リトグラフ
増田朋美
リトグラフ
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暑い日だった。顔に日焼け止めを塗っても何も意味のないくらい、暑い日であった。本当に暑い。もうどうなってしまうかわからないくらい暑いのである。もうあちらこちらで、熱中症で倒れた人が運ばれていく音が聞こえる。熱中症ばかりではない。今年は、発疹熱の流行もあって、急に高熱を出して、倒れるひとが続出している。イベントやコンサートもほとんどが中止になった。それはある意味では悲しいことでもあるが、テレビゲームとか、インターネット業界では、またとない大チャンスがめぐってきたと、ほくそ笑んでいた。
そんな中、いつまでも日の光を浴びない商売というものもある。佐藤美恵子のやっている。印刷会社もその通りである。最近の印刷屋は、肩身が狭くなっている。大体の人は、パソコンでチラシなどをつくって、もうややこしい印刷はしないんだという人が、大半だからである。リトグラフ、石版印刷何て、有名な芸術家でなければ、しないということである。
今日も、暑い中佐藤美恵子は石版に薬品を塗って、版を作り、インクを塗って、紙に転写するという単純な作業を行っている。単純な作業に見えるが、実はこの印刷術は大変難しいものであった。それを覚えて、何かつくるだけでも、職人技というのが、結構必要になる技術である。今やっている、パソコンで、文字を打って、それをプリンターで印刷するという、ボタン一つで何でもできてしまうような印刷とはできぐあいも、違う。欠点としては、版にする石版、つまり石灰石を入手するのが大変なことと、石灰石が重たすぎて、持ち運びに困るということであった。かなり昔からある印刷術であるけれど、今は必要なくなっていると言ってもいいかもしれない。
今日も、佐藤美恵子は、近隣の洋服屋に行った。洋服屋では、ちょうどセールをやっている時期で、いろんなものが安く買えたのであるが、美恵子にとっては、少々お高いものでもあった。それでも、そこでタオルを一本買って、洋服屋のおばさんに、
「次のセールいつですか?」
と、聞いてみる。
「そうですね。来月もう一回やりますけどね。夏物大処分市ということで。」
と洋服屋のおばさんは、一寸彼女を見て、考えながら言った。
「それだったら、宣伝用チラシ、うちでまた作らせてもらえませんでしょうかね。」
と美恵子が言ってみると、
「ええ、それがね、そういうものはうちでパソコンで作れるからそれでいいかなと思うのよ。うちのパソコンでね。」
と、おばさんはそういうことを言った。そうすると、隣にいた客が、なんだかいやそうな顔をして、
「佐藤さん、あんた腕のいい職人だけどさ、もうちょっと時代にあった商売をするってことも考えた方がいいよ。いつまでも明治くらいの印刷術にこだわってたら、時代が欲しいとかそういうことから取り残されて、干からびる事になっちゃうよ。」
なんていうものだから、美恵子は返答に困ってしまう。だって、私が、若いころは、リトグラフ使って、印刷することはたまにだけどあったのに。ほんと、時代の流れに取り残されちゃったな、という気がするのだった。
「そうねえ。」
とだけ、言っておいた。人というのは、からかいたくなると、徹底的にからかいたくなるものだから、その場を離れるのが一番である。急いで美恵子は、その店から出たが、実はもうちょっと長居をすることができたら、洋服屋のおばさんと話をして、宣伝用のチラシを作ることができるかもしれないのになと思うのだった。
