第5話 階の悪戯
「ほう……」
夜、やはり誰もいない校舎。一階と二階の踊り場で骸は目を細め一段一段ステップを確認していた。
事は学年主任の一宮が生徒の階段で踏み外しが多発しているというのを持ってきたのに始まる。
ただの踏み外しなら起こりうることではあるが多発、更には女子ばかりであるというのはどうにもおかしい、と。
「とにかく……」
下りと昇りに御札を投げつけると昇りはひらりと落ち、下りは空中で静止、ピリピリと薄い電気を放つ。
「ふん。そこだ。深淵より来たる漆黒の使徒よ、今ここに力宿らん。『骸烏・伍式』」
——ビュンッ
鋭く投げつけられた漆黒の刃が小さな鬼を切り裂く。
「女子ばかり狙うとはな。とんでもない奴だ」
そのまま、骸は校舎を後にする。
しかし、帰り道の地下道が工事で封鎖されており、遠回りを余儀なくされた。
「……仕返しのつもりか、小鬼め」
紫煙が夜闇に溶ける。
骸烏 物書未満 @age890
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