10章 年末年始と成人式
年末年始、私と彼は家で過ごすことになった
年末、彼は家でついた餅を持ってきてくれた
彼のお父さんに家まで連れてきてもらったらしい
彼のお父さんは車の中で待っていて
彼だけが来て、餅を私に渡すとすぐに帰っていった
一応、彼は私の親に挨拶していた
ビアガーデンでバイトしてた頃だ
後で聞いた話だが、お姉ちゃんは彼のことをよく知っていたらしい
と、いうことは彼がしてきた悪いことも少なからず知っていた
お姉ちゃんの友達を傷つけていたことも後になって知った
なんだかんだで新しい年が始まった
日常のメールを送る
返信はない
1月2日
私の携帯に電話が鳴った
彼の家から
私 「もしもし」
彼 「お前、今いくらある?」
いつからか名前で呼ばれることがなくなり、私はお前と言われていた
それにも慣れてしまっていた
あけましておめでとうっていう言葉もなく、いきなりお金の話
私 「通帳に2000円くらいなら入ってる」
彼 「じゃ、おろしてきて俺の家きて」
彼はパチンコに行きたいんだと直感した
お金がなくてもやりたいんだ
私にお金を借りてまでやりたいんだ
この時、私は彼にほとんどのお金をパチンコで使われていて
日々のご飯代、水道光熱費、携帯代、ガソリン代と出費が凄くて貯金などなかった
自分の欲しい物は買っていなかった
貯金をおろし、彼の家に行く
着いたら電話する
彼が家から出てきて彼にお金を渡す
そしてパチンコ屋へ
隣の市まで行ってパチンコをやる
あまり人がいなかったので、隣に座ってるだけでも店員さんに注意されることはなかった
2000円は、あっという間になくなった
そして、彼の口から倍返しで返すという言葉はなかった
貸す=彼にあげると思った方がよさそうだ
年末年始の休みの間、彼と会ったのは1回だけ
日常のメールは少しだけ重荷に感じていた
だけど、送らないと怪しまれるから••••
あっという間に休みは終わり、また滋賀へ向かう
ありがたいことに、お母さんが食料をたくさんくれた
レトルトなどは有り難かった
もう滋賀へ向かうのは何度目になるんだろう
方向音痴の私でも道は覚えた
滋賀に戻ってきてすぐに私は1人で家に向かった
成人式があるためだ
家族が前祝をしてくれるというので、家に戻る前に待ち合わせをした
その時に食べた焼肉が凄く美味しかった
いつも家族で行っていた焼肉屋
メニューも変わらない
だけど、凄く美味しく感じて幸せだった
成人式
久々に友達に会って夜ご飯は食べに行って
プリクラなんかも撮ったりして
久々に楽しい時間を過ごした
彼には友達とご飯を食べに行くと言っていて、帰ってきたら電話するように言われていた
そして成人式で友達と会ったりしたら写真を撮って見せろと言われていた
だから、私は友達とツーショット写真をたくさん撮った
そして、家に帰ってからすぐに現像した
次の日には滋賀に戻らなくてはいけないからだ
久々の友達と会う時間
楽しい時間はあっという間に終わっていき、私は家路についた
家に帰ってから、まず彼に電話
成人式の報告
彼 「本当に女だけで食べに行ったん?
男とかえんかったん?」
友達とご飯に行ったこと
久々に会って楽しかったこと
そういった友達の話は1つも出来なかった
彼は私が同級生の男の人と一緒にご飯食べたりしてると思っていた
疑っていた
そんな彼には楽しかったことの数々、友達と話して楽しかったことを話せなかった
電話を終えた後、早く証拠写真を見せないとって思ってた
早く滋賀に戻らないとって思ってた
すぐに写真を現像できて本当に良かったと思ってた
そして次の日、お母さんが私の大好きな豚汁を作ってくれていた
凄く美味しかった
温かかった
朝起きて、お母さんの作った朝ご飯を食べれるって幸せなことなんだって思った
だけど、ゆっくりはしていられない
早く戻らないと
いつもは下道から滋賀へ行くのだけど、この日だけは高速で滋賀に向かった
早く滋賀に戻らないといけないという思いが強かったからだ
雪がパラパラと降っていた
途中、サービスエリアなどで休憩した
そして滋賀につき、彼が待っている家についた
家について本当にすぐ、彼に写真を見せる
彼 「え?ブスばっかやん
こいつ、本当に女?」
彼から出てくる酷い言葉の数々
悲しかった
私から見ても皆、可愛い子たちばかり
友達のことを悪く言われるのが悲しかった
彼自身がそう思ってても、それだけは言ってほしくなかった
彼は写真・プリクラを見終わって、男の人がいないことに安心し
私に写真を返した
彼にも成人式を祝ってほしかった
それは、私の我儘だったんだろうか
こうして私の成人式は終わっていった
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