時間の揺れ

 家具の音はすり減りながら、木材が削られるごとに金具が動いている。白樺の色へと結んだ金具の冷たさ。そして隣へと落とした風船の柔らかな赤色が、朝と夜を区別なく吸収する。移動を重ねる獣の吐息を集めては、家具が使われ続ける山の風景。昼下がりで一つ回る時計の針へ、風船が近づく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る