治癒術師の話
この世界の遥か北方、世界の端と言われる海にその巨大な島は浮いている。三日月のような形状をしていることから月の国と呼ばれているその島は、名称の通り、独立した一つの国だ。資源は乏しいが、国が中心となって魔具職人の育成に力を注いでおり、育った職人が質の高い魔具を産み出し、その魔具を国の特産物として売ることで国交が成り立っている国でもある。職人達の中には世界に名を轟かせる高名な者もいるらしい。一見すると魔具職人に重きを置かれる国なのかと思うだろうが、実は魔具職人達よりもある人物達が優遇される国であることを知る人は少ない。それこそ、月の国で生活する国民くらいしか知らないだろう。
その優遇される側の一人であるマルタは、月のギルドに所属して十年は経っているベテランの治癒術師だ。特にこれといったギルドグループに所属していない為、様々な冒険者ギルドに雇われてはダンジョン迷宮の探索に同行することが多い。
ダンジョン迷宮とは、ワープの魔術結界が掛けられた特殊な
・ダンジョン迷宮に繋がる特殊な
・
・外へ通じる出入口はなく、壁を破壊して外に出ようとしても解析不能な材質の壁に阻まれて壊すことはおろか、傷をつけることも不可能
・深部へ向かって進むと様々な魔物に遭遇し、それらの魔物を倒すと貴重な宝物や魔石を手に入れられる
以上の内容、特に最後の内容を聞けば一攫千金を目指すものにとってはまさに夢のような場所ではあるのだが、まぁ、深部へ進めば進むほど魔物の凶暴性と強さは比例して強くなるので、そう簡単にお宝を持ち帰ることは出来ない。しかし、ダンジョン迷宮で手に入れられる宝物や魔石は珍しいものばかりで、売れば相当な額の金が手に入る。リスク以上のリターンが手に入るかもしれないという夢を見せてくれるダンジョン迷宮の魅力に惹かれる者は多い。そして、そういった者は大抵、冒険者となってギルドという徒党を組み、少しでも深部へ潜って貴重な物を持ち帰られる可能性を上げようとする。一人よりは大勢で入った方が生還できる確率が高いからだ。そうして貴重な宝物や魔石を持ち帰り、売り捌いて金持ちとなった者も現実に存在する。特に、魔具職人が多い月の国では魔具の素となる魔石の価値は他の国より高い。それ故に、魔物と戦って命を落とす危険が伴うと分かっていてもダンジョン迷宮に潜り、魔石を持ち帰って月の国の国内にある専門の機関へ売って金を得ようとする冒険者は数多く存在する。そして冒険者達が専門機関へ売った魔石は魔具職人達の元へ届けられ、魔具として生まれ変わり、国交の要の商品として他所の国へ売られていき、月の国の財政を支える。要するに、冒険者達が持ち帰った魔石は月の国の国民達の生活を支えるのだ。そういう経緯から、冒険者達は月の国の国民達の生活を支える重要な存在として魔具職人達よりも尊敬され、国からの支援も待遇も優遇される。金も名誉も得られる理想の職業として尊敬される冒険者に憧れを抱き、ギルドの門を叩く者は年々増えている。
マルタを雇う冒険者ギルドも大抵はそんな人達の集まりだ。価値の高い魔石や売れば金になる宝物を目指し、より手に入れる確率の高いダンジョン迷宮の中層を目指して探索する。マルタの仕事はダンジョン迷宮を進む中で怪我人が出ればその治療をし、戦闘になれば援護魔法等で仲間の冒険者達を援護するのが主だ。つまり、簡単に言えば支援役だ。雇われる際も自分にできる事をそのように説明をするし、相手のギルドグループもそれを了解して雇い、ダンジョン迷宮に向かう。何事も無ければその説明通りの仕事をしてダンジョン迷宮をそこそこ探索し、一定時間探索したら帰還して事前に取り決めていた報酬を貰って解散、というのがマルタの日常だった。しかし、そんな日常をぶち壊される日も偶にある。
例えば、そう。普段通り冒険者ギルドに雇われてダンジョン迷宮に入った早々、ダンジョン迷宮の深層にしか現れない筈の蜥蜴竜と遭遇してしまった今など、それに当てはまるだろう。
雇われる際、「ダンジョン迷宮中層に潜った数は三桁を超える」と自信たっぷりの自己紹介をしてきたギルドマスターの男はダンジョン迷宮に繋がる