美恵子は、また仕事を取られちゃったなと思いながら、ため息をついて、道路を歩いた。このままじゃ、仕事を取ってくることも難しくなるなと思う。もうほとんどの印刷というものは、個人的なものは、パソコンでできてしまうし、かといって、出版社のようなところが、石版印刷をするところなど、まったくと言っていいほどない。江戸時代は、木版印刷しかできなかった。石版印刷は、言ってみれば、江戸時代から、現代的な印刷にたどり着くまでの、過渡期に使用されていたものである。つまり、それに従事するには職人技が必要であるが、現代的な印刷にたどり着いてしまうともうその過渡期の工程というのは、いらなくなってしまうというのが歴史である。
「佐藤さん。ちょっと。」
と、パトカーに乗って、巡回に来ていたお巡りさんが、美恵子に声をかけた。美恵子には、一人娘がいた。父親は、とうの昔に離婚している。夫だった人物も、彼女のこだわりぶりにあきれていた。いつまでも、石版印刷何て、そんな古臭いやり方にこだわるな、それよりほかの仕事をしようと思わないのか、何て言っていた。そんなことも、彼女はうるさいと思っていた。でも今思えば、元夫が言っていたことも、わかるような気がしてしまう。
「どうしたんですか?」
美恵子が聞くと、
「いえ、佐藤さん。あの、一寸言いにくいことですがね。良子さんのことですが。」
と、お巡りさんは、何だか言いにくそうに言いだした。
「なんですか。」
何をもったいぶるんだと思ったら、お巡りさんはこういうことを言う。
「良子さんが、洋服屋で万引きをしようとしましてね。ほかのお客さんに見つかって大ごとにはならなかったんですけどね。今、彼女は店にいますから、一寸来ていただけないでしょうかね。」
「良子がですか?」
思わず、美恵子は声をあげてしまった。
「ええ、とにかく、店に来てもらえないでしょうかね。彼女の主張なるものを聞いてもらわないと。」
と、お巡りさんは美恵子に言って、美恵子にパトカーに乗るように促した。美恵子は急いで、パトカーに乗った。連れていかれたところは、有名なショッピングモール。そんなところだから、かんしっカメラのようなものが当然のごとくついている。其れなのに、なんで万引き何かしでかしたのだろう。
お巡りさんに連れられて、美恵子は、警備室に行った。
「良子!良子!」
と言いながら、部屋の中に入ると、良子が店の店長さんと、隣にいた杉ちゃんと一緒にイスに座っていた。
「何をやっているの!」
思わず声をあげて言うと、
「まあまあ、怒らないでやって頂戴な。金を払えば、買えるんだから。彼女、これを相当欲しがってたみたいだぜ。」
と、杉ちゃんが言った。店長の話によるととった品物は、アクセサリーだという。
「若いんだし、おしゃれもしたくなるわ。それに、家がそんなに貧乏なのは、耐えられないよなあ。」
と、杉ちゃんはからからと笑っている。もしかしたら、彼は自分の家の事情のこと何て、すでに知ってしまったのではないかと思う。
「まあ、彼女がさ、僕に話してくれたんだけど、あんまりにも学校でいじめが流行っているせいで、それでアクセサリーが欲しかったみたいだよ。彼女、学校で、お母さんが古臭い印刷技術にこだわっているのを笑われて、それが悔しくてしょうがなかったんだって。」
ああ、やっぱりうちの事情をなんでも知ってるな、この人。と、美恵子は思った。
「まあ、旦那さんと別れて、親一人子一人でやっているようだけど、あんまり変なプライドは持たないほうが、いいのでは?一体何をやっているのか知らないが、それは娘さんにはよくないってことだぜ。」
と、杉ちゃんはそういった。
「もしかして、知っているんですか。うちの事。」
「まあ、何をやっているのかは知らないが、お前さんが、古き良きものにこだわりすぎているせいで、
娘さんが学校に行けなくなってしまっていることは確かだよ。僕が彼女に聞き出したのはここまで。」
「え?学校に行っていない?」
「そうだって。だから、はやくなんとかしろってことなの。学校に行くと、みんなが笑うし、先生だって、進学する意思がないなら出ていけというらしいぜ。」
と、杉ちゃんは言った。
「そんなこと、あなたに、良子がそういったんですか?」
美恵子が聞くと、
