第4話「きる、ころす、こわす」

何時こんな奴等が現れたのか、考えても分からない。

でもやる事は決まっている、切り刻み走り、そして子供達を探す。

今は子供達の無事を祈り、こいつらを

「きる」

奴らの脚は振れば振るほど僕の手にどんどん馴染んでいく。

と言うより僕の握る力で潰れていって僕の手に馴染む形になっていってると言った方が良いか。

とにかく今は斬るだけだ。

ここで立ち止まる訳にはいかないんだ。

殺さなければ、殺されてしまうのだから、だから殺すんだ。

あの子達も、僕も。

「だから、殺す」


そういえば、「殺す」ってなんだろう?

最初にコイツにで会った時に浮かんだ言葉。

殺す、ころす、コロス、ああ。


「そっか」

僕は気づいた。

「きみらも、だれかのこどもか」

僕はその誰かの子供を殺している。

「ごめんなさい、だれかもわからないこのこたちのおや」

でも

「いまはかんけいないけど」

1番は自分の子供だ。



右、左、前

奴らは全部それなりの大きさにかなりの数で一々全部「殺す」にはかなり苦労する事が分かっていた。

だから僕は全部は殺さず、邪魔な奴らだけを殺す事にした。

それに無駄に殺してはこの子達の親が悲しむだろうし。

そう思いながら僕は目の前の誰かの子供の脚を斬り落として踏み台にした。



気がつけば辺りは明るくなって来た。

光が世界を照らし、「朝」となる。

そして光は僕に遠くの光景を見させた。

そこには大きな、大きな僕らと同じような体をした人が子供達を抱えて走っていた。

でもその人は


下半身が僕が殺した奴らと同じだった。


「ぼくの」

僕は

「僕の!」

僕はまた

「ぼくのこどもをかえせぇ!」

怒りに支配された。


「まま!」

だが、その怒りは子供達の、子供達の無事な声で収まった。

子供達を抱えていた人?は僕を見るとヒッと声をだし後ずさるが子供達の声を聞き

「おかあさんサン、デすカ?」

と僕に恐る恐ると子供達を差し出した。


2人が言うには最近変な音がするので2人で探りに行き、あの変な奴ら、助けてくれた人が言う「クモ」に襲われ、逃げていた所をこの人が助けてくれたらしい。

そしてこの人はと言うと、端的に言えば僕と同じような存在だった。

彼女は僕らに話した内容は、何とも壮絶な物だった。



ワタシ、最初は独りだったんです。

変な部屋にいて、意識がぽやーってなって。

それで気がついたら地面の上に独り立っていました。

そこは

とにかく「寂しい」、そんな気持ちでいっぱいだったんです。

なんでかは、わかりませんでしたけど


最初ワタシがした事は自分の体の確認でした。

まず手を見て、脚を見ました。

そのとき頭に浮かびました。

「お腹空いた」って。

それで私、自分の腕を食べました。

痛かったけど、食べれば「おいしい」って幸せになれたしそれに食べれば食べた所も元に戻ってました。


お腹が空いていない時は歩いて、誰かいないか探しました。

寂しさをどうにかしたかったですし、もし他にも人がいるならその人も寂しい、って思ってるかもしれないって思いましたから。

それで誰か探すために歩きました。


食べて、歩いてを繰り返して、血をすすって目を口の中で転がして、それである時変なこれを、

ん?緑?


緑って言うんですね、まあこの緑を食べまして、そしたらとても美味しくて!

いっぱい食べたらお腹が膨れちゃって。

いつもワタシ、自分が動ける範囲しか自分の事を食べれなかったので膨れる程食べるって初めてだったんですよ!


それでですね、いっぱい食べた〜って思って思ったら脚付いてる場所の後ろ側が何だか大きくなりまして、なんだろうって思いながら普通に過ごしてたら気がついたらにちゃあって音がしまして、何!?と思ったら卵がでまして。

卵って何?

あれ、知らないんです?