蜥蜴竜は名前の通り、蜥蜴に近いフォルムをした魔物だ。その大きさは蜥蜴なんてものではないが。ダンジョン迷宮の通路の幅を占領する巨体は不気味な赤黒い鱗に覆われてギルドメンバーが持つ松明の明かりを反射しててらてらと光り、成人男性が三人重なっても届かないダンジョン迷宮の天井すれすれの高さにある頭部に目は無く、鋭い牙先を覗かせる口は喉元まで裂けており、巨体を支える四肢は短いものの、筋肉質で樽よりも太い。あの四肢に踏み潰された者がどうなるのか、マルタはよく知っている。この魔物に遭遇して無傷でいられた冒険者は一握りしか存在しないほど手強い相手であり、また、ダンジョン迷宮の深層にまで行かないと遭遇できず、初層で姿を見ることは到底あり得ない魔物であることも知っていた。
「なんでここに蜥蜴竜がいるんだ」
茫然とギルドマスターが呟いた直後、まるでそれに応えるように蜥蜴竜の片足が音もなく振り上げられ、先頭にいたギルドマスターが近くの壁に叩きつけられた。ガシャン、と鎧と壁が激突する鈍い音。ギルドマスターを中心に壁に広がった赤い紋様。違う。あれは紋様じゃない。あれは、ギルドマスターの血だ。出血している。あの出血量は命に関わる。無意識のうちにそこまで判断し、我に返った。腰元のポーチから触媒の魔石を一つ取り出し、宙へ投げて回復魔法を唱える。
「慈悲深き聖霊よ聞き給うれ!汝の吐息、輝きを灯す息吹となりて癒し給う!」
投げた魔石が宙でパキンと砕け、同時にギルドマスターが光に包まれる。全回復とまではいかないだろうが、止血には充分の回復となった筈だ。しかし、それだけではギルドマスターを助けられたとは言えない。体力を回復させる回復魔法を続けてかけなくては命に関わる。今直ぐにでもギルドマスターの元へ駆け寄りたいが、蜥蜴竜がこちらへ向けて踏み出す方が早かった。地響きを立てて近づいてくる魔物はどう見てもこちらに敵意を抱いており、この状況でギルドマスターの元へ駆け寄るのは自殺行為だ。状況の悪さから咄嗟に舌を打ち、腰元のポーチから片手一杯に魔石を掴んで取り出し、宙へ撒くように投げた。
「堅牢なる聖霊よ聞き給うれ!汝の拒絶、障壁となりて我らを守護給う!」
魔石達が砕け、薄いカーテンのような光の波が自分を含めたギルドメンバー達を包み込む。そこへ蜥蜴竜が突っ込もうとしたが、守護魔法の妨害を受けてメンバー達の手前で見えない壁に押し返された。守護魔法は後十分程なら持続する。その短時間で蜥蜴竜ほどの大物の魔物を倒すことはできなくとも、幸いなことに
未だ茫然としているギルドメンバーへ向けて声を張り上げた。
「守護魔法は後十分程で切れるよ!今のうちにマスターを引っ張って
その声を受けて漸く我に返ったギルドメンバー達が慌てた様子でギルドマスターの元へ駆け寄る。そのメンバー達を踏み潰そうと蜥蜴竜が足を踏み出すが、守護魔法によって遮られて押し返される。守護魔法はしっかりと機能している。これならギルドマスターを連れてダンジョン迷宮の外へ引き返せるだろう。ほっとしたのも束の間、守護魔法によって生み出された見えない障壁を疎ましく思ったのか、蜥蜴竜が見えない障壁に向かって大口を開き、噛み付いた。
「は?」
間の抜けた声が口から溢れた。守護魔法は魔法をかけられた対象に物理的に触れるモノを自動的に感知して発動、物理攻撃どころか、ただ触れるだけの行為すらも弾いて対象を守る第二高等魔法だ。ただし、その魔法をかけられている対象からは触れることは可能だ。つまり、その守護魔法へ物理的に触れることは叶わない。そういう魔法だ。それなのに、蜥蜴竜は触れてみせた。触れるどころか、明確な攻撃の意思を持って噛み付いた。本来なら弾かれて触れることすらできない筈の魔法の障壁が、噛み付かれることを受け付けている。その直ぐ下で、ギルドメンバー達が自分達の上で起きている異常事態に気付かないまま、ギルドマスターを抱き起こし、抱えてこちらに向けて駆けてくる。嫌な予感がして、腰元のポーチから魔石を片手一杯に掴んで駆け出した。ミシリ、見えない障壁が軋む音を聞きながら
「マルタさん!?何してんすか逃げますよ!」
「何って……
「は!?アンタ治癒術師でしょ!そのアンタが
「いや、雇われる時にギルドマスターともちゃんと話し合って決めたし」
「あのバカマスター頭沸いてんのか!?」
ギョッとした表情になり、そのままマルタを引きずってでも
「堅牢なる聖霊よ聞き給うれ汝の拒絶障壁となりて我を守護給う!」