「ああ。そういった。お前さんが聞いたって絶対話をしてくれないことを、聞き出したわけ。まあ、お前さんに話をすれば、すごい口論になって、事件沙汰になると思うから、僕が代理で言いました。すみません。」
と、杉ちゃんはそういうのである。良子が杉ちゃんの隣で、申し訳なさそうというか、ありがたいという感じでいるのが、杉ちゃんのいうことは間違いじゃないということはわかった。
「それじゃあ、お母さん、あとはお願いしますね。もう営業時間が終了してしまいますので。かえっていただきたいのですが。」
店長が、そう横から付け加えた。確かに、ショッピングモールが営業終了する時間になっていた。ああ、すみませんと、美恵子は親らしく立ちあがって礼をした。でも、良子は、帰りたくなさそうな感じだった。彼女は、申し訳ないという気持ちと、反抗したいという気持ちでいっぱいなのだろう。
「そんなにつらいんじゃ、今日は僕のうちで、のんびりせいや。僕のうちは、一つ空き部屋があるから、自由に使ってくれて結構だよ。」
と、杉ちゃんが助け舟を出すように言った。お巡りさんも、店長さんも、そうしていただけたらありがたいという顔をしている。本当は、良子を家に連れて帰って、根ほり葉ほり事情を聴きたいところだったけど、良子を刺激したら、またとない大ゲンカになってしまうような気がするのだ。
「じゃあ、僕のうちへ来な。それで大丈夫だよ。」
という杉ちゃんに、美恵子は、あなたはどこのだれで一体何をしている人であるのか、と聞いた。すると、杉ちゃんは、本名を影山杉三と名乗り、職業は、風来坊であると答えた。隣にいた店長が、何を言っているんだ。杉ちゃんは着物の仕立て屋だろ、ちゃんと自己紹介しないとだめだよという。その言葉を聞いて美恵子は、なんという不思議な縁なのだろうかと思った。この人も需要がないと思われる、着物を言うものを作って生計を立てている。何だ、私たち似た者同士じゃないの。
「そんなわけですから、今日は、というかしばらくは、娘さんをお預かりします。まあ、ゆっくりしていけや。衣食住には不自由はさせないよ。」
杉ちゃんに言われて、その日美恵子は一人で、富士市内にある自宅兼仕事場へ帰っていったのであった。
とりあえず、佐藤印刷と書かれている玄関をくぐって、彼女は、家の中に入った。家の中でたった一人何て何年ぶりだろうか。おそらく、娘が生まれる前でない限り、なかったような気がする。でも、それは遠い遠い先の事だと思ってたのに。こんな形で、こんな場面に遭遇するとは思ってもいなかった。
しかし、なんで万引きなんかしたんだろう。本当に、アクセサリーが欲しかったのだろうか。其れよりも、日常生活でたまった疲れを万引きで晴らしていたのだろうか。其れよりも、ほかの事だろうか。万引きをして、何を求めていたんだろう。
でも、学校でいじめられていたなんて何も知らなかった。なんで、何も言ってくれなかったのか。学校の生徒も先生も、味方になってくれなかったと杉ちゃんという人は言っていた。それでは、ほかの生徒にばかにされていたり、先生が自分のことをくだらないことばっかりやっているダメな親とか、そういうことを言ったんだろうか。それでは、私は、親として何をやってきたんだろうか。良子には、絶対に、不自由な思いをさせないということを、誓って生きてきたつもりだった。其れなのに、良子は、それをいらないというか、バカにされるというか、そういう結果しか残してくれなかったのだろうか。私は、そんな思いを良子にさせてしまったのか。親として、本当にダメな親だという思いと、良子が、学校でいじめられていたのを、何も話してくれなかった事を責める気持ちとが交錯して、美恵子は、その日、やけ酒を飲むようなつもりで寝た。
でも、それではいけないと、彼女は思うのだ。何とかバカにされないようにしなければ。翌日、目が覚めた彼女は、早く何とかしなければと思って、商店街で、セールをしている店はないかと探してみたが、それはどこにもなかった。セールのチラシ何て、もうパソコンでなんでもできてしまう時代だから。