子供は大体卵から出てくるものじゃ、違う?

お腹から?

ど、どうやってそんなってまあともかく!

卵を私産んじゃったみたいで最初は3個ぐらい食べたりしましたがなんだか不味くて、それでほっといたらあの子達、つまりワタシの子供達が産まれたんです。


頭の中で子供だって気づきまして、なんだか愛おしくなったんです。

最初は子供達の世話もしていました。

でも

それでも、私は思ってしまったんです。

食べたいって。


それから私は子供達を食べないようにする為に子供達から離れるように過ごすことにしました。

でも卵はどうやらワタシがお腹いっぱいになると産まれるみたいで。

でも食べたいって思うと少しは耐えれるんですがたまに耐えれなくて。

お腹いっぱいになった後は私はそこらじゅうに卵を置いてワタシはそこを離れて歩いて別の所を探していました。


でも、気づいたんです。

あの子達も私と同じように子供を産めるって。


最初のワタシの産んだ子供がワタシの前にワタシ達と違って上半身が無い、今色んな場所にいるあの子供を持ってきて、殺して言い放ったんです。

「偉大なる母上様!我らが子!我らが供物をお受け取り下され!」

そう言って、あの子もまた死にました。



食べました。

食べたくなかったのに、食べないと誓ったのに。

なのに、なのにどうしようも無く。


「食欲」が出たんです。




彼女の話を聞いた後僕は少し泣いている彼女を連れ安全な場所を探した。

探している途中彼女は僕の今の姿を恐る恐ると言った様子で言い、僕はようやく自分の状態に気づいた。

ケガは自然に治っていて問題無いが身体中がベトベトで臭かった。


あの後水たまりで身体を綺麗にした後開けていて守りやすい場所を見つけた。

そしてそこでとりあえず今日は休むことにした。


「ワタシもイッショでいいんデス?」

「いいよ、ぼくがいるから」

「ヒェッ」

僕が今まで持ってきた脚に目を向ければ彼女は少し後ずさり手は出しませんと言うようにコクコクと頷く。

それに、彼女から落ち着いて話を聞いていたら湧いてきた感情があった。

それをどうにかする為に、彼女を連れてきた訳でもある。

子供達が眠った後、僕は彼女に詰め寄った。


「アノ、めが、コワイです」

「きのせい、すこしはなしある、きて」

「エ?」




前々から思ってた事。

それは尻尾を弄ったり股を弄ったり、そう言ったのはどうしてやりたいのか。

考えて、考えていれば何でか分かった。

それは衝動だった。

とにかく、やりたい。

それだけだった。

そしてその感情と衝動は「性欲」という物だった。


彼女の「食欲」と同じようなもの、僕は子供達が対象にはならないけど、でも


彼女は、対象だったようだ。

正直子供達の目の前でやっては行けない様な気がしてた、だから今まで完全に子供達に見つからないような時じゃないと出来なかった。


もう我慢の限界なんだ。








それにしても彼女の体は凄い大きい。

下半身はそもそも作りが違うから良いとして上半身だけでも僕の2倍近くある。

彼女は僕が小さいだけだとか言ってたけどすぐに黙らせてあげた。


大きくなれるかな、あの膨らんだ胸も触り心地良かったし僕の胸も真っ平らじゃなくて半分でもいいから膨らんでほしいな。


それにしても彼女は少し弄っただけで息も絶え絶えになってた。

僕が楽しめないから少しばかり耐えて欲しい。

でも他の人からやられると何時もより凄い!と言うのはわかったし脚とか腕をこするのも気持ちいいと気づけたのは大発見だった。


そういえば


「もう、むり、でしゅ!」

「いけるよ」

「ですからぁ!むりで!?」

「いける」


彼女の目を見ていけるって言ってたら10回ぐらい彼女の体力が回復してたけど何があったんだろうか。

彼女が起き上がったら聞いてみよう。


全く、事の途中で眠るなんて。

まだ普段だと序盤なのに。

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