パキン、宙で魔石が砕ける音が響き、薄いカーテンのような光の波が全身を包み込む。同時に、それは頭上から聞こえた。パキィ、と、薄氷を踏み砕いたような音。そして迫り来る巨大な蜥蜴竜の口。最初に掛けた守護魔法が破られた。そんなあり得ない現実を目前にして驚くも、即席で掛けた第二の守護魔法に噛みつきを遮られ、蜥蜴竜は何もない空間で無様にも口を開けっぱなしにして涎を垂らしている。まぁ、その開けっぱなしにしている巨大な口から覗くずらりと並んだ鋭利な牙の配列といい、本来なら守護魔法に弾かれて後ろに後退しているはずなのに、見えない障壁に噛み付くようにそのまま耐えている姿は一概に無様とは言い難いのだが。普通の魔物相手ならありえないことをやってのけるあたり、蜥蜴竜という魔物が並大抵な魔物ではないことを示している。蜥蜴竜がそのまま近づいて来られないことをしっかりと確認した上で、素早く後方を確認した。後方ではギルドメンバー達が
「何にでも噛み付いてんじゃないよこの、バカトカゲ!」
マルタの拳を受けた蜥蜴竜の下顎がグシャリと音を立てて派手に砕け散った。どす黒い血やら肉片が辺りに撒き散らされ、マルタ自身もその血肉を直近で頭から浴びてしまった。流石にこれは守護魔法でも防げない。「げぇっ」と思わず呻きながら後退ったマルタの目の前で、蜥蜴竜がギエエとも、ギョエエとも、ギアアとも聞こえる聞くに耐えない叫声を上げ、砕け散った下顎から噴水のような勢いで血を垂れ流しながら後退する。どう見ても蜥蜴竜は怯んでいた。しかし、ダンジョン迷宮の深層を彷徨う蜥蜴竜ともあろう魔物が、これしきの攻撃で深層まで泣いて逃げ帰るとは到底思えない。ここでトドメを刺さずにダンジョン迷宮から去れば、この魔物は傷が癒えるまで初層に留まろうとするだろう。そうなれば、何も知らない冒険者がダンジョン迷宮を訪れたと同時に目の前の蜥蜴竜に襲われ、ギルドマスターのような目に遭い、負傷した冒険者達で月の国は溢れるだろう。もっと最悪な状況に陥ったら死者も出るだろう。
「大人しく深層で彷徨っていれば良かったものを……」
そう吐き捨てて蜥蜴竜へ歩み寄る血塗れのマルタの姿は、回復や援護魔法を専門としている治癒術師には到底見えない。血塗れになって赤黒く変色した魔法衣が唯一、魔法を扱える人物であることを目に見えて示してくれる程度だ。
近づいて来るマルタに気づいたのか、蜥蜴竜が砕けた下顎から垂れ流れる血を振り撒くように顔を震わせて「キシャアア!」と鳴きながら前脚で何度も地面を踏み鳴らす。「キシャアアアアア!」威嚇のつもりなのだろうが、未来の生活費がかかったマルタにとってそれ「ゴアアアア!」さな子供が地団駄を踏んでいるようにしか見えなかった。これで冒険「ギョエエエ!」れられる魔物の五本指の一本に数えられ「ギャアアア!」不思議な話である。いや、今回は運良く下顎を砕けさせることができただけで、本来なら「オアアアア!」うという魔物は討伐対象としてはA 級クラスの「キェアアアアアアアアアアアア!」……煩い。思考すら遮る蜥蜴竜の威嚇の叫声が煩わしいあまり、思わず隣の壁に向けて拳を打ち付けた。ズドン、とダンジョン迷宮を揺るがすような地響きがして、天井からパラパラと埃が舞う。それに驚いたのか、鳴き叫んでいた蜥蜴竜はすっかり黙り込んでしまった。その姿があまりにも情けなく見えてしまって、この目の前の魔物は本当にあの深層エリアに出没するA級クラスの魔物、あの蜥蜴竜なのかと睨め付けた。
「たかが下顎粉砕されただけで喚くなバカトカゲ。こっちの雇い主はもっと重症だっての。
今にも尻尾を巻いて逃げ出しそうな蜥蜴竜に向かって駆け出すと、向かってくるマルタを見て覚悟を決めたらしい蜥蜴竜が迎え撃つように前脚を振り上げ、押し潰そうと振り下ろしてくる。先ほど守護魔法を噛み裂かれたこともあるので、念の為避けておこうと斜め前へ飛び込むと、激しい地響きと共に後ろから風圧が吹き付け、受け身を取ろうとしていたマルタの体を弄ぶように転がした。上手く受け身を取り損ねて脇腹を強打し、鈍痛が脇腹に響いた。体に鞭を打って転がり起きると、ちょうど蜥蜴竜の腹の下だった。自分が先ほどまでいた場所がどうなっているのか確認する余裕はないが、とんでもない威力の踏み潰し攻撃だったことは体に吹き付けられた風圧で理解していた。アレは避けて正解だった。あの威力は守護魔法を破壊しかねない。蜥蜴竜の腹の下に転がり込んだ今こそ攻撃の