そんなことをしている間に、彼女は朝食を食べてないことに気が付く。家に戻って、食事をする気にもなれず、どうしようか迷っているところ、小さな店があった。言ってしまえば喫茶店だ。食べ物が売っているかどうかは不詳だけど、とりあえず入ってみることにした。
「いらっしゃいませ。」
上品な感じの店のマスターが言った。
「お好きなお席にお座りください。」
席はちょっと減っていたけれど、混雑しているわけでもなく、何人かの客が、お茶を飲んだり、サンドイッチを食べたりしているだけであった。サンドイッチがあって、美恵子は少し安心した。それでは、同じものをたべればいいと思って、彼女は席に座った。マスターから渡された、メニューを見ると、サンドイッチとか、パスタもあった。美恵子は、マスターを呼んで、
「あの、パスタセットをお願いします。」
と、お願いした。
「はい、飲み物は、いかがなさいますか?」
と、マスターが言うが、メニューに飲み物は、表示されていなかった。本当は、表示されていたのかもしれないけれど、メニューの文字が、下手な字で、読めなかったのだ。
「えーと、すみません。失礼ですが、何が?」
と、美恵子が聞くと、
「申し訳ありません。下手な字で読めないですよね。私、どうしても字を書くのが苦手でして。パソコンでやればいいじゃないかとうちの家族は言いますが、どうしてもパソコンというものが使いこなせないんです。」
と、マスターは答えた。中年の男性であるけれど、字がとても下手だということだろうか。そのやりとりを聞いていた客が、
「マスターは、うまいものをこうして食べさせてくれるし、子ども食堂なんかもやっているから、徳がある人として許してあげてるんです。ね、マスターそうでしょう。」
と、マスターをからかう。別のテーブルに座っていた客も、
「まあ、誰もがパソコンを使いこなせるわけじゃないし、それは、仕方ないとしておいてもいいわ。聞けば必ず通訳してくれるから、メニューは、不自由していないけど。でも、子ども食堂で見える子供さんたちには、字が下手で、伝えることは、難しいんですけどね。」
と、からかった。マスターは、はははと禿げ頭をかじって、申し訳ないと笑っていた。
「ねえ、マスターの子ども食堂って、どんなことをやっているんですか?」
と、美恵子は、隣の席に座っていたお客さんに声をかけた。
「ええ、マスターがね、趣味で始めたんですけどね。近所の貧しい家庭の子供たちに、栄養をつけてもらおうということで、週に一回、格安でご飯を提供してるんですよ。カレーとか、ミートソースとか、そういう子供に人気のある、メニューを提供してね。でも、マスター、あの通り字が下手ですから、子供さんに、読めないと言ってからかわれているの事でも有名ですけどね。」
と、そのお客さんは言う。
「まあ、マスター、字が下手だけど、やっていることは素晴らしいから、読めないと言っても、笑っているだけですよ。」
その時、突然ある考えが浮かんだ。
「ねえ、私、石版印刷を、正業にしているんですが。その子ども食堂のメニューをうちで作らせてもらえないかしら。内容は、私のスマートフォンに送ってくださればいいんです。それを、私が、石版印刷で、メニューを作りますから。子ども食堂の前日を納期にして、、、。」
もちろん、ダメでもともとである。それは、しょうがないことだ。もうそんなこと、勝手にパソコンで家族が作ってますよとか、そういうことを言われるに違いない。でも、口がある限り、生きていかなければならない。だから、言ってみた。そういう事も必要だと。
「おお!それは名案ですよ。マスターのへたくそな字には、私も困っていましたから。確かに、マスターはすごく話を聞いてくれるし、優しいし、徳があるんですけど、メニューが読めなくて、いちいち聞くのも、一寸気が弾けちゃう事もあるわねえ。」
