第106話 交換(2)


「「おはよ」」


今日は俺と花音が出かける番。


「んで?どーだった?昨日はお楽しみだった?」


「まあ、おかげさまでそこそこ」


「でしょー?だからやってよかったじゃん」


金曜日。この企画をやる上で花音と少し話したことがある。

さやと優でデートさせれば間違えなく、その後甘えてくる。と花音が言ってきた。


「そっちは?」


「こっちも楽しかったよ。グイグイくるからまいちゃった」


「よかったですねー」


ナニしてたんだか


「棒読みー。でもまだ抜糸してないから激しい運動はダメってさー。めっちゃ残念」


それを俺に言うな。


「はいはい。そーですか。どんまいどんまい」


「そっちは?熱ーーーい夜を過ごしたんじゃないの?」


「普通に甘やかしてた」


「ふーん。楽しかった見たいね」


可愛かったわー


「さーてと、出かけよ」


「はいよ、どこいく?」


「服を買う。優を落とすための」


もう落ちてるのになぁ


「荷物持ちよろしくぅ!」


「はいはい」


想像以上の大変さだった一つの家に入ってから数十分。買った服を持たされると、急いで次のお店に向かう。


俺いつから召使になったんだ。


「いっつもこんな感じ?優と」


「荷物は半分こするけど大体同じ」


あらら、これは優大変だなー


「ねね、これとこれどっちがいいと思う?」


二つの服を持って、合わせて見せてくる。


「俺は右のが好きだけど、優は左の好きだろうな」


「だよねー露出おおいし。周ってこう言うタイトなの好きなの?」


…んー


「嫌いじゃない」


「好きなんだ。まあ、さやちゃんはこーゆー系あんま似合わなそうだしねー」


他の服がめちゃくちゃ可愛いので問題ありません。


「こっち買う〜」


結局左の肩が出てるフワッとした服を買うことにしたらしい。


まあ、俺の好みの買う意味もないし。


「買って欲しかった?」


「全然」


「うわーその顔まじじゃん」


悪いか。


「はい、持って」


「はいはい」


重い。


「あ、周もなんか買う?」


「んー特に何もいるもんない」


「そっかーじゃあいこー」


まだいくのか。


んで、なんか見られてるなー

まあいっか


「お昼食べよー」


どうやら買い物ではなく、ご飯を食べにきたらしい。


「お財布に優しい。サイ○リア」


「「ミラノ風ドリア」」


ここきたら、とりあえず食っとけみたいな。


他にも食べたいものとかを注文する。


「さてと…」


席を立って対面に座っていた花音の隣に座る。


『気付いてる?』


スマホを見せる。


「うん」


そう言うと俺のスマホを持って、入力する。


『話合わせてね』



俺の方をニコっと笑って見てくる。


「ねーねー花音と周の関係まだ、2人にはバレてない?」


…そーゆー感じかぁ。


「ああ、これからも秘密だよ?」


「うん。わかってる」


俺の腕に手を回してくる。

ああ、生きて帰れるかな。


「ぅぅぅぅ」


前の席から声が聞こえる。


見ない見ない。

すんごい視線を浴びてるけど。


「んー」


花音がこっちを向いて目を閉じる。


花音の顔にそっと触れて顔を近づける。


「おい」


後ろからどす黒い声が聞こえる。


あれ?頭掴まれてる?


「嘘嘘しないから、今の演技だから」


「本当か?」


「まじまじ」


声の主は優。それと優の後ろからすごい圧を放ってるさや。


やっぱこれは良くなかったぁ。


「花音もなんか言ってよ」


「本当だよ。2人がいたの気づいたからちょーっと。ね?」



「「本当にすいませんでした」」


謝まった。


念のために行っておくが花音と俺との間にそんな感情は一切ない。これは断言しておく。


さやと俺。花音と優で席に座り一緒に昼食を食べることになった。


「それで?さっきめっちゃ怒られたけど、君たちはどうして一緒にいたのかな?」


「そーだそーだー」


今度はこっちが尋問する番。


「まあ、なんて言うか。2人がさっきみたいなことにならないか監視をしてた」


「ちなみにどっちが誘ったのかな?」


花音の顔が少し怖い。


「優」


速攻さやが売った。


「本当に花音たちの監視のため?さやちゃんと出かけたかったんじゃないの?」


はぁ…なんか空気悪い。


「違う」


…まあ、優おっぱいでかい方が好きだもんな。


「さや?」


「ち、違う」


「わかってるよ」


もしそうなら、昨日俺の血飲むわけないし。


「花音もちょっと冷静になれ」


「むー」


「痛い痛い傷開くからぁ」


花音にお腹を抱きつかれ、悶絶している。

まあ、悪いのは優だからな。うん。


「さてと、合流もしちゃったしここで終わりでいい?」


「うん。優絞めるから」


わーこわ


優が震えてる。さやも。


「じゃあ、俺はさやをいじめようかな」


「え…」


めっちゃ引いてるじゃん。


「じゃ、また明日ね」


「ほーい」


さやの手を引いて家に帰る。


「な、何するの?」


「…ひ・み・つ」


家に帰るとさやをお姫様抱っこしてベットへゴー!


さやをベットの上に寝かせる。


「…本当に優と何もなかった?」


「本当だよ」


「ならいいんだけど」


ベットに座り直す。


こっちを見てきたさやの顔にそっと手を当てて、さやの唇にそっと自分の唇を当てる。


「んー」


さやの口の中に舌を入れる。


「…」


あーこの反応可愛いい


おずおずと舌を絡ませてくる。


あー好き。


さやの赤くなった顔を見てるとこっちまで顔が熱くなってきた。


真っ赤に染まったさやの耳を触る。


「ひゃぅ。らめ」


えっろ…


でもそー言われるとやりたくなっちゃうよね。


さやの耳をいじくり回す。


さやが舌を抜いて逆手で顎を押してくる。


「ダメ…ほんとに」


「ごめん。嫌だった?」


「…いやじゃないけど、だめ」


ちぇー


「可愛かったよ」


「ずるい」


いじけ、照れるさやを抱きしめる。


「だ「大好き」


あ、先に言われた。

さやからギュゥウと抱きしめられる。


自分。幸せです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る