「いや、そんなに痛がるならさっさと逃げ帰りなさいよ!」
ギャアアアと叫声を上げながら折れた前脚を地面から引き抜こうとする蜥蜴竜はどこからどう見てもこれ以上戦えるようには見えない。無事なのは前脚一本のみだ。このまま深層に逃げ帰っても他の魔物の餌になるだろうという有り様なのに、蜥蜴竜から放たれる闘争心は消える様子がない。今なお威嚇するように唸り声を上げる蜥蜴竜の様子に、こうなったらトドメを刺すしかないようだと溜息をついた。
「私、これでも治癒術師なんだけどな……いくらアンタら魔物相手とはいえ、命を奪うことに抵抗感はあるんだからね?……ちょっと聞いてる?」
こちらの問いかけに「これだけ攻撃しといて嘘つくな!」とでも言うかのように蜥蜴竜はギョアアアと大声を張り上げ、地面に突き刺さっていた前脚を引き抜くなり突進してきた。咄嗟のそれは避ける間もなく、しかし守護魔法の見えない障壁が機能しているおかげで突進は遮られた。しかし、見えない障壁から響いたミシリという嫌な音はしっかりと耳に届いた。自分に掛けた守護魔法があとどれくらい持つのか正直分からないが、また同じような突進攻撃を受けたら守護魔法が破られる可能性があることを理解して背筋に寒気が走る。重症を負っているとは言え、蜥蜴竜を相手に守護魔法無しで戦うのは恐れ知らずの蛮勇な猛者くらいなものだ。もしまた突進されて守護魔法が破れてしまったら、相打ち覚悟で迎え撃つしかない。できれば生きて帰りたいが。そう願うこちらの思考でも読んだのか、蜥蜴竜は助走をつけるように数歩だけ後退し、今度は頭から突っ込むように身を屈めて突進してきた。
「血だらけになるわ、魔物とはいえ命を奪うことになるわ、今日は散々だなぁ」
そうぼやきながら利き足を前に一歩踏み出し、利き腕を後ろへ引く。蜥蜴竜は手前まで迫り、守護魔法の障壁によって一瞬だけ突進は押し留められたが、薄氷が踏み砕かれるような軽い音と共に蜥蜴竜の赤黒い鱗に覆われた頭が目前に迫った。やはり守護魔法は破れたか、と焦る気持ちを振り切るように正拳突きを繰り出すと、ドゴォ、と鈍い音と共に蜥蜴竜の頭に拳がめり込む。しかし、たった一回の突きだけでは蜥蜴竜の突進の勢いは止まらない。突き出した拳は赤黒い鱗を砕き破り蜥蜴竜の皮膚に深々と突き刺さるも、蜥蜴竜の突進に押し負けて後ろへ押されていく。このままでは背後にある
そんなマルタを
「マルタさんすげぇ出血してるじゃないすか!だから治癒術師に
そのまま今直ぐにでも近くの町へ駆け出そうとする剣士を片手で制し、首を横に振った。
「ご心配なく。返り血だから」
それを聞いたギルドメンバー達は「かえりち?」と鸚鵡返しにそれぞれ呟いていたが、その単語の意味を理解できていないのか、眉を八の字にしてぽかんと間の抜けた顔を晒した。メンバー達のその様子を見て確信した。やはり、自分の経歴を知っていたのは雇い主であるギルドマスターただ一人だけのようだ。ギルドマスターから治癒術師としてメンバーに紹介された自分が「
ダンジョン迷宮から抜け出した今なら説明する時間もあるだろう。そう思って口を開いた。
「確かに私は治癒術師だけど、後衛も前衛もお任せあれな治癒術師でね。一応、
そう肩を竦めると、ギルドメンバー達が一拍置いて目を見開いた。どうやら聞き覚えはあるようだ。味方を癒すの加護の手も魔物を滅する手も持つ治癒術師、通称
何とも困った話だと苦笑いし、ふと自分を取り囲むギルドメンバー達の顔を見渡した。そう言えば、蜥蜴竜からの一撃を喰らって瀕死になっていたギルドマスターはどこにいるのだろう。応急処置の治癒術はダンジョン迷宮内でかけたが、万全の回復とまではいかなかったはずだ。目の前で怪我人が出たのなら後遺症もなくしっかりと回復させておきたいと思うのが治癒術師の
「それで、ギルドマスターはどこ?全回復とは言い難い状態のはずだけど」
そうギルドメンバー達に声をかけると、メンバー達が揃って慌て始めた。どうやら、一人だけダンジョン迷宮に残されたマルタを心配するあまり、唯一の怪我人である筈のギルドマスターのことを放り出して
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