ両家の顔合わせ

彼の両親に初めて会う


一体、どんな人なんだろうか・・・・




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