〇デッドゾーン (The Dead Zone (1983)) (BE、BG)

1983年 アメリカ

1時間43分(スタッフロール込み)


監督 デヴィッド・クローネンバーグ


出演 クリストファー・ウォーケン

   マーティン・シーン

   トム・スケリット


視聴 日本語吹き替え


タグ

 #サスペンス #超能力 #殺人事件 #良BGM #野沢那智 #NTR

 #スティーブン・キング原作


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「スティーブン・キング原作! 超能力を手に入れてしまった男の苦悩と決断! そして人々を救うために彼が出した答えとは!」


 今回は『デッドゾーン (The Dead Zone (1983))』を紹介します。


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~あらすじ~


 ジョニー・スミスは小学校教師。

 可愛い生徒たちや婚約者のサラと何不自由ない幸せな毎日を送っていたジョニーだったが、不幸にもデートの帰り道に交通事故に遭ってしまう。

 昏睡状態に陥り、5年間も眠り続けてしまったジョニーだったが、目を覚ますと自分が触れた人物の過去や未来、関係者の現在が見える超能力が使えるようになっていた。


 看護師の家族に起きている不幸や、過去の戦争で死亡したと思われていた主治医の家族の安否を言い当てたジョニーは、超能力がある人間と一躍有名になったものの、彼を嘘つきだと嘲笑うマスコミの攻撃と、昏睡している間に他人と結婚して子供も生まれていたサラとの再会が彼を苦しめていく。


 やがて、キャッスルロックと言う町から来た保安官から、その町で起きている連続少女殺人事件の調査に協力して欲しいと頼まれるが……


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 感想


 そんなわけで『デッドゾーン (The Dead Zone (1983)) 』の感想です。

 まず、この映画は音楽がとても良いです。

 開幕から壮大で悲壮なBGMが流れますが、掴みが凄いと言うか、つい聞いてしまうような凄みを感じます。


 それとセリフの言い回しとテンポが絶妙で、決してセリフで多くは語らないのだけれど、捻った言い回しと見てるだけで何が起きているのか分かるシーンの切り替えが秀逸で、観る人を退屈させない作りになっている工夫が凝らしてあるなと感じました。


 さて、物語ですが、基本的に愉快な話ではありません。

 起きたばかりのジョニーは、5年間も昏睡状態だったために歩くことも難しく、好きだった仕事も失い、しかも婚約者は別の人と結婚して子供までいると言う不幸としか言いようのない状態です。

 記者会見でマスコミが行った攻撃は本当に腹が立つ(しかも、超能力で秘密を言い当てようとすると逃げる)し、その後に起きた悲しいことは、たまたま私が疲れてて感傷的になっていたからかもしれませんが、思わず涙が流れそうになりました。


 そして、知り過ぎることが幸せではないと言う事が分かる話の展開で、ジョニーの葛藤が辛すぎる。

 超能力で未来を予知出来ても、ろくに動かない体では直接行動で誰かを助けることも出来ない。信じてもらえなければ誰も助けられない。


 後半、ジョニーが主治医に対して問いかけた質問が本当に深くて、もし自分ならどうするのかと考えてしまいました。

 ジョニーは主治医の答えを加味して答えを決め、実行に移しますが、その結果は……


 ラストは非常に複雑な気持ちになります。


 これで本当に良かったのかよ、ジョニー……!(泣)


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 総評


 おすすめ度     ★★★★★★★★★★

 インモラル度    ★★★★★☆☆☆☆☆

 トゥルーエン度   ★★★★★★★★★★


 日本語吹き替えを見たのですが、ジョニーの声がすごく良い声で、絶対どこかで聞いたことある……! と思ってたら、遊園地デートのジェットコースターでジョニーが叫んでるシーンでしっかり判明しました。


「ま、マクレーン警部! 野沢那智さんだー!」(大歓喜)


 野沢那智さんが誰かと言うと、もちろん声優の方で、スターウォーズのC-3PO(金ぴかのロボット)や、片腕がサイコガンの宇宙海賊が大活躍するアニメ『コブラ』のコブラとか。

 私もパッと思い浮かんだダイ・ハードの主人公、ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)が有名かもしれません。

 私の好きな声優さんの一人で、2010年に病没された方なので、懐かしく思うと同時に非常に興奮して……ゲフンゲフンッ!


 ……し、失礼しました。


 総評ですが、非常に面白かったです。

 1983年と古い映画で、確かに絵的なものは古いのですが、作りが秀逸で……感想のところにも書きましたが、視聴者を追い立てるようなBGMと、シーンのテンポ、セリフの言い回しがとても良いので全く飽きないで見れました。

 吹き替え声優も野沢那智さんを筆頭に実力派揃いで……と言いつつ、途中、急に英語音声と字幕になるシーンがあり、急な違和感を感じてしまったので非常に残念に思いました。

 未公開シーンを収録!と銘打っているDVDを買うと挿入された未公開シーンだけ字幕になってるようなあれです。

 この字幕のシーン、最終的に敵となる人間の邪悪を強調しつつも本質的な部分に関係ないようなシーンだったので、本当に未公開シーンを足した感じなのかもしれません。


 そして字幕から日本語に戻った時も、頭の切り替えが必要で……のめり込んで観てた時にこの切り替えはちょっときつかった。


 とは言え、指せる残念ポイントがこれくらいで、最高に面白い映画でしたので、自身を持ってオススメします。

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