水のみ

 パンの白さが水に濡れ、沈むように色が移る。透明だった数滴の意味を、生地は包んだまま軽くする。水はやがて公園に出て、砂に当てられ落ちていく。暑さが乏しい夜の水場は、虫の優しい音色を纏う墓標になって、花を咲かせる水分を求めていた。

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