と、近くの席に座っていた女性客が、手をたたいて喜ぶ。ほかの客も、そうだ、それがいいよ、そのほうが、子供たちも喜ぶよと言っている。マスターは、
「いやあ、ありがたいことです。ぜひやってください。私も、自分の字の下手さには、あきれておりますから。それでは、ぜひ、印刷屋さんにお願いします。」
とにこやかに笑って言った。
「それに、石版印刷なら、昔ながらのほっこりとした文字ができるから、パソコンで作る不愛想なチラシより、子供も喜ぶでしょう。」
と、一寸年を取った、お客さんがそういう事を言った。
「ありがとうございます。じゃあ、次回の子ども食堂は、来週の木曜日ですが、それまでに、作っていただけますか?」
とマスターが言う。美恵子は、壁にかかっているカレンダーを見た。石版印刷だから、一度に大量印刷というわけにはいかない。木曜日は四日後だ。でも、今は仕事がなくなってしまったのだから、こういう小さな仕事でも心を込めてやろう。
「わかりました、じゃあ、水曜日に、メニューを印刷して持っていきます。メニュー内容は、お電話してくださってもいいですよ。それでは、何枚刷ればいいのですか?」
と、美恵子は営業する女性の顔になって、手帳を開き、水曜日に納期と書いた。
「そうですね。少なくとも、10枚は刷っていただけますか?」
とマスターが言うと、美恵子は、子ども食堂チラシ、10枚と手帳に書き込んだ。
「わかりました、よろしくお願いします。」
というマスターに、美恵子は、わかりましたと言って、マスターに自宅の連絡先を書いた紙を渡した。そしてマスターが持ってきてくれたパスタセットを、おいしそうな顔をして、たべてしまった。そのあと、マスターに金を払って、急いで自宅兼仕事場に帰る。数分後、マスターから、約束通り電話がくる。子ども食堂のメニューを紙に書くと、急いで版になる石版を取り出して、薬品を塗り、文字を書く。そしてそれを、A4サイズの紙に転写する。マスターが喜ぶように、バラの絵も一緒に入れておいた。同じことを10回繰り返して、10枚のチラシが出来上がった。この作業に非常に時間がかかる。でも、マスターの喜んでくれる顔、子ども食堂の子どもたちの事、そしてカフェに来てくれるお客さんの事を思いながら、版を作り、紙に転写して、チラシを作る。こういうことは、パソコンで気軽にチラシを作る人にはわからないだろう。こうやって、版を作っている間、使ってくれる人のことを考えることができる。これが石版印刷の醍醐味だと美恵子は思った。
ちょうど、10枚目のチラシが完成した時。ガラガラと玄関の戸が開いた。誰だろうと思ったら、杉ちゃんと一緒に、娘の良子が戻ってきたのである。
「それでは、もう大丈夫だな。お母ちゃんと一緒に、仲良く暮らせよ。」
と、杉ちゃんに言われて、良子は申し訳なさそうに、部屋に入ってきた。
「お母さん、ごめんなさい。あたし、こんな家に住むのが嫌だとか、そんな気持ちになってしまって、それで、ショッピングモールで万引きしてしまったの。」
と良子は、静かに言う。その顔はとても落ち着いていて、ガチンコバトルが起りそうな雰囲気ではなかった。
「お母さんも、一生懸命生きているんだものね。あたしも、一生懸命生きなきゃ。」
そういう彼女は、母の作ったチラシを見て、ふっとため息をついた。
「私の言い分は、杉ちゃんに聞いてもらったし。だからもう大丈夫。またお母さんと一緒に暮らせるわ。これからは、学校にもちゃんと行く。生きるって、楽しいものね。」
「おう、また、何かあったら、なんでもいいなや。」
という杉ちゃんは、にこやかに笑っていた。杉ちゃんとか食堂のマスターのような徳のある人が、もっとたくさんいてくればと、美恵子は思った。
リトグラフ 増田朋美 @masubuchi4996
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