第31話「さぁ〜行こう」

「はぁ〜はぁ〜」

(まだまだ体力が続かないなぁ〜)


僕が5km走を終えると、校門のところに香織さんがいた。


香織さんは僕に気付き、


「あっ!!コータロー君!!おつかれぇ〜。」


「おっ、お疲れ様です!。」


「男バスはこれから歓迎試合でしょ?。頑張ってね」


「はいっ!頑張ります!。」

(あれ?今日は変な事を言ってこないなぁ〜)


僕が香織さんの横を通り過ぎようとした時、


「早く付き合いたいなぁ〜。」


ボソッと小声で香織さんがつぶやいた。


僕は顔を真っ赤にして走り出した。

(やっぱりぃ〜?ビックリしてつい走り出しちゃったよ)


「また逃げられたかぁ〜。今から試合だし今日は普通に応援してあげようかな」


僕が体育館に戻ると、


「コータロー?どうした?そんなに息を切らせて。」


校門から体育館へ猛ダッシュした僕は息切れをしていた。


「試合前にへばんなよ」


「だ、だ、大丈夫」


「それじゃ〜ボチボチ始めるぞ!一年は黄色のビブスをつけろ!」


「はいっ!!」


2面あるバスケコートを使い


A面には3年生、B面には2年生が陣取った。


1年は総勢20名。4チームに分けられた。


(けんちゃんもタケル君も別のチームかぁ〜。ちょっとやりにくいかもしれないな。)


「それじゃ〜岩井ぃ〜!!女バスは審判を頼むわ!。あとB面1年の監督はお前頼むな。」


「はいっ!!」


「そんじゃ〜まずは1年のAとBがコートに入れ!。試合じゃない奴もちゃんと見とけよ!。」


「はいっ!」


試合が始まった。


ちなみにけんちゃんがA、タケル君がB、僕はDチームになった。


(まずはけんちゃんが3年生とかぁ〜)


「相沢君だっけ?よろしくな!。」


「池内君だよね?最後の全中観たよ。ポジションはPGで良いんだよね?」


「俺の事、知ってるのか?。」


「君と、大泉君は結構有名だから。」

(俺は大泉君の方に興味があるけどな)


「そっか。ちなみに相沢君はセンターで良いのかな?」


「やれと言われればどこでもやるけど。とりあえず3年生とやる時はセンターには入ろうか

?」


「そうだな。じゃ〜まずは3年生のお手並み拝見と行こうか」


センターサークルに集まりコート両面を使った親善試合か始まった。


「それでは親善試合を始めます。みんな怪我をしないようにね!」


ジャンプボール。


「ピッ!」


A面のジャンプボールは相沢君が制し、B面はタケル君が制した。


「ほぉ〜。やはり今年の1年は高さがあるな。」


A面では、けんちゃんがボールを取った。


けんちゃんは、一本指を立てて


「さぁ~行こう」


と言った。


僕は思わず吹き出してしまった。


「ぷっ!!」

(けんちゃん!あんなに練習したのに間違えた。「さぁ~行こうか」だよ!!